2013.11.01

第29回熊本医学・生物科学シンポジウム「母乳の科学」が開催されました

2013年11月1日(金)に、熊本大学医学部 山崎記念館において国際アミノ酸科学協会と味の素(株)共催の第29回熊本医学・生物科学シンポジウム「母乳の科学」が開催されました。

当シンポジウムでは日本、アメリカ、ヨーロッパを始め、マレーシア、ベトナム、タイ、フィリピン、そしてインドネシアからも小児栄養の先生方をお招きし、母乳の中に含まれるアミノ酸の役割や、各国の母乳育児事情についてのご講演をしていただきました。医師、研究者を中心におよそ80名の参加があり、活発な議論がなされ、乳幼児の発達の上でグルタミン酸などのアミノ酸をはじめ母乳中に含まれている栄養素が大変重要であることが示されました。

シンポジウム会場の様子

シンポジウム会場の様子

続けて夕刻より同学内で行われた市民公開講座では「母乳を考える」をテーマに以下の講演があり、栄養士を中心に約108名の参加者がありました。

●「母乳のいいところを科学的に知ろう」
 熊本大学新生児学寄付講座 特任教授 三渕 浩 先生

●「母乳は安全か? ~エコチル調査からみた母乳育児」
 熊本大学産科婦人科学分野 准教授 大場 隆 先生

●「食事摂取における食事性グルタミン酸の役割 “うま味”とのファーストコンタクト」
 味の素(株) 理事 二宮くみ子

味の素(株) 理事 二宮くみ子

母乳中のグルタミン酸が乳幼児の味覚形成に重要な役割を担っていることについて講演する 味の素(株) 理事 二宮くみ子

三渕先生からは、乳幼児の観点と母親の観点から母乳の良さを、大場先生からは、胎盤や母乳を通じて移行する環境科学物質が子供の成長と発達に及ぼす影響について、日本で初めて行われた全国的大規模調査の結果をご講演いただきました。

二宮からは、母乳中に含まれているアミノ酸の中で一番多く含まれているグルタミン酸が乳幼児の味覚形成に重要な役割を担っていることについて講演いたしました。

味の素(株)は、今後もこのようなシンポジウムの共催などにより、科学に基づいたコミュニケーション活動を継続し社会へ発信していきたいと考えております。