Interview

社員紹介

R&D

※入社時の職種:R&D

調味料の開発を通じて、
タイの健康課題に
解決策を提案。

Naoto

海外出向 タイ味の素社
2017年入社
生命機能科学府 食料化学工学科

※業務内容・所属部署は取材当時のものです

経歴

入社1〜3年目:
食品研究所 調味料ソリューショングループ(国内加工用調味料の開発・提案)
入社4年目:
食品研究所 調味料ソリューショングループ(海外(タイ・インドネシア)の営業支援)
入社5〜6年目:
タイ味の素 Food Ingredients Department(加工用調味料の開発・技術営業)
入社7年目〜現在:
海外出向 タイ味の素社(外食・加工用調味料の開発・技術支援)

01

国内外で分かれた風味の評価。
その違いに興味を持つ。

現在の仕事内容を教えてください。

タイ味の素社にて販売する加工用・外食用の調味料の新製品開発、および技術提案を担当しています。新製品開発では、味の素㈱のおいしさ設計技術を活用し、減塩・減糖・食資源の代替といったタイの食トレンドに貢献可能な調味料のレシピを設計。技術提案では、当社製品を材料として使用する顧客向けのアプリケーション作成のほか、学術的な説明が必要な際には技術プレゼンテーションを実施するなど、当社製品の機能を理解していただくために必要な業務を行なっています。

海外赴任に至った経緯を教えてください。

入社4年目に、インドネシアにて販売する家庭用風味調味料の改定を日本から支援するプロジェクトを担当しました。既存製品から胡椒の風味を増強させるというミッションだったのですが、研究所内では良好な結果を得られたにもかかわらず、海外法人のR&Dに紹介したところ、返ってくる結果があまり芳しくなく、不思議に思いました。胡椒の風味を構成する要素を分解して議論を重ねた結果、求めているフレーバーの認識が異なることが判明。国の違いによる官能評価の差に興味を持ったのです。海外赴任によって現地と直接交流すれば、そのような差を理解することができると考え、志望しました。

02

コストを上げずに減塩し、
タイの健康課題に挑む。

これまでの業務経験は、海外でどう役に立っていますか?

一口に製品開発と言っても、原料探索、レシピ設計、顧客提案、工業化、品質保証など、さまざまな部署や人が関わり、製品を顧客に届けています。入社して3年間は、国内向け業務用調味料のレシピ開発をメインで担当しましたが、この期間に開発におけるサプライチェーンを知ることができ、海外で新製品の上市を担当する際に非常に役に立っています。

仕事のやりがいは何ですか?

タイの1日あたりの食塩摂取量は15g。WHOが推奨する7gを大幅に超えており、タイ政府もさまざまな対策を打つ中、追従して各食品メーカーは減塩製品の開発を行っています。塩は安価な原料であるため、ただ塩を減らし、減塩素材を使用してしまうと必ずコストが上がってしまうことが各メーカーの悩みのタネです。そこで、味の素㈱の減塩技術にスパイス増強技術を掛け合わせ、コスト上昇なしに減塩が可能な製品“Salt Answer KEM®”を開発しました。現在では、大手即席麺メーカーやCVSメーカーにも採用され、社会と顧客の課題解決に貢献しています。そのやりがいは非常に大きいです。

業務を通じて、現地にどのように貢献していますか?

現地スタッフや顧客からは、味の素㈱の技術者として、味の素㈱と食品技術における知識を深く有する者として見られます。入社5年目だった赴任当初は「これから学ばせていただく」というスタンスでいましたが、「それなら、何のために赴任してきたのか」という指摘をタイ人の上司から受けました。味の素㈱の技術を現地スタッフへ浸透させることに始まり、実験計画の組み方まで、一挙手一投足を見られているという緊張感を忘れずに勤務しています。

日本と海外では、業務やその進め方、働き方などにどのような違いがありますか?

業務推進については大きく差異はないと思います。私は現在、5人の部下を持つマネージャーですが、赴任前は上司しかいなかったので、マネージングの部分では非常に苦労しました。日本の私の教育係であった先輩を思い出し、何をしてもらったら嬉しかったか、働きやすかったかを念頭に、チーム全体のゴール設定から一人ひとりのKPIまでを設定し、進捗をチームとして追っていく、当たり前のことを当たり前にやることから取り組んでいます。組織としては、上司と部下の間に壁がない、フラットな関係性である点に助けられています。私の発言の意味がわからなければわからないと言ってくれますし、思ったことを単刀直入に話してくれるので、何が課題解決のボトルネックになっているのか判断がつきやすいです。

いつか、味の素㈱で成し遂げたいこと

ソリューション提供をさらに深化させたいです。タイで行う提案は、顧客から味や食感、コスト面の課題をヒアリングし、それに対して当社製品で何ができるかを考える形に留まっています。マーケティングデータをもとに、消費者ニーズに合致する製品のコンセプト提案からレシピ設計まで提案するような、日本で行われている営業手法をタイでも取り入れたいと考えております。