Interview

社員紹介

R&D

※入社時の職種:R&D

“発酵素材”の
海外生産という、
モノづくりの先頭で
成果を出す。

Keita

海外出向 タイ味の素社
2010年入社
機械工学専攻

※業務内容・所属部署は取材当時のものです

経歴

入社1年目〜11年目:
バイオファイン研究所 エンジニアリンググループ (発酵素材向け設備設計/開発)
入社12年目〜現在:
海外出向 タイ味の素社(味の素®工場向け生産技術支援)

01

化学と機械の知見を武器に、
生産設備を支える。

現在の仕事内容を教えてください。

タイ味の素社の技術開発センターに所属し、“発酵素材”工場に向けて、安定生産や新技術導入に関する支援を行っています。ここでの“発酵素材”とは、味の素®に含まれるグルタミン酸と核酸のこと。タイには発酵素材工場が4つあり、全工場に対して技術面でのサポート体制が整えられています。そのなかで私は、化学工学と機械工学を専門とするエンジニアとして、生産設備に関する一連の業務を担当しています。基本的には工場内にあるすべての設備が対象で、それらの設計、投資・建設、運転、保全・改善、トラブル解析などを現地スタッフと一緒に行います。業務範囲が非常に広いため、周囲と連携して仕事を進めています。

海外赴任に至った経緯を教えてください。

入社する前から、海外で働いてみたいという気持ちはありました。ただ、具体的にどの国でどういうことをやりたいのかまでは考えておらず、自身の視野を拡げるために一生に一度ぐらいは異文化に触れつつ仕事をしてみたい、という程度の軽い動機です。入社してからは研究所に所属し、海外出張の機会に恵まれました。数ヶ国に出向き、現地で働くスタッフや日本人駐在員の働き方を実際に見て、自分も将来こんな風に働くのかな、こんな風になれるのかな、と思い描いていました。タイへの異動辞令が出たのはコロナが収束し始めた時期でした。自分が活躍できるのか不安でしたが、わからないことは仕方ないと割り切り、やりながら覚える、周囲に教えてもらうという姿勢で今は働いています。

02

赴任から間もなく、
数十億円規模のプロジェクトへ。

これまでの業務経験は、海外でどう役に立っていますか?

技術系(エンジニアリング)として入社以来、タイに赴任するまで研究所に長らく所属していました。研究所では、主に海外工場向けの発酵素材品目の開発を担当しました。発酵素材の開発や生産に関する技術は当社のコアコンピタンス。主要設備は基本的に自前で設計します。私はそういった設計実務を通じて、各工程の骨格となる要素技術や設備構成について学びました。また、開発メンバーとチームとして仕事をすることで、設備だけでなくアミノ酸などの発酵菌や製造プロセスに関する理解も深めることができました。発酵素材の技術を包括的に学べたこと、そして研究所での業務を通じて得た人脈が、今の業務にも活きていると思っています。

仕事のやりがいは何ですか?

モノづくりの先頭で成果を出していると実感できることが、海外で働くことの最大の醍醐味だと思っています。海外で働くほうが一般的には行動範囲が広くなり、それに伴って責任も大きくなります。私はタイに赴任してからまだ日が浅いですが、そんな自分でも、数十億円規模の設備投資を伴う大きなプロジェクトの予算作成を任されました。投資計画の策定スキルはエンジニア時代に多少は身につけていましたが、プロジェクトの規模はこれまでに経験のないもの。ドキドキしながら短時間で検討を進め、経営メンバーへの報告まで行いました。このように積極的に権限を委譲されて、成長できる機会が多いところに魅力があると思います。

業務を通じて、現地にどのように貢献していますか?

現在、複数のプロジェクトを担当していますが、それらを実現できれば事業利益の飛躍的な拡大、そして温室効果ガスの大幅な削減に貢献することができます。当たり前のことかもしれませんが、現地の事情は現地スタッフの方がよく知っています。私たち駐在員がそれを覆すことは容易ではありません。そのため、私が職務を遂行するうえで意識しているのは、詳細情報を把握しようとするのではなく、大局を掴んで進むべき方針を考え、問題提起や改善提案を行うこと。研究所で開発された新技術を導入するようなプロジェクトでは、味の素㈱側とタイ現地側の間に入り、双方の意向を汲んだ提案をすることもあります。エンジニアとして社外との取引を行う際には、自身が窓口となって基本設計を進めることもあります。

日本と海外では、業務やその進め方、働き方などにどのような違いがありますか?

“海外”といってもさまざまな文化があり、一括りにできないと思いますが、少なくともタイでは仕事に対する姿勢は日本とそれほど変わらず、真面目に取り組んでいるスタッフが多いと感じます。ただ、業務一つひとつに対する考え方やサジ加減は多少異なるため、こちらの意図や要望を正確に伝えないと、全く想定していない状態になってしまうこともあります。私が気をつけているのは「一度伝えただけ」「指示を出しただけ」で終わりにしないこと。大事なことは繰り返し言ってみたり、伝え方を変えてみたり、アフターフォローを心掛けています。いずれにしても、先人達が培ってきた現地スタッフとの信頼関係の元にコミュニケーションが成り立っていることが多いため、私も信頼関係を大事にしていきたいと思います。

いつか、味の素㈱で成し遂げたいこと

まずは今の業務や役割をしっかりやり遂げ、心身ともに無事に日本へ帰国することです。その先のステージとして、全社方針を企画するような業務に携わってみたいと思っています。私にとって大事なのは、自身がビジネスパーソンとして成長できる領域であること、そして一企業だけでなく、社会全体にポジティブな影響を与えられるようになることです。個人と組織の共成長を通じて、当社が目指すアウトカムである“健康寿命の延伸”や“環境負荷の低減”に少しでも貢献できればと思います。