1920年の恐慌による経営挫折、1923年の関東大震災による本店焼失・川崎工場全壊と、鈴木商店にはそれまでの最大の危機が迫る。加えてこの頃、「味の素」の「原料は蛇」とのデマが消費者の間で流れ、広がる。
なんとか恐慌も震災の被害も乗り越え、より大きな工場を川崎に再建して増産を開始。さらに「原料は蛇」疑惑をはらすため、工場見学会や料理講習会などを通して、原料は小麦との説明に努める。
また、化学薬品事業からは撤退し、「味の素」事業に特化して国内外の販売拠点を拡大。台湾、韓国、中国など海外でも著しく販売が伸びていく。
第2章 試練の克服[1920~1930年]
第1節 反動恐慌による経営挫折と再建
第2節 設備の拡大と品質向上
第3節 販売方式の確立
第4節 相次ぐ試練
第5節 海外市場の販路拡大活動