「味の素®」を売り出したものの、かつて世にない商品であるだけに、思うように売れない。そこで三郎は、商品価値をあまねく知らせるための独自の販売促進・広告などを苦心しながら編み出す。また、小麦粉を原料とする製造工程より大量に副産されるデンプンを紡績工場に売ることで、高価だった「味の素」を数回にわたり値下げを断行。1914年には川崎に大型の工場を建て、忠治は苦労しながらも大量生産体制を築いていく。
これらの努力により製造された「味の素」は国内にとどまらず、1910年の台湾での発売のほか、韓国、中国へも積極的に拡大していく。
第1章 創業と模索[1909~1919年]
第1節 「味の素®」販売開始
第2節 生産体制の強化
第3節 第一次世界大戦期における拡大
第4節 海外市場開拓の端緒