味の素グループが考えるアミノ酸の可能性「アミノサイエンス」

「アミノサイエンス®」とは、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称です。また、それらを社会課題の解決やWell-beingへの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチのことを指します。ここでは、健康な食生活に関連する内容を中心にご紹介します

アミノ酸や、アミノ酸を研究することで得られた
新しい素材・技術には食べ物をおいしくするはたらき、
栄養を届けるはたらき、そして体の調子を整える
はたらきがあります。
そして、新たな機能を生み出す反応性によって
これまでになかった新しい素材の開発や
技術につなげることができます。
私たちは、アミノサイエンス®︎
人・社会・地球のWell-beingに貢献します。

“食と健康の課題解決に貢献するアミノ酸のはたらき”の解説動画はこちら →

アミノ酸のはたらき

食べ物をおいしくする呈味機能

  • アミノ酸には味があります。

    アミノ酸は、うま味や甘味、苦味などその種類に特有の味を持っています。
    このアミノ酸の組み合わせが食べ物の味を決める重要な要素の一つになっていて、上手に使うことで食べ物をおいしくしてくれます。

    例えば、グルタミン酸はそのうま味で食べ物をおいしくすることがよく知られています。

  • アミノ酸の研究はおいしさにつながります。おいしさには、味だけでなく食感や香り、見た目も大切。
    例えば、アミノ酸と糖が反応してできる物質は、食べ物をおいしく感じる香ばしい香りや好ましい茶色に欠かせません。食感に関わる酵素の開発にも、実はアミノ酸研究が関わっています。

  • わたしたちは、長年に渡るアミノ酸研究と味覚研究から、アミノ酸を反応させて作った甘味料(アスパルテームなど)や、食べ物にコクを与えるコク味物質を発見・開発しました。

    グルタミン酸がつながったγ-PGAはおいしく減塩するのに欠かせない呈味機能を持っています。

栄養を届ける栄養機能

  • アミノ酸は、五大栄養素の一つである
    たんぱく質の構成成分です。

    たんぱく質は、食べた後アミノ酸にまで消化され、カラダの中に吸収されます。
    つまり、アミノ酸を摂るということはたんぱく質を摂るということ。
    カラダの中でアミノ酸は筋肉や骨、内臓の材料となったり、エネルギー源となったり、他にも生命を維持するための色々な役割を果たします。

    成長や発育を促したり、消耗を回復したり。生命維持に欠かせないアミノ酸のはたらきが「栄養機能」です。

  • アミノ酸には体内でつくれる非必須アミノ酸と、体内でつくれない必須アミノ酸があり、人が必ず摂取しなければならない必須アミノ酸の種類と量もわかっています。

    たんぱく質の栄養価を決めるのも、そのたんぱく質の中に含まれる必須アミノ酸のバランスです。
    たとえば植物由来のたんぱく質は、動物由来に比べてサステナブルなものが多い反面、必須アミノ酸のバランスが十分でないものも。
    そこに不足している必須アミノ酸を補充すれば、たんぱく質としての栄養価が高まります。

    ※詳しくこちら

体の調子を整える生理機能

  • アミノ酸には、健康の維持・回復を
    サポートするものがあります。

    例えば、グリシンというアミノ酸は寝る前に飲むことですみやかに深い睡眠に入ることができます。
    BCAAの一つであるロイシンは、カラダの中でたんぱく質をつくるスイッチを入れることが知られています。さらにヒスチジンによって疲労感が軽減されること、シスチンとテアニンを一緒に摂ることで免疫が活性化されることなど、アミノ酸の体調を整えるはたらきが次々と明らかになっています。一種類のアミノ酸だけでなく、シスチンとテアニンのように複数のアミノ酸の混合物によって発揮される作用があることもわかってきました。


新たな機能を生み出す反応性

  • アミノ酸は、様々な物質と反応しやすい
    性質を持っています。

    アミノ酸は反応性が高いという性質を持っていて、アミノ酸同士が結合してペプチドやたんぱく質をつくったり、他の物質と反応して新たな物質をつくったりします。この性質を利用して、新たな機能を持つ、役立つ素材をつくることができます。

    コク味物質

味の素グループの取り組み

アミノ酸はいのちのもと

  • アミノ酸は、地球上の生き物すべてに必要不可欠

    人のカラダの中には約10万種類のたんぱく質があると言われていますが、これらはすべて20種類のアミノ酸からつくられています。

    アミノ酸は、筋肉や骨、皮膚などカラダを作るだけでなく、カラダの働きを維持、調節するホルモンや酵素、カラダを守る抗体、神経伝達物質などの材料でもあります。

    これは他の生き物でも同じ。
    つまり、アミノ酸は人だけでなく、地球上の生き物すべての「いのちのもと」なのです。わたしたちは、アミノ酸を研究し、アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわり、研究の過程で得られたもの全てを最大限に活用して持続可能な社会の実現やWell-beingにつなげています。
    これがアミノサイエンス®︎です。

味の素グループとアミノ酸

  • 1909年(明治42年)、
    うま味調味料「味の素®」の
    発売と共に味の素グループの事業が始まりました。

    化学者である池田菊苗博士は、日本の伝統的な昆布だしの中に秘められたおいしさの謎を解明する研究を進めていました。
    そして、昆布だしの中からアミノ酸の一つであるグルタミン酸の抽出に成功。グルタミン酸の持つ味をうま味と命名し、日々の食事にも手軽に加えられるような調味料として製造する方法を発明したのです。

    味の素グループのブランドは、たんぱく質を構成するアミノ酸を基礎に作り上げられたものであり、私たちがこの領域のリーディングカンパニーたる理由となっています。

コラム アミノ酸はこんなところでも活躍

動物飼料、再生医療用培地、化粧品、
病気のリスク評価も

アミノ酸は生き物すべてにとって、大切な栄養成分です。

例えば家畜。小麦やトウモロコシなどの穀類を中心とした餌に不足しているアミノ酸を加えることで、

家畜が健康に育ち、環境への悪影響も減らすことができます。

実用化が待ち望まれている再生医療でも、組織や臓器を形作る細胞の栄養成分としてアミノ酸が欠かせません。

化粧品の分野でもアミノ酸はお肌の天然保湿因子として有名です。

また、アミノ酸からつくられる界面活性剤は肌や環境にやさしく、世界中でシャンプーや洗顔料などに使われています。

さらには、人の血液中のアミノ酸バランスを利用して病気のリスクが評価できる検査方法まで。

アミノ酸の可能性はまだまだ広がっているのです。

このアミノ酸の可能性こそが、「アミノサイエンス®︎で人・社会・地球のWell-beingに貢献できる」

という私たちの確信につながっています。

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