日本発・栄養課題や食文化に根ざした
栄養評価技術「ANPS」の開発
ANPS (The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System)
ANPS〈 目 次 〉
食全体を統合評価する栄養評価技術「ANPS」
ANPS(The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System)は味の素グループが独自に開発した栄養評価システムです。味の素グループが掲げる「妥協なき栄養(Nutrition Without Compromise)」を実現するために、おいしさはそのままに、栄養バランスの両立を評価できる仕組みとして、ANPSは科学的な検証を重ねながら設計されました。
ANPSは、加工食品を評価するANPS-Product、料理(一品)を評価するANPS-Dish、食事(一食)を評価するANPS-Mealの3つで構成されています。ここでいう「料理」は主菜・副菜などの一品を、「食事」は複数の料理を組み合わせた一食全体を指します。特にANPS-Dish(料理/一品)とANPS-Meal(食事/一食)は、日本の多様な食文化や直面している栄養課題に対応した評価を可能にすることを目的として開発しました。つまり、ANPSは製品から料理・食事まで、“食全体”を統合的に評価できる仕組みとなっています。
従来のNPS(Nutrient Profiling System)※では、調味料のように単体で喫食されない食品は、喫食実態と評価の前提がずれやすいという課題があり、生活者の実態に即した意味のある評価が難しい場合がありました。ANPSは、調味料や日本で日常的に喫食される料理・食事を、食の実情に配慮しながら評価できる仕組みを実現し、製品開発や健康サービス、社会実装に向けた取り組みの中で、活用・検討が進められています。
※NPSとは、食品の栄養バランスを点数やランクで評価する仕組みで、欧米や東南アジアでは食品表示やマーケティングに活用され、健康的な食選びを促すシステムとして用いられています。
日本の食文化に即した栄養評価
―ANPSが切り拓いた新領域
味の素グループはグローバル食品企業として、生活者に健康的な食品を提供する責任を担っています。一方でANPSが誕生する以前、製品の栄養価値を客観的かつ分かりやすく示す評価指標を、グループ共通の仕組みとして十分に整備できていない状態でした。そこで、世界的に活用が広がっているNPSの考え方に着目し、味の素グループ独自の評価システムとしてANPSの開発に着手しました。
既存のNPSは主に加工食品を対象としており、調味料や料理(一品)、食事(一食)といった日本の食の実態をそのまま評価することは基本的に想定外でした。日本では複数の料理を組み合わせて食事をとることが一般的で、NPSで製品単体の評価だけでは、食事全体の栄養バランスを捉えにくいという課題があります。
こうした背景のもと、味の素グループは、日本企業として、加工食品にとどまらず、料理・食事といった実際の喫食単位までを評価対象に含めた栄養評価システムの構築に取り組みました。2018年より食品研究所においてANPSの開発を開始し、段階的に評価対象を拡張することで、日本の食文化や食習慣に即した栄養評価を可能にしてきました。
2020年:加工食品を評価する
「ANPS-Product(加工食品)*」をグループ共通の評価システムとして導入
*国際的に参照されているHealth Star Rating(主に豪州・NZで活用)のスコアリング手法に基づく
2021年:日本の料理の評価に特化した
「ANPS-Dish(料理/一品)」を世界で初めて開発
2025年:日本の食事を一食単位で評価することに特化した
「ANPS-Meal(食事/一食)」を世界で初めて開発
食を通じたWell-beingへ―ANPSを活用した「食からの社会実装」
ANPS-DishとANPS-Mealは、日本の食文化や食習慣を踏まえて設計されており、国内向けの栄養評価に特化しています。これにより、加工食品だけでなく、日本の料理や食事の栄養バランスを総合的に評価できる仕組みが味の素グループ内に整いました。

0〜100点で食の栄養バランスを見える化
―ANPSのスコアリング設計
技術面では、0~100点のスコアリングモデルをANPS-Dish(料理/一品)とANPS-Meal(食事/一食)で採用しています。複雑になりがちな栄養情報を、点数として直感的に捉えられるようにすることで、味の素グループが目指す栄養バランスを一目で把握できる仕組みを整えました。
また、日本特有の食材や調理法、調味料の使い方を踏まえ、日本で日常的に食べられている料理や食事を適切に評価できるよう、評価の仕組みを設計しています。そのうえで、評価に用いる項目は、科学的な妥当性と実用性の両立を重視して厳選しました。必要以上に複雑にせず、精度を保ちながら運用しやすいモデルを実現しています。
ANPSは、食文化を尊重することを基本とし、論文発表や国内外のアカデミアからの助言を踏まえ、継続的に検証・改善を重ねています。栄養プロファイリングシステムとして、今後も進化を続けていきます。また、栄養バランスの分かりやすさを活かし、生活者とのコミュニケーションの中での活用も検討していきます。
食を通じたWell-beingへ
―ANPSを活用した「食からの社会実装」
ANPSは、味の素グループのパーパスである「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」の実現に向けて、食を通じた栄養改善の取り組みを支える基盤の一つです。単なる技術開発にとどまらず、製品・料理(一品)・食事(一食)の栄養バランスを分かりやすく捉え、開発やサービス設計に活かせるようにすることで、生活者のより良い食生活の実践を後押しします。
具体的には、ANPS等を活用した栄養評価を、栄養に関する2030年度目標・KPIの運用に活用しつつ、適用範囲を段階的に検討・拡張していく予定です。栄養に関する各種取り組みの進捗を確認しながら、開示のあり方も含めて検討し、適切な範囲で情報発信を行っていきます。
この仕組みはすでに製品開発にも実装されています。例えば、冷凍宅配弁当「あえて、®」ではANPS-Meal(食事/一食)を活用し、栄養バランスに配慮した商品設計につなげています。こうした取り組みは、生活者のより良い食生活の実践を支え、味の素グループが目指すWell-beingの実現に貢献するものです。
ANPSは、科学的根拠に基づく栄養バランスの評価を起点に、企業・社会・生活者をつなぎ、Well-beingの実現に向けた取り組みを支えていきます。


Another Innovation Story
− 関連サイト −

ASVレポート(統合報告書)
味の素グループが目指す「確かなグローバル・スペシャリティ・ カンパニー」の実現に向けて、社会価値の創出を通じて経済価値を向上するASV (Ajinomoto Group Shared Value)の取り組みについて、分かりやすくお伝えすることを目指しています。

栄養プロファイリングシステム(ANPS)
味の素グループは、日本企業として初めてNPSを導入しました。「味の素グループ栄養プロファイリングシステムANPS(The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System)」として、2024年3月現在、日本を含む13か国、16法人に導入し、製品約900品種を評価しています。

味の素(株)が開発した宅配冷凍弁当「あえて、®」新登場
おいしくて栄養バランスの良い食生活への更なる貢献に向け、最も手“間”抜きなスタイルを実現できる食事として開発した「あえて、®︎」を、サブスクリプションサービスによって提供します。

「ANPS」を知っていますか?人気の「あえて、®」にも活用している栄養バランス評価におけるDXとは?
「ANPS」と「おいしさ設計技術®」に裏付けられ、バラエティに富んだまぜご飯におかずを組み合わせた51種のラインナップで展開。 多くのお客様にご好評をいただいております。













