栄養プロファイリングシステム(ANPS)​

栄養プロファイリングによる栄養課題への貢献

世界では、20億人以上が過剰な栄養摂取を要因とする肥満や過体重によって生活習慣病のリスクを有する※と推定されている一方、たんぱく質や野菜、食物繊維などは不足しがちであり、相反する二つの栄養課題に直面しています。しかし生活者にとって、必要な栄養についての知識に基づいて毎日バランスのとれた食事を摂るのは難しく、栄養改善のための各国政府や企業の取り組みに対する社会の関心が高まっています。
こうした背景の下、グローバル食品企業では、食品中に含まれる栄養成分(Nutrient)の量を科学的な根拠に基づいて評価し、その食品の栄養面での品質をわかりやすく表現(Profiling)する手法(System)としてNutrient Profiling System(栄養プロファイリングシステム、以下NPS)の開発・導入が進んでいます。NPSでは、食品の栄養面での品質を特定の算式によってスコア(数値)として算出するため、同じカテゴリー内の複数の製品や、改訂前後の製品の栄養価値を、共通した評価軸によって比較することができます。

※New England Journal of Medicine 2017, World Health Organization (WHO) 2016

栄養プロファイリングシステムの導入と活用

味の素グループは、日本企業として初めてNPSを導入しました。
「味の素グループ栄養プロファイリングシステム(The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System:ANPS)」として、2021年3月現在、日本を含む7か国、9法人に導入し、製品約500品種を評価しています。
ANPS-P(for Product)は、オーストラリア・ニュージーランドで用いられている栄養プロファイリングシステムの「Health Star Rating System※1」のスコア算出方法に準拠し、過剰摂取を避けるべき栄養成分(カロリー、糖類※2、ナトリウム、飽和脂肪酸※3)および不足しがちで摂取が推奨される栄養成分・食品群(たんぱく質、野菜・果物・ナッツ・豆類、食物繊維)の製品中含有量をもとに、製品の栄養価値を科学的に評価します。
また、栄養バランスの良い食事を総合的にサポートすることを目指し、当社グループの製品を用いて作った料理に対する栄養プロファイリングシステムを開発中です。水以外の追加の材料が必要な製品(調味料、スープ、加工食品の一部等)にこのシステムを適用し、調理後メニューの栄養評価に活用する予定です。

※1 オーストラリアにおいて産官学共同で開発された、栄養素のプロファイルから食品を評価・格付けするシステム:http://www.healthstarrating.gov.au/

※2 製品中に含まれる5つの糖(ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖および麦芽糖)を合計したもの

※3 主に動物性の脂肪に含まれる脂肪酸

栄養・健康トップへ戻る