AjiPro®-L アミノ酸で乳牛の栄養を改善する乳牛用リジン製剤 「AjiPro®-L」アミノ酸で乳牛の栄養を改善する乳牛用リジン製剤 「AjiPro®-L」

乳牛の栄養と生産性をアミノ酸で改善する乳牛の栄養と生産性をアミノ酸で改善する

一頭の乳牛は、一年間で9000リットル以上の乳を生産します。特に十分に飼料摂取ができない分娩直後から大量に乳を出すことから、乳牛の体には大きな負担となっていました。この時期に栄養バランスが良い飼料を与えることはとても重要で、乳牛にとって不足しがちなアミノ酸リジンを補うことは、乳生産や乳牛の健康を保つためにも有用だと考えられていました。  しかし、「乳牛用リジン製剤」の開発は、反芻動物特有の消化・吸収システムのためその利用効率が、長年の課題となっていました。リジンを確実に届けて、乳牛の栄養を改善する。それは長く困難な試行錯誤の始まりでした。

アミノ酸における「桶の理論」アミノ酸における「桶の理論」

体内で合成されず、栄養として摂取しなければならないのが、必須アミノ酸です。右の図は、必須アミノ酸の一つひとつを桶の板に例えた「桶の理論」です。一枚でも低い桶板があると、そこまでしか水が入らないのと同じように、アミノ酸も、必要量に対してもっとも不足するアミノ酸のレベルでしか体内で利用されません。飼料の主原料として使用されているトウモロコシ、小麦などは、アミノ酸バランスに偏りがあるため、必須アミノ酸を飼料に配合することが広く行われてきました。乳牛にとって、桶のいちばん低い部分、もっとも不足しやすい必須アミノ酸のひとつがリジンだったのです。

第一胃で分解させずに腸で溶かす独自の溶出特性をもつリジン製剤第一胃で分解させずに腸で溶かす独自の溶出特性をもつリジン製剤

反芻動物として4つの胃をもつ乳牛は、リジンをそのまま与えても、その大半を第一胃の中の微生物が分解してしまい、小腸まで届かず栄養素として体内に吸収されません。栄養成分を保護しながら、必要なところでゆっくりと溶け出させる。つまり「コントロールリリース」が必要でした。この特性を実現するために、味の素グループはアミノ酸成分を保護する独自の造粒技術を開発しました。この技術によって製剤化されたリジンは、その周りに硬化植物油の外郭層が形成されることで、第一胃の中では微生物による分解から守られます。そして、小腸にたどりつくと、消化液の働きで製剤からリジンが溶出されるのです。

異なる専門技術者たちによるブレークスルー異なる専門技術者たちによる
ブレークスルー

溶出特性と製造コストを満たす製剤化の技術は、動物栄養・製法開発など、
異なる専門分野の技術者のアイディアが結合することによって生まれました。
さらに開発を進める上では、試作と溶出特性評価が重要な課題でしたが、これまでにない新しい評価技術を確立することで、
より効率的に高い性能のデータや試作品を選抜することを可能にしました。

開発を加速させた独自の評価技術開発を加速させた独自の評価技術

研究開発チームは、まず最初に動物による生体内利用評価技術を確立してデータを蓄積し、さらに効率的にスクリーニングできるようにするために、動物試験と相関するin vitroによる簡便な評価法を開発。「第一胃モデル液」、「小腸モデル液」、2つのモデル液を用いることで、動物試験と同等の結果が得られる評価技術を確立したのです。

豊富なエビデンスベースによる実証と導入 トップブランドへ、サスティナビリティへ

そして2011年、味の素グループは乳牛用リジン製剤「AjiPro®‐L」としてまず北米にて販売を開始しました。その後、確かな評価技術によって蓄積したデータ、科学な裏付けへの信頼などによって、「AjiPro®-L」は現在乳牛用リジン製剤のトップブランドとなったのです。さらに現在では、米国の大学と共同で学会に発表するなどの取り組みを続けています。

投与期間中の平均乳量グラフ

味の素グループの飼料用アミノ酸に関する技術や知見は、家畜由来の窒素酸化物の発生抑制や、飼料用耕作地の節約につながり、これからの地球環境と食資源のサスティナビリティに貢献できると考えています。

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「味の素グループ 統合報告書」ダウンロード

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「味の素グループ サステナビリティデータブック」ダウンロード

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