百熱心に込める思い

Cook Do®開発メンバーの、熱い思いやこだわり。
百熱心の裏側をのぞきます。

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本格中華合わせ調味料のパイオニア「Cook Do®」の新たな挑戦

味の素㈱食品研究所 メニュー調味料グループ(※社員の所属は取材時のものです。)

岡本 昌悟

今年で発売45周年を迎えた「Cook Do®」。これまで、身近な食材だけで簡単に作れる本格中華のロングセラー商品を数多く生み出してきました。
45年間で培った技術・知見の集大成として、今回新たに開発したのが「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>です。そのこだわりを開発担当者の岡本さんに伺います。

プロの味を自宅でも簡単に。
「Cook Do®」独自の開発技術!

はじめに、「Cook Do®」シリーズの特徴について教えてください。

ご家庭で手軽に、外食店と同じような本格中華の味を楽しめる工夫がたくさん詰まっていることですね!そのために料理人の方が調理している工程について、味の素社の研究部門が解析した結果を製造工程に落とし込んでいます。
第一線で活躍する料理人の方は、頻繁に火加減を変えます。そこで、炒める様子をサーモグラフィなどでチェックしながら温度の変化を1秒ごとに記録し、味に影響を与える温度を解析。また、調理している工程を撮影して、炒め鍋を振る回数なども調べ、その知見をソースの製造時に反映しています。
料理人の方の技術を真似するだけにとどまらず、その技術を解析して重要なポイントを再現する力もあります。そのため、具材をやわらかくしたり具材に味を染み込ませたりする独自技術を品種ごとに使い分けているんです。
たとえば、「根菜やわらか成分」と「味しみ成分」を取り入れたのが「Cook Do® きょうの大皿®」豚バラ大根用。その2つの独自技術によって、たった10分煮込むだけで、火が通りにくい大根が味のしみたやわらかい食感になる仕組みです。

1つの商品に、さまざまな観点の研究結果が詰まっているんですね!

はい。開発したソースに食材を入れて炒める工程は、生活者の方に担当していただく部分です。ただ、ご家庭で調理人の方の技術を再現するのは難しいはず。そこでパッケージ裏面には、料理人の方の技術を解析したデータに基づき、一番おいしくなる作り方を掲載しています。
たとえば、「Cook Do®」<青椒肉絲用>のポイントは、下ごしらえでお肉に片栗粉をまぶすこと。すると、料理人の方が調味液にお肉を漬け込んだときと同じように、お肉がやわらかくジューシーに仕上がるんです!そのように生活者の方により効率よく、よりおいしく召し上がっていただくにはどうすればいいのか、時間をかけて調査しています。

麻辣にとことんこだわった新商品!「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>

岡本さんは新発売の「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>の開発も担当しています。これまでに発売した「Cook Do®」シリーズの麻婆豆腐との違いを教えてください。

これまでのように「家族みんなで食べられる本格中華」ではなく、「高級四川料理」の味をそのまま再現したことです!
時代によって求められる味わいは進化するので、「Cook Do®」ではトレンドを捉えながら商品を開発しています。今、求められているのは、本格的な味を家庭でも再現できること。一方、「Cook Do®」シリーズの基本的なコンセプトは、大人から子どもまで家族みんなで食べられることです。
だから、わたしがリニューアルを担当した2020年発売の「Cook Do®」<四川式麻婆豆腐用>では、当時からブームが来ていた麻(マー)・辣(ラー)※を強めたり、八角など人によって好みが分かれる原料を入れたりすることができなくて。そういった癖のある原料は使わずに本格的な味を再現することに努め、家族みんなで食べやすい味に落とし込みました。
一方、「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>の開発では、家庭みんなで食べられる味に落とし込むことは一切していません。「『Cook Do®』はここまで高級四川料理の味を再現できるんだ」と広く知っていただけるよう、四川料理の特徴である麻・辣を極めています!
※麻は花椒(ホアジャオ)由来のしびれる辛さ、辣は唐辛子のヒリヒリするような辛さ。

高級四川料理の味を再現するために、どんな工夫を?

まず、麻婆豆腐の要である麻・辣に、とことんこだわっています!
「麻」を極めるための花椒については、産地によって香りが異なる数種類を組み合わせて、厚みのある味わいの「赤花椒」と、さわやかな香りの「青花椒」を使用。また、新しく独自開発した花椒油も配合しています。挽きたての花椒を用いた花椒油なので、外食店レベルのさわやかな香りを実現できました。
また、「辣」を極めるために、原料の辣油も独自開発しています。香りの異なる2種類の唐辛子と香りがよい花椒を使い、火入れの時間と温度にこだわっているんです。火入れを2回に分けることで香ばしさと爽やかな香りを両立させ、辛味だけでなく香りも引き立つ辣油に仕上げています!

独自開発したこだわりの原料が入っているので、痺れも辛さも存分に味えそうですね。

麻婆豆腐好きの方にも楽しんでいただけると思います!加えて、食材を噛んでいるときの味や後味のコクをアップさせるために、中華醤にもこだわりました。独自製法の熟成豆板醤やそら豆味噌などの中華醤を絶妙な配合でブレンド。黒豆を麹で発酵させ、当社独自製法で製造したトウチをじっくり炒めることで、豊かなコクと深みを実現しています。
独自開発したさまざまな原料を使用した「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>は、発売から45年間培ってきた「Cook Do®」の技術を結集して生み出した自信作です!

しびれ・辛さ・香りの三拍子が揃った麻婆豆腐の素!

こだわりの原料と製法が詰まった「Cook Do®」<極(プレミアム)麻辣麻婆豆腐用>の開発で、とくにたいへんだったことを教えてください。

麻・辣を極めるための特色ある原料の風味は損なわず、波のように違う香りを楽しめる味にすることです!
わたしたちは、「高級四川料理の麻婆豆腐が美味しいのは、食べながら風味がどんどん変わっていくからだ」と仮説を立てました。感動するようなおいしさの麻婆豆腐は、波のように次々と違う香りを味わえますよね。そこで今回は、口の中で幾度も風味が変わっていく味を目指しています。
とはいえ、そう簡単に実現できるわけではなくて。調味料の香りは「1+1=2」と単純ではなく、違う香りが1つ加わっただけで違う香りになってしまうからです。そのため、ある原料を入れて香りを強めようとしたら、全く違う香りになってしまうことがよくありました。
しかも、料理人の方がする手順で香り付けができません。本来、麻婆豆腐は豆腐などの材料を煮込んだあと、仕上げに辣油などを入れて香りを立てます。でも、この商品は1つのパウチにすべての原料が入っているので、調理しながら原料を一つひとつ加えることができないんです。その状態で、外食店レベルの香りを実現する必要がありました。

たしかに、たいへんそう……。どんな工夫をしたんですか?

まず、しびれや辛さ、コクがベストバランスになるように、原料の組み合わせを調整しました。そして、その原料を調味液として混ぜ合わせたときに味が変わらないよう、味の素グループが培ってきたアミノ酸分析の知見を活かしています。その結果、花椒や唐辛子などの風味を損なわずに、味の骨格を決めることができたんです!

味の素グループの強みでもあるアミノ酸の知見も活かしながら、外食店レベルの味を実現したんですね!

ほかにも、これまでの「Cook Do®」シリーズと同様に、料理人の方の調理工程を解析してわかった重要ポイントを作り方に反映しています。
たとえば、おいしい麻婆豆腐に仕上げるには、ひき肉をしっかり炒めて肉の臭みを消してから、調味料を染み込ませることが大切です。そこでパッケージの裏面に、「ひき肉は茶色くなるまでよく炒めると、香ばしさがアップして、よりおいしく仕上がります」と記載。こうすれば失敗せず、外食店レベルの仕上がりになるんです。

レシピ通りに作れば、最高においしい麻婆豆腐に仕上がるのはうれしいですね!

「Cook Do®」のよさは、自分好みにもアレンジできること。まずレシピ通りに何度か作っていただいて、辛さを抑えたければ、長ねぎやひき肉を増やすのがオススメです。また、香りにも非常にこだわった商品です。調理中も良い香りがするので、調理を思う存分楽しんでから、おいしく召し上がっていただければと思います!

  • Cook Do® きょうの大皿®
  • Cook Do® コリア!
  • Cook Do® 香味ペースト
  • Cook Do® 中華・韓国醬