栄養

Ⅰ. 考え方・方針・体制

1. 基本方針

2. 推進体制

栄養に関する取り組み方針および戦略、事業部門の活動のフォローや情報のとりまとめは、環境や人権等の取り組みと同様に、サステナビリティ委員会が行い、経営会議および取締役会に報告しています。味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に基づき特定したリスクと機会(栄養を含む)に対する当社取り組み状況や進捗の監督は取締役会が行います。

ESG・サステナビリティに関する体制

Ⅱ. 栄養へのアプローチ(妥協なき栄養)

妥協なき栄養
味の素グループの栄養へのアプローチ

味の素グループの提唱する「妥協なき栄養」とは、
世界中で増大している食とライフスタイルに起因する健康課題の解決のために
日々の食生活における栄養バランス改善に向け、当社グループが大事にしている基本姿勢です。

味の素グループは、世界中の様々な人々が栄養価の高い健康的な食事をとれるようになることがグローバルな健康課題解決に必要だと考えています。簡単においしい食事をつくることができる調味料や食品が、手軽に買える価格でどこでも入手でき、その地域ならではの食習慣や風味を尊重したものであれば、それが実現できる。私たちは「妥協なき栄養」という栄養へのアプローチを通して、人々がより健康的な生活を送れるよう支援していきます。

なぜ味の素グループが栄養に取り組むのか

近年、生活習慣病、不足栄養、過剰栄養といった人々の食とライフスタイルに起因する健康課題、中でも「不足栄養」と「過剰栄養」の問題が混在する「栄養不良の二重負荷」が世界中で増大しています。味の素グループは創業より、うま味を活かした栄養豊富でおいしい食事の推進に努めてきました。世界の食と健康の課題解決というビジョンを実現するために、栄養課題に取り組みます。

どのような栄養のアプローチをするのか

「不足栄養」と「過剰栄養」の二重負荷を解決するために、うま味を活かしておいしく栄養バランスの良い食事が続けられるよう支援します。たんぱく質・野菜の摂取不足や糖・脂肪・塩分の過剰摂取といった課題の解決のため、日常的な食生活での栄養バランスに取り組みます。世界130カ国以上の国に製品を提供しているネットワークを活かし、おいしさ、食へのアクセス、地域の食生活の3点において妥協しない、「妥協なき栄養」を基本姿勢とした取り組みを推進しています。

栄養アプローチ図

3つの柱

私たちは「妥協なき栄養」のアプローチを以下3つの柱で構成し、
アミノサイエンス®を活用することで、栄養課題解決への貢献に向けて取り組んでいます。

1. おいしさを妥協しない栄養

2. 食へのアクセスを妥協しない栄養

3. 地域や個人の食生活を妥協しない栄養

6つの重点取り組み項目

栄養バランスのよい食事を促進するために、3つの柱に含まれる重点取り組み項目を特定しています。

  • おいしい減塩(最重点)
  • たんぱく質摂取の促進(最重点)
  • おいしい減糖と減脂
  • 野菜や果物の摂取促進
  • 多様な由来のたんぱく質摂取促進
  • 職場の栄養改善

Ⅲ. 目標・KPI

1. 従来の目標(栄養コミットメント)

味の素グループは、アウトカム「10億人の健康寿命の延伸」の実現に向け、栄養改善での道筋とKPIを示すコミットメントを2021年に策定し、同年12月に開催された東京栄養サミット2021で発表・登録 しました。コミットメントで掲げた定量目標の達成に向けて栄養改善の取り組みを推進し、毎年順調な進捗を確認・報告してきました。

活動実績

2. 目標のアップデート(栄養に関する2030年度目標)

味の素グループは、志(パーパス)のもと重要テーマ「食を通じたウェルビーイングの実現」に向け、事業を通じた栄養改善の取り組みを一層加速するため、2025年度に栄養に関する目標・KPIを更新しました。
当社グループは、家庭や外食で食事の都度、調味料を使った調理をすることの多いアジアや、そのまま喫食できる製品が食生活に広く取り入れられている欧米、さらに南米をはじめとする多様な地域において、各地の食文化や栄養課題に応じた製品・サービスを提供しています。これらの多様な地域展開、幅広い製品構成も踏まえた上で、生活者の栄養バランスのとれた食生活の実現に向けて、製品・メニュー・食事(献立)ごとに適切な栄養評価を実施するとともに、栄養改善に資するコミュニケーション指標を設定しました。

食を通じたウェルビーイングの実現に向けた新たな目標・KPI(2025年度より運用開始、目標年度は2030年度)
食を通じたウェルビーイングの実現に向けた新たな目標・KPI(2025年度より運用開始、目標年度は2030年度)
  • 材料を加えずそのまま喫食する製品は、栄養価を包括的に評価可能でありグローバルで使われているHealth Star Rating(HSR)を評価に用いる
  • メニューや食事は、食文化や組み合わせの影響が大きいため、国・地域ごとに適切な評価方法を検討していく
  • 生活者が実践しやすいように、レシピの提供やサービス・仕組み化も併せて取り組んでいく
  1. ※1HSRのランク3.5以上の製品。そのまま、あるいは水やお湯を加える・温める等のシンプルな準備のみで喫食できる製品(スープ、飲料、冷凍食品、即席麺等)を対象とする
  2. ※2The Ajinomoto Group Nutrient Profiling System。味の素グループが開発したNPS。ANPS-Dishはメニュー用、ANPS-Mealは食事用

【目標・KPIの測定方法】

栄養バランスのよい製品の提供
そのまま、あるいは水やお湯を加える・温める等のシンプルな準備のみで喫食できる製品(スープ、飲料、冷凍食品、即席麺等)を対象とし、調味料は対象外とする。対象製品の内HSRランク3.5以上の製品について、年間の販売量と1食当たりの重量等から、年間の提供食数を算出する。

減塩した調味料による貢献
減塩タイプの調味料、および2020年度以降に改定された調味料を対象とする。減塩割合と年間の販売量から年間減塩量を算出し、これを「1食当たり1gの減塩」に相当する食数に換算した貢献食数として集計する。

甘味料による減糖への貢献
主要な甘味料を対象とし、年間取扱量と甘味度から年間の減糖量を算出し、その値をWHOの糖類摂取ガイドラインに基づき、減糖によるベネフィットを受ける人数に換算する。

レシピサイトのユニークユーザー数
レシピ情報を主として提供するWEBサイトを対象とし、年間のユニークユーザー数をグループ全体で集計する。

エコシステムアプローチに基づく社会実装の取り組み数
要件(継続性、自治体・アカデミア等との連携によるインパクト拡大)を満たす栄養改善に関する取り組み件数を、グループ全体で集計する。

アミノ酸の生理機能や栄養機能を活用した製品の利用機会
アミノ酸を配合した食品・サプリメントについて、年間販売量に基づき年間の利用機会数を算出し、2020年度を基準として示す。

Ⅳ. 取り組み事例

栄養バランスの良い食事
栄養プロファイリングシステム(NPS)の活用

味の素グループでは、製品に含まれる栄養成分の量を科学的に評価し、新製品開発や製品改定を通じた栄養改善の取り組みを支えるグループ共通の基盤ツールとして、2020年に味の素グループ栄養プロファイリングシステム「ANPS-Product」の運用を開始しました。「ANPS-Product」はHSRに基づいています。
ANPS-Productや従来のNPSでは、生活者がそれだけでは喫食しない調味料等の製品の評価には限界があったことから、調味料等の製品を使って調理したメニューの栄養価値を評価するNPSの開発を進め、2021年12月に世界初となる日本の食文化・健康課題を踏まえたメニュー用栄養プロファイリングシステム「ANPS-Dish」を発表しました。さらに、一汁三菜が基本構成とも言われる日本の実際の食事の栄養価値を評価するため、献立用栄養プロファイリングシステム「ANPS-Meal」を開発しました。
当社グループは今後も、アカデミアとの連携も進めながら、生活者が栄養バランスの良い食事を気軽にとれるように、そのサポートとなる製品やサービスの社会実装に取り組んでいきます。

ANPS
おいしい減塩

味の素グループは、2030年までに10億人の人々の健康寿命を延伸させることを目指しています。特に日本を含めグローバルにおける栄養課題である塩分の過剰摂取に対する取り組みを進めています。
味の素グループは、多様なステークホルダーと連携しながら、アミノサイエンス®を活用し「おいしい減塩」を推進すると同時に、様々なメディアを通じて生活者に向けた減塩の提案にも取り組んでいます。

「Smart Salt®(スマ塩®)」の取り組み

味の素(株)では、日本人が抱える塩分の過剰摂取という栄養課題に対し、2020年7月より「うま味やだしをきかせた“おいしい減塩”」の実践を幅広い年代へ訴求する「Smart Salt®(スマ塩®)」プロジェクトを開始し、行政や大学、他社等と連携した取り組みを行っています。海外でも、日本のスマ塩®プロジェクトの知見を活かしながら、「おいしい減塩」を訴求する活動を展開しています。

スマ塩
たんぱく質摂取の促進

味の素グループは、たんぱく質を豊富に含む食事の風味を向上させる調味料、たんぱく質を手軽に摂取できるスープ等の製品、質の低いたんぱく質源に不足しているアミノ酸の提供などを通じて、たんぱく質摂取の促進に取り組んでいます。また、WEBサイトやSNSを通じてレシピやメニューの情報提供も行っています。

たんぱく質の栄養価を評価する技術開発

昨今、環境負荷や持続可能性の点から、動物性たんぱく質だけでなく植物性たんぱく質など多様な食品からたんぱく質を摂ることの重要性が高まっています。しかし、一般的に植物性たんぱく質は動物性たんぱく質よりも消化吸収率が低いことが知られ、その栄養価値を高めるには消化吸収性の精緻な評価や改善技術の開発が重要です。
味の素グループは、たんぱく質の「量」だけでなく消化性を含む「質」にも注目し、アミノ酸や食品加工技術を活用しながらDIAAS(Digestible Indispensable Amino Acid Score:消化性必須アミノ酸スコア)を評価・向上させる研究に取り組んでいます。

その他の取り組み

「おいしい減糖と減脂」「野菜や果物の摂取促進、ラブベジ®プロジェクト、栄養改善の取り組み、職場の栄養改善」などは、味の素グループ サステナビリティレポートでご紹介しています。

Ⅴ. 研究

「おいしく食べて健康づくり」という創業者の志を反映した“Eat Well, Live Well.”というスローガンをもとに進めてきた栄養に関する研究と取り組み事例をご紹介します。

Ⅵ. パートナーシップ

味の素グループは、栄養・健康をリードする組織と連携し、人・社会・地球のWell-beingの実現に貢献していきます。