技術紹介

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新素材開発技術

電子材料

味の素ビルドアップフィルム®(ABF)はパソコンの心臓部である高性能半導体(CPU)の絶縁材に使われており、現在では全世界の主要なパソコンなどの層間絶縁材のほぼ100%のシェアに達しています。私たちは、高性能な半導体部品を実現するために必要な特性をもつABFを開発し、半導体パッケージ基板メーカーに提供しています。また、多様化する電子材料分野のニーズに応えるべく、最先端コンピューティングに対応した先端半導体パッケージ素材を提供し、次世代通信ネットワーク「6G」やそれを活かしたスマートシティや自動運転、そして脱炭素社会等の未来社会の実現に貢献していきます。

香粧品

アミノ酸は、もともと肌に存在する天然保湿因子〈NMF〉の半分以上を占める成分です。これまで肌とアミノ酸の研究により私たちが見出した「アミノ美肌理論®」に基づき、スキンケア関連製品(JINO®ブランド)の開発を行っています。また、50年以上の歴史を持つ当社独自のアミノ酸誘導体製造技術を生かし、人にやさしく環境にやさしい高機能な化粧品素材を開発して、全世界に供給しています。従来のマイクロプラスチックビーズと同等の感触・機能を再現し、かつ生分解性の高い環境配慮型のマイクロプラスチックビーズ代替品の開発にも成功し、環境負荷の少ない社会づくりにも貢献しています。

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素材配合設計技術

抗体生産細胞用培地

抗体医薬品は異常な細胞を狙って治療できるため、効果が高くまた副作用も抑えることができる新しい治療薬(がんやリウマチなどの難病)として活用されております。抗体は主に動物細胞で生産しますが、細胞株ごとに性質が異なるため、最適な培地(約70種類の栄養素から成る粉体または液体)の組成も異なります。アミノ酸は培地の主要な成分です。私たちはアミノ酸の機能や性質に関する知見を生かし、主原料であるアミノ酸をはじめとする多種成分の配合設計を行い、効率的に抗体が生産できる動物細胞培養用の培地の開発を行っています。開発した製品は味の素CELLiST Korea社(韓国)と連携し、「CELLiST」ブランドで、アジアを中心に販売・マーケティングの展開をおこなっています。

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再生医療用培地

再生医療は21世紀の画期的な医療になると期待されていますが、その実現には多能性幹細胞(iPS/ES細胞)や間葉系幹細胞(MSC)の増殖や分化などに用いる培地の開発が重要です。私たちはアミノ酸の機能や性質に関する知見に基づいた独自の培地分析技術や配合設計技術、バイオ技術によるリコンビナントタンパク質を用いることで、細胞の増殖や分化誘導など目的ごとに最適化した組成であって、かつ動物やヒトに由来成分を全く含まない安全性の高い培地(「StemFit®」シリーズ)の開発を、世界最先端研究施設とも協力しながら進めています。今後も培地の製造・販売を通じて、再生医療の実現や新しい医薬品の開発に寄与していきます。

動物栄養関連製品

アミノ酸と栄養の関係は乳牛においても重要です。リジンは乳牛に不足しがちなアミノ酸ですが、そのまま与えても第一胃(牛は四つの胃をもつ)で微生物に分解されて小腸まで届かず、吸収されません。そこで、リジンを保護し、腸でゆっくりと溶け出させる独自の造粒技術を開発し、溶出制御型リジン製剤「AjiPro®-L」として展開しています。また、「AjiPro®-L」を使うことで給餌量の低減が可能となり、糞尿から発生する一酸化二窒素や牛のげっぷから発生するメタンなどの温室効果ガスを削減できます。このように、安定的な乳生産や環境保護の側面での貢献を目指していますが、さらに乳牛の疾病予防への展開など、乳牛の健康増進のための取り組みも進めています。

生体高分子製造技術

バイオ医薬品受託製造サービス

発酵技術と合成技術の強みを融合した独自のバイオ医薬品製造技術でバイオ医薬品受託製造サービス事業を展開しています。オリゴ核酸・ペプチド原薬受託製造サービス「AJIPHASE®」は、ペプチドの大量製造に加え、世界初の実用的液相法によりオリゴ核酸の大量製造に成功しました。抗体薬物複合体(ADC, Antibody-Drug Conjugate)製造サービス「AJICAP®」は、抗体の遺伝子改変を必要とせず、化学的手法を用いた簡便な操作により抗体上の特異的な位置に薬物を導入できます。アミノ酸発酵生産菌および糸状菌を用いた独自タンパク質受託発現サービス「CORYNEX®」および「TALAMAX®」は、既存法では困難な長鎖ペプチド・タンパク質の発現や高い生産性を可能とします。これら独自技術で、国内外のお客様にバイオ医薬品を安定供給しています。

独自プラットフォーム技術及びCDMOサービス概要

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微生物設計技術

アミノ酸、核酸製品

グルタミン酸ナトリウムをはじめとするアミノ酸や、イノシン酸ナトリウムなどの核酸は、農作物由来の糖蜜などを原料にし、微生物を用いた発酵法により製造されています。糖蜜などの原料を微生物の中でアミノ酸や核酸に高い効率で変換するために、私たちは最先端のバイオテクノロジーを活用することで、代謝経路を解析し、ハイスループットな評価系により、高い生産能を示す菌株を創出しています。また、環境に配慮した高度なプロセス技術で製造された高品質なアミノ酸は、食品やサプリメントの原料以外にも、医薬原料としても提供され、私たちの生活を支えています。

栄養・代謝解析技術

アミノインデックス®

疾病や健康状態によって血液中のアミノ酸濃度バランスが変動することに着目し、血液中のアミノ酸濃度情報から現在の健康状態やさまざまな病気の可能性を評価する技術を開発しています。現在がんである可能性や生活習慣病などのリスクが一回の採血でわかる検査サービス「アミノインデックス®リスクスクリーニング」を展開しています。検査結果に応じて最適な生活改善をサポートするアプリ「aminoステップ®」の提供により、生活習慣に起因する疾病の早期発見や予防の機会を創出し、健康寿命の延伸に貢献しています。

品質・安全性評価技術

分析技術・安全性評価技術・
サイエンスコミュニケーション活動

味の素グループの多岐にわたる製品・サービスに対し、品質・安全性評価に必要な基盤技術を維持向上し、安全・安心をお届けするよう努めています。例えば、当社事業の中核であるアミノ酸製品では他社の追随を許さない当社独自の高感度・高精度なアミノ酸分析技術が活躍しています。また、バイオ医薬品の分析では、タンパク質の不均質性等を評価する特性解析や構造解析、またコンピューターサイエンスによるシミュレーション技術を用い、高品質な製品提供に貢献しています。製品の有用性・安全性評価においては、世界の規制当局と連携して的確な安全性評価を行うとともに、サイエンスコミュニケーション活動を通じて、科学的な情報に基づいたお客様への安全・安心の提供と価値向上をめざしています。