人参
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「高麗人参」として知られる韓国の人参は、主に深い山の中に生えています。60cmほどの茎がまっすぐ伸び、その先に3〜4枚の葉っぱがつくのが地上の姿。夏になると、薄い黄色の光を浴びたような小さな花を一輪咲かせます。薬用となる根っこは、その形が人と似ているので、“人”の字が充てられているのです。

 人参は不老長寿、益気輕身の名薬として、長年にわたり珍重されてきました。現在ではさまざまな国で栽培されていますが、「高麗人参」すなわち韓国の人参は、世界で最も有名です。その理由は、韓国の土質と気候が最も栽培に適していることと、韓国産のものはどこよりも香り高く、薬効が秀でているからです。

高麗人参が素晴らしいのはなぜ?

高麗人参韓国には「人参を食べたら、35里(日本でいう3.5里=約14Km)を走っても息がきれない」ということわざがあります。このように人参のスタミナ増進効果は昔から知られていました。人参が長年愛されてきた理由には、素晴らしい薬効はもちろんですが、毒性が少なく、一般の家庭でも安心して使える素材であるという面があります。 許浚(ホジュン)の著書『東医宝鑑』でも「人参の成分は無毒で、長期間服用しても身体に悪い影響を及ぼす危険性は少なく、長期間にわたって服用するほど健康によい」と評価されています。実際に人参ほど身体全体によい効果を与える素材は、それほど多くはないようです。

人参の薬効は、サポニン成分であるギンセノサイド(Ginsenoside)に含まれています。今までに明かされたサポニンの薬理作用は、老化防止、ガン細胞を抑えるなど、数十種類にのぼりますが、さらには肝臓に蓄積されたアルコールを素早く分解し、肝機能を活性化させることも判明しています。また、新たな病気が発見されるたびに、その病気に対する効果が発見されるので、サポニンの効能はそれこそ計り知れないものなのです。しかし、サポニンがあれば人参の薬理作用があるというわけではありません。サポニン自体の構成成分が重要なのです。人参のサポニンには数十種類の成分がありますが、外国産の人参の場合は13〜15種類であるのに比べ、韓国の人参は30種類もの成分が含まれています。特に、韓国最大の人参産地である錦山(クムサン)産の人参は、サポニン成分の種類や構成からも、世界一の品質を誇っています。

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