基本的な考え方

味の素グループは、コーポレート・ガバナンスを、ASV経営を強化し、2030年のありたい姿を実現するための重要な経営基盤の一つと位置づけています。2030年に向け、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決とサステナビリティの推進にセットで取り組み、「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷50%削減」を実現していくために、ASV経営を加速させます。さらにASV経営の実効性を高めるため、「ステークホルダーの意見を反映させる適切な執行の監督」と「スピード感のある業務執行」を両立し、監督と執行が明確に分離している会社機関設計の指名委員会等設置会社を選択します。取締役会は多様な取締役で構成し、中長期的に持続的な企業価値の向上を確かなものとするために、企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し、執行を適切に監督します。一方、執行は、取締役会から大幅に権限委譲された最高経営責任者が中心となって、経営会議において重要な業務執行の意思決定を行い、ワンチームで持続的な企業価値向上を実現します。なお、取締役会と経営会議の意思疎通を密接にするため、当社の企業価値向上サイクルの考え方に基づきガバナンス・ルールを定め、これに沿って経営会議から取締役会に提案・報告を行い、取締役会で審議・決議を行います。

外部環境の変化が激しい中、これまで以上に包括的なリスクマネジメントが重要です。味の素グループ各社およびその役員・従業員が順守すべき考え方と行動のあり方を示した「味の素グループポリシー」を誠実に守り、内部統制システムの整備とその適正な運用に継続して取り組むとともに、サステナビリティを積極的なリスクテイクと捉える体制を強化し、持続的に企業価値を高めていきます。

ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

取締役会の役割

当社の取締役会は、経営の最高意思決定機関として企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し、ステークホルダーの意見を反映させる適切な執行の監督を行います。また、ASV経営を通じてステークホルダー等と共に社会的課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献するとともに持続的な企業価値の向上に責任を負います。

取締役会の全体としての構成・多様性の考え方

当社は、構成員数、社内出身者と社外出身者の割合、執行役兼任者の割合、個々の経験、能力、識見、国際性、ジェンダー、人種、民族、国籍、出身国、文化的背景等の多様性を考慮して、独立の立場から客観的に業務執行を監督することができる独立社外取締役、最高経営責任者を含む執行役を兼任する社内取締役、および常勤監査委員である社内取締役により取締役会を構成することを基本方針としております。

また、監督と執行の分離をすすめ取締役会による経営監督機能の実効性をさらに高めるため、社外取締役が過半数を占める体制とし、取締役会の議長は、社外取締役が務めます。

取締役のスキルマトリックス

経営
戦略
グロー
バル
サステナ
ビリティ
デジタル 研究
開発
・生産
セールス
・マーケ
ティング
財務・
会計
人事・
人財
開発
法務

リスク
マネジ
メント
岩田 喜美枝
中山 譲治
引頭 麻実
八田 陽子
デイヴィス
・スコット
我妻 由佳子
中村 茂雄
下保 寛
斉藤 剛
松澤 巧

※各取締役が保有するスキルを最大4つまで記載。保有する全てのスキルを表すものではありません。

スキル項目

定義

選定理由

経営戦略

事業に精通し、資本市場を意識した的確な戦略を監督・推進することで、持続的な成長を通じて企業価値の向上を実現するスキル

アミノサイエンスで人・社会・地域のWell-beingに貢献する企業として、Ajinomoto Group Creating Shared Value (ASV) 経営の推進を通じて味の素グループの企業価値を飛躍的に高めることに必要なため

グローバル

多様な価値観や文化を踏まえて、グローバルに事業を展開するための的確な戦略を監督・推進するスキル

事業領域のグローバルな持続的拡大に向けた、多様な価値観や文化への理解に基づく業務執行の適切な監督・推進に必要なため

サステナビリティ

持続可能な社会の実現に向けて、事業を通じて社会的課題を解決するための的確な戦略を監督・推進するスキル

社会価値と経済価値を両立させるASV経営を通じて、「10億人の健康寿命の延伸」および「環境負荷の50%削減」を実現することに必要なため

デジタル

IT・デジタル技術を駆使した、イノベーション、生産性の向上等に向けた的確な戦略を監督・推進するスキル

DXを通じて市場競争力・効率性・生産性を高め、企業価値を向上させながら、アミノサイエンスで人・社会・地球のWell-beingに貢献する企業に変革するために必要なため

研究開発・生産

イノベーティブな研究開発と安全・安心な製品・サービスを絶えず追及していくための的確な戦略を監督・推進するスキル

アミノサイエンスによるイノベーションによって、「10億人の健康寿命の延伸」および「環境負荷の50%削減」を実現することに必要なため

セールス・

マーケティング

重点事業の成長を加速させるためのブランド価値向上に向けた的確な戦略を監督・推進するスキル

市場・生活者の価値観に合致したブランドマネジメントと、「スピードアップ×スケールアップ」による成長に必要なため

財務・会計

財務・会計・税務の高度な専門性に基づき、的確な戦略を監督・推進するスキル

ASV経営による企業価値の最大化、成長投資と株主還元の両立を実現する戦略の立案・推進、および業務執行の適切な監督に必要なため

人事・人財開発

多様な人財一人ひとりが能力を開発し、最大限に発揮するための的確な戦略を監督・推進するスキル

全ての無形資産の価値を高める原動力となる人財資産を、個人と組織の共成長により強化し、ASV経営を進化させることに必要なため

法務・

リスクマネジメント

法令順守・コーポレートガバナンス・リスク管理を通じた持続的な企業価値の向上を実現するための的確な戦略を監督・推進するスキル

Ajinomoto Group Policies (AGP) ※の浸透・実践を通じた持続的な企業価値の向上を実現し、ASV経営を安定的かつ着実に推進することに必要なため

※AGPは、味の素グループ各社およびそこに働く一人ひとりが順守すべき考え方と行動のあり方を示すと同時に、誠実に順守することをすべてのステークホルダーに約束するものです。

取締役会の実効性評価

当社の取締役会は、企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することで大きな方向性を示し、執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し、執行を適切に監督することを目的としています。このような取締役会の目的を踏まえ、当社では、取締役会自身が、さまざまな分析・評価手法の中から、当社の取締役会の実効性評価のために最適と考えるものを採用し、自らの実効性に関する分析・評価を実施します。また、実効性評価の結果を踏まえ、取締役会で議論を行い、見出された課題に対して、改善のための取り組みを設定し、実行します。これらを通じて、取締役会の更なる実効性の向上と、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めます。

当社における取締役会の「実効性」:

 取締役会が、企業価値を大きく左右する重要な経営事項を議論・検討することが大きな方向性を示し、

 執行のリスクテイクを支えるとともに、執行のプロセスと成果の妥当性を検証し

 執行を適切に監督するという目的を、どれだけ適切に果たせているか。

 

※「実効性」を構成する3要素

実効性評価プロセス

「当社」の取締役会の実効性の向上にとって何が必要かを、取締役会として評価する。

アンケート・インタビューは独自の設問で内容を毎年アップデートする。

評価後の実効性向上施策の状況の中間報告も含め、PDCAを回す

委員会等について

法定委員会

指名委員会

報酬委員会

監査委員会

構成

社外取締役 5名

社外取締役 4名

社外取締役 4名

社内取締役 1名

(常勤監査委員)

委員長

社外取締役

社外取締役

社外取締役

役割

取締役の評価・再任妥当性、代表執行役社長の評価・再任妥当性、および代表執行役社長の後継者育成計画等を審議し、取締役の選解任方針、取締役の選解任議案および代表執行役社長の選定案等を決議します。

取締役および執行役の報酬について公正かつ適正に決定するため、取締役および執行役の報酬に関する事項を審議・決議します。

執行役および取締役の業務執行の適法性・妥当性の監査を行うことにより、取締役会による「業務執行に対する監督」機能の重要な一翼を担う役割を担っています。

社外取締役連絡会、社外取締役の研修

当社は、社外取締役間での情報交換および専門分野の相互補完を通じた取締役会の実効性向上を目的として、社外取締役連絡会を設置しています。

この社外取締役連絡会では、定期的に、外部の有識者を招いて取締役との意見交換を行うほか、取締役や執行役参加の役員研修を行い、経営テーマについて発表して経営課題を共有し、その解決に取り組みます。また、味の素グループについて更なる理解を得られるよう、当社各部門から事業・業務内容等の説明を行い、主要事業所を視察する機会等を設けます。

取締役会、法定の委員会および任意の会議等の構成員および委員長等

氏名 役位 取締役会 指名
委員会
報酬
委員会
監査
委員会
社外取締役
連絡会
岩田 喜美枝 社外取締役 ○議長 ○議長
中山 譲治 社外取締役 ○委員長
引頭 麻実 社外取締役 ○委員長
八田 陽子 社外取締役
デイヴィス・
スコット
社外取締役 ○委員長
我妻 由佳子 社外取締役
中村 茂雄 取締役
下保 寛 取締役
斉藤 剛 取締役
松澤 巧 取締役 ○*

※〇は構成員を、*は常勤監査委員である社内取締役を、それぞれ示しています。

役員報酬

基本的な考え方

 当社の役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針に係る事項は、報酬委員会において決定しています。役員の報酬決定に係る基本的な感が方は、次のとおりです。

 

 (1)味の素グループポリシー(AGP)に沿って、当社の企業価値の中長期的な拡大につながる報酬であること

 (2)市場水準と比較して十分な競争力のある報酬水準であること

 (3)ステークホルダーに対して、説明可能な内容であり、透明なプロセスを経て決定されること

報酬制度

【社外取締役および監査委員たる社内取締役の報酬】

基本報酬のみとし、毎月、金銭で固定額が支払われます。

【執行役(取締役を兼任する者を含む。)の報酬】

基本報酬、短期業績連動報酬および中期業績連動型株式報酬により構成されます。

基本報酬

(毎月)

資質や能力を十分に発揮し、職責に応えるための定額報酬

短期業績連動報酬

(1回/年)

単年度の業績目標達成と適切なマネジメントを促すための業績連動型の報酬

中期業績連動型株式報酬

(1回/3年)

中長期にわたる持続的な業績向上と企業価値の増大を目的とした、3事業年度ごとに支給される業績連動型の報酬

【報酬の支給割合の決定】

取締役を兼任する代表執行役社長については、基本報酬、短期業績連動報酬および中期業績連動型 株式報酬の支給割合を、業績目標の標準達成時に概ね 25:25:50となるように設定します。また 執行役については、概ね50:25:25となるように設定します(支払割合は、いずれも「年換算※」)。

※対象期間終了後に支払われる中期業績連動型株式報酬を平準化して毎年支払った場合を意味します。

 

業績連動報酬の業績指標

【短期業績連動報酬】

代表執行役社長については、全社業績のみで評価されます。その他の執行役は、全社業績と個人業績で評価され、全社業績と個人業績の評価ウエイトは概ね1:1とします。

全社業績評価別報酬額

以下の算定式で決定されます。

全社業績報酬額 = 役位別基準額× 評価指数*

個人業績評価別報酬額

報酬委員会が個人別業績の評価を決議し、あらかじめ決定された報酬表に基づき決定されます。

(*) 評価指数は以下の2要素の合計値により算出されますが、それぞれの評価指標の達成率が1.2 を上回った場合には、1.2を上限とします。

 達成率≧100% :(連結売上高達成率 × 5 - 4)×1/3

         (連結事業利益達成率 × 5 - 4)×2/3

 達成率<100% :(連結売上高達成率 x 2.5-1.5)x1/3

         (連結事業利益達成率 x 2.5-1.5)x2/3

【中期業績連動型株式報酬】

評価指標毎に評価指数を算出し、下記の算式で算定されます。 評価指標毎の報酬額 = 役位別基準額 × 評価指数 中期業績連動型株式報酬の評価指標、目標値および評価ウエイトは、次のとおりです。

評価指標 2028年度 目標値 評価ウェイト
経済価値指標 ROIC
(投下資本税引後営業利益率)
12.4% 30%
相対TSR(対TOPIX) 1.0 30%
社会価値指標 温室効果ガス排出量削減率 Scope1,2:47.9%削減
Scope3:25%削減
10%
健康寿命の延伸人数 9.8億人 10%
無形資産強化指標 従業員エンゲージメントスコア 86% 10%
グローバル女性管理職比率 30% 5%
コーポレートブランド価値 2022年度比、
年平均成長率7%
(2,088百万USD)
5%

(注)

1.各指標の評価指数は、下記の算式より算出されます。

 (達成率×2.5-1.5)×評価ウエイト

 それぞれの評価指標の達成率が1.4を上回った場合には、1.4を上限とします。 各指標の達成率は、下記の算式で算定します。

 2028年度実績値÷2028年度目標値×100%

2.ROICは、以下の算定式に基づき算出します(いずれの数値も連結ベース)。

 ROIC=(事業年度の税引後営業利益)÷ {(事業年度の投下資本+前事業年度の投下資本)÷2}

 投下資本=親会社の所有者に帰属する持分+有利子負債

3.相対TSRは、以下の算定式に基づき算出します。

 相対TSR= (最終事業年度末日の当社株主総利回り) ÷ (当社株主総利回り計算期間に相当する期間の配当見込TOPIXの株主総利回り)

4.温室効果ガス排出量削減率は、Scope毎に削減率を評価し、その平均値より2028年度目標値に対する達成率を算定します。

5.健康寿命の延伸人数は、その人数を評価し、2028年度目標値に対する達成率を算定します。

6.従業員エンゲージメントは、「ASV実現プロセス」の9設問の平均値を評価し、 2028年度目標値に対する達成率を算定します。

7.コーポレートブランド価値は、インターブランド社調べの「Best Japan Brands」を評価し、2028年度目標値に対する達成率を算定します。