味の素グループの歩み

7月25日は「うま味調味料の日」です

池田菊苗氏は、1899年(明治32年)ドイツのライプチヒ大学に留学しましたが、純正理学の研究を、人々の生活に役立たせたいと考えるに至りました。

池田菊苗氏は、1899年(明治32年)ドイツのライプチヒ大学に留学しましたが、純正理学の研究を、人々の生活に役立たせたいと考えるに至りました。

帰国後、東京帝国大学理科大学教授となった池田博士は、日本人の栄養不足を解消する為には、滋養のある粗食でも美味しく食べれる調味料の発見と工業化が、それを解消する一つの方法だという科学者としての使命感を抱きました。

池田博士の研究ノート(左)、具留多味酸の試作瓶

博士は、1907年(明治40年)春、妻が買ってきた一束の昆布のうま味を、人工的に作り出せないかという研究を始めました。それは、甘味、塩味、苦味、酸味の四つの基本味以外に、「うまい」と感じる味(後に「うま味」と命名)を生じる物質が何かを解明する研究でした。

早くも翌年の1908年早々には、昆布のうま味は、グルタミン酸と一致することを発見しました。更にグルタミン酸を調味 料として工業化できないかを模索し、グルタミン酸は弱酸性で酸っぱかったので、これを水に溶かし、ナトリウムを加え濃縮してグルタミン酸ナトリウムを得ればよいという結論に達しました。

特許証

1908年(明治41年)4月24日「グルタミン酸塩ヲ主成分トセル調味料製造法」を出願し、同年7月25日に特許を取得しました。9月にはこの特許を、二代鈴木三郎助と共有することとし、二代鈴木三郎助により工業化の道が開かれることとなります。

後年、日本うま味調味料協会では、多くの方にうま味調味料の理解をしていただきたいという主旨で、7月25日を「うま味調味料の日」と定めました。