味の素グループの歩み

2012年 味の素奨学会設立55周年 ~多数の優秀な学生の学費を支援

公益財団法人味の素奨学会は、従来の財団法人鈴木奨学会から2005(平成17)年4月1日に、現在の名称に変更され、2012年4月に公益法人に認定されました。

1960年4月、鈴木奨学会 理事会・評議員会にて。初代理事長の三代鈴木三郎助は後列左

公益財団法人味の素奨学会は、従来の財団法人鈴木奨学会から2005(平成17)年4月1日に、現在の名称に変更され、2012年4月に公益法人に認定されました。前身の鈴木奨学会は、1957(昭和32)年6月26日に、三代鈴木三郎助(当時は味の素社会長)と味の素社の寄付、合計5,000万円により設立されました。初代理事長は、三代鈴木三郎助、理事には、赤堀四郎大阪大学元総長、坂口謹一郎東大名誉教授などが就任しました。

以来55年、今日まで、化学を始めとする理系全般を専攻する大学生及び大学院に在学する優秀な学生に対し、奨学金の貸与及び給与事業を行ってきました。設立から今日までの奨学生数は、約1,600人に及び、卒業後は、皆さん様々な分野で広く活躍されています(2012年4月現在)。

鈴木奨学会の設立趣意書には、こう書かれています。

「戦後十年、わが国は新しい発展期を迎えて躍動を開始している。しかし、目を外に転じると欧米諸外国の興隆はまことに目覚しいものがあり、中でも科学の発展は、まさに瞠目(どうもく)に値するものがある。科学の発展なくして社会の繁栄はあり得ない。卓越した科学者の輩出が強く待たれるが、優秀な頭脳を持ち、向上心を抱きながら経済的な事情により、研究を中断せざるを得ない者は少なくない。この為、当奨学会を設立し、将来社会に貢献しうる科学者を育成し、学術研究の発展に微力ながら寄与せんとするものである。」

2006年度在日留学生証書授与式。江頭理事長(当時)と奨学生の皆さん

三代鈴木三郎助(1940~47年三代社長)は、1952年会長就任後、1953(昭和28)年に、約4ヵ月半にわたって北米、南米、欧州、アジアと、世界を一周する19カ国視察旅行を行い、欧米諸国の興隆ぶり―特にアメリカで、IBMなどの能率第一主義の機械化と合理性―を目の当たりにしました。また父である二代三郎助以来の社会に対する感謝の念が、奨学会設立の背景にあると思われます。

たとえば、二代鈴木三郎助は、1904(明治37)年に住居を葉山から東京に移した後も郷里の小中学校へ寄付をしたり、葉山・横須賀出身の優秀な生徒で、上級学校に進学できない方の為に奨学資金を出したりしました。また三代三郎助も、郷里である葉山町の小学校に体育館とプールを、神奈川県に老人施設を寄付したりしています。

2011年度在日留学生証書授与式。戸坂理事長と奨学生の皆さん

2011年11月 奨学生が東海工場を見学

当奨学会は、2010年度から形を変え、ASEAN地域のタイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンの5カ国から、東京大学へ留学する理系学生に対して支給する奨学金を新たに加え、当グループ現地法人の募集事務局にてASEANの学生からの応募を受け付けています。

味の素奨学会事務局

なお現在は、奨学会の基本財産等は、約13億円となり、より多くの優秀な学生の育成を目指しています。