Vol.4アスリート達の理想の献立・栄養食とは

最高の記録を出すために、アスリート達は常に練習やトレーニングを重ね、体調管理や栄養管理を厳しく行っていることは皆さんの想像に難くないと思います。中でも、毎日とる食事については、素材・メニューに気を遣い、栄養バランスも考えられたベストな献立が必要となってきます。
たとえば国際的な試合などでは、代表選手となるアスリート達は現地で生活することになりますが、日本とは異なった環境や極度の緊張などから、思うように食事をとれないことも想定されます。現地での食事は、参加するさまざまな国の選手達が日頃食べているものや好みにあわせて提供されますが、意外とファストフードなども多く、脂っこいものを食べすぎると胃腸に負担をかけ、コンディションにも影響を及ぼします。またこのような状況で食が進まないとなると、体力面でも不安が残ることになります。

そこで味の素KKでは、アスリート達がベストコンディションで試合に臨めるよう、体調管理や食事(栄養管理)を通して選手を応援する「ビクトリープロジェクト」を展開しています。彼らが今まで培ってきた力を最大限発揮できるようにするためには、身体のコンディション、特に栄養面でのサポートが不可欠であると考えられるからです。
ビクトリープロジェクトの活動とは
●「食事」は身体をつくり、コンディションを整え、動かすもの
ベストパフォーマンスを発揮するためには「練習・トレーニング」「栄養」「休養」のバランスが大切です。特に栄養面において、食事は毎日必ずとるものですので、食事内容や食べる量などを考慮しながらコンディションを整えていくことが不可欠となります。こうしたスポーツ栄養学の基本は、選手のスケジュールによっても変化します。
栄養には「身体をつくる」「身体の調子を整える」「身体を動かすエネルギー源となる」という3つの働きがあります。オフシーズンであれば、身体をつくるための土台となる食事をとるようにしますし、試合前日であれば、翌日に最高のコンディションとなるように栄養のバランスを考えます。試合当日は途中でスタミナ切れを起こさないよう、エネルギー源をしっかりと確保します。そして試合後は、次の試合に向けた準備として、また食事をとることになります。
このように、食べるタイミングによっても食事は変化しますが、大切なことは「何を食べるか」ではなく「何のために食べるか」を考え、状況にあわせて選択できるようにすることなのです。
●食品の持つそれぞれの栄養素の特徴を活かす
身体をつくるための食事として欠かせないのが、たんぱく質を含む主菜やおかずです。たんぱく質は肉、魚、卵、豆製品などに多く含まれます。また、魚に含まれるオメガ3系の油は抗炎症作用や疲労回復にも効果が期待できるものなので、試合前などに選んで食べるようにすることもあります。ただし試合直前は体調を整えるため、刺身など生ものは避け、焼き魚などを食べるようにすると良いでしょう。
身体の調子を整えるためには、ビタミン・ミネラルや食物繊維などを含む副菜(つけ合わせ、小鉢など)をとるようにします。また、野菜不足に陥らないよう、サラダなどの生野菜だけではなく根菜類なども上手にとるようにしたいものです。ただし、試合直前に食物繊維を多く含むものを食べすぎると、お腹にガスがたまって調子を崩すことがありますので、このタイミングでの食べすぎには注意が必要です。
そして大切なのは、身体を動かすエネルギー源となる主食です。ご飯やパン、麺類など炭水化物を多く含む食材をとるようにします。エネルギー源となるこれらの栄養素は身体に多く貯めておくことが難しいため、試合中などでもこまめにとることが求められます。そのため、あらかじめおにぎりやカステラ、アミノ酸を含むサプリメントといった「補食」を準備しておき、試合直前や試合中などに栄養補給を行うと、長時間の激しい運動にも耐えられるようになります。
●汁物は栄養バランスを整え、食欲にスイッチを入れる
食事には汁物を必ず準備します。水分・ミネラルの補給にも役立ちますし、汁物の具材をアレンジするだけで不足しがちな栄養素を補うことも出来ます。たとえば味噌汁であれば、いも類(炭水化物)、豚肉(たんぱく質)、きのこ(食物繊維)といった具合です。また、汁物には、だしなどに含まれるアミノ酸の一種であるグルタミン酸がうま味成分を構築し、消化吸収をサポートしたり、食欲にスイッチを入れたりする役割を持ちます。なので、食欲が出ない時は、食事のはじめに汁物をとるようにすると、食欲増進にもつながるのでおすすめです。

うま味成分を上手に活かすと、おいしくアミノ酸をとることができます。お鍋などは野菜をたっぷりとることが出来るうえにボリュームもあって、ご飯も進みます。「鍋キューブ®」を使えばいろんな味が楽しめるので、これは寒い冬に限らず食べたい食事のひとつです。だしを使った炊き込みご飯なども、具材を選んでいれることで、主食のみならず主菜の役割も果たしてくれます。
「鍋キューブ®」のアレンジレシピ
●アスリート達を食で支える味の素KKの取り組み
味の素KKでは、アスリート達を支えるさまざまな活動を行っています。大会における食事と栄養サポートでは特設ブースを設けて「アミノバイタル®」や「クノール®」スープといった味の素グループ製品や日本の食材を提供しています。また、身体づくりや疲労回復に欠かせないアミノ酸を効果的にとるための「アミノバイタル®GOLD」を供給し、身体のコンディションを整えるためのサポートも行っています。希望する選手には、食堂においてどの栄養素をうまくとると良いのかといった栄養アドバイスも実施します。
アスリート達がベストコンディションで全力を発揮できるよう、栄養バランスを考え、最適な食環境を整えることは、身体づくりを重要視する彼らにとって必要不可欠であるといえます。味の素KKは食と栄養面からアスリート達をサポートし、ベストパフォーマンスを導き出せるように応援しているのです。
All About「運動と健康」ガイド 西村 典子
2016年7月29日掲載