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「味の素®」 マガジン

Vol.1栄養士直伝!アミノ酸を効果的に摂るおすすめ食事術

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「アミノ酸」ってなに?

アミノ酸を説明するにはまず、「たんぱく質」からお話する必要があります。たんぱく質というと、何を連想しますか? お肉や魚などもたんぱく質を含む食品ですが、私たちの身体を作っているのも、たんぱく質です。皮膚や髪、爪、筋肉、内臓組織やホルモンに関係するものまで、さまざまなところに存在しています。そしてこのたんぱく質は、アミノ酸がつながってできたものなんです。たんぱく質は約10万種類あるともいわれていますが、実はたった20種類のアミノ酸の組み合わせでできています。つまり、私たちの身体はアミノ酸でできているともいえますね。

重要な存在であるアミノ酸ですが、たんぱく質に含まれる20種類のアミノ酸のうち、9種類のアミノ酸(必須アミノ酸)は体内で合成することができず、食事から摂るしかありません。日々、良質のアミノ酸を含むたんぱく質を食事として摂ることが、健康に過ごすためのポイントになります。

より深く知る アミノ酸のヒミツ!

アミノ酸には特に、筋肉を強化させたり、体力を増進させる働きや、成長促進、安眠などへの効果が期待されています。

また、近頃では世界が注目する「うま味」の素になるのもグルタミン酸ナトリウムというアミノ酸塩です。出汁をとる昆布にはもちろん、トマト、チーズ、お魚やお肉にも含まれています。

アミノ酸の上手な摂り方

さきほども少し触れましたが、アミノ酸には体で作り出すことができず、食事から摂取する必要がある9種類の「必須アミノ酸」と、それ以外の体で作ることができる「非必須アミノ酸」があります。アミノ酸にはさまざまな性質のものがあり、食べものから摂る場合はいろいろな食材を組み合わせることが重要です。

たとえば、米のたんぱく質はリジンという必須アミノ酸が少なく、大豆にはリジンが多く含まれています。しかし大豆にはメチオニンというアミノ酸が少なく、米にはメチオニンが多く含まれています。したがって、食事の献立において米と大豆を組み合わせて食べると、アミノ酸のバランスからみてもお互い足りないところを補ってくれることになります。ご飯と納豆、ご飯とお味噌汁といった組み合わせは日本の食文化の基本でもありますが、健康的な意味でも相性がよいのです。

このように、たんぱく質の食材は、それぞれ違うバランスのアミノ酸の種類を持っています。食品の種類によってアミノ酸のバランスが異なるので、卵、乳製品、魚、豆・豆製品、肉、といったカテゴリーの違う食材を食卓に取り入れ、またその種類もできるだけ多くのものに変えることがオススメです。たとえば魚ならサケ、アジ、マグロ、サワラ……などと、種類を変えてみてください。

食べ合わせも大切

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健康的な食事をするには、具体的にどうしたら良いのでしょうか。その答えは、量(カロリー)と質(栄養素のバランス)をとることです。たとえば、一日の食事を何kcalにしましょう、というのは、食事全体の量に関することです。野菜も豆も食べましょう、というのは、質に関することですね。

バランスに関していうと、たんぱく質、炭水化物、脂質はエネルギーになる三大栄養素で、この3つを体内でうまく活用するためには、ビタミンとミネラルが欠かせません。栄養素はお互いに必要なものとして身体の中で作用するので、必要のないものはありません。ちなみに、炭水化物や脂質も摂りすぎると肥満につながることもありますが、身体には必要な栄養素です。適量を摂る事が必要です。

また、炭水化物(糖質)を体内で使い切るには大豆製品などに多いビタミンB1が、脂質の代謝には乳製品などに多く含まれるビタミンB2が、たんぱく質の代謝にはビタミンB6が欠かせません。ビタミンB6はささみやサケ、マグロ、青魚類などに多く含まれているので、これらを意識して食べていれば通常はほとんど不足することはありませんが、食事の際はさまざまな食材を取り入れられるように工夫してみましょう。日々の食事だけで難しい場合には、ビタミン剤や栄養補助食品等を取り入れるのもよいでしょう。

私たちの体にとって大切なたんぱく質の原料であるアミノ酸は、アミノ酸単体で摂るよりも様々な栄養素と一緒に、バランス良く身体に入れてあげることが大切です。とくに果物等に多く含まれるビタミンCと一緒に摂ると、コラーゲンの生成を促進します。かぼちゃやアーモンド等に多く含まれるビタミンEと一緒に摂ると、血行促進効果が期待できるとされています。毎日の食事は偏りすぎるのではなく、バランスが大切ですね。

All About「食事ダイエット」ガイド 浅尾 貴子

2016年6月21日掲載

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