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「うま味」と「うまい!」は、まったく別の意味の言葉なんです

「うま味」と「うまい!」は、まったく別の意味の言葉なんです

「うま味」はたびたび「旨味」「旨み」「うまみ」などと混同され、表記されます。「同じ意味で表記が違うだけじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

それぞれの言葉が同じ意味を指していると誤解されますが、「旨み」と「うま味」は違う意味の言葉。では、一体何がどう違うのでしょうか。

「旨み」は「おいしさ」、では「うま味」は?

「旨味」は食べた後に「うまい!」と言うような「おいしさ」を表す言葉です。それに対し「うま味」は「甘味」「塩味」「苦味」「酸味」と同様、味の要素である「基本味」のひとつ。

つまり、「甘くておいしいケーキ」や「酸味のきいたおいしいマリネ」といったように、「おいしい」とはまた別の、おいしさを構成する味の種類なのです。

うま味の活用 「うま味」は5つの基本味の1つ

そして「うま味」はアミノ酸(グルタミン酸塩)や核酸(イノシン酸塩、グアニル酸塩)などの成分に由来する味の種類で、食べ物のおいしさにおいて重要な役割を担っています。

「うま味」が発見されたのは、実はごく最近

しかし、古来より親しまれてきたほかの基本味とは違い、「うま味」は最近発見された味なのです。

さかのぼること100年。実は「うま味」は、日本人によって発見されました。はじめは、昆布から「うま味」成分であるアミノ酸(グルタミン酸塩)を取り出すことに成功し、昆布だしの主成分として発見したのです。

そして国際的に”UMAMI”という言葉が使われるようになったのは1985年に開催された「第1回うま味国際シンポジウム」から。つまり一般の人々が「うま味」によって食べ物がおいしくなっていると認識するようになったのは本当にごく最近のことなのです。

もちろん、「うま味」という存在を知らないころから人々は「うま味」を引き出すための料理を考えてきました。今ではそれが共通認識として、世界中の研究者やシェフの手によって”UMAMI”の研究が行われています。