2015年度の取り組み

2014-2016年度味の素グループ品質保証中期計画に基づいた2015年度の取り組みをご紹介いたします。

2015年度の取り組み

2014-2016年度味の素グループ品質保証中期計画では、2011-2013年度の中期計画に引き続き、「お客様との約束を守る」、「お客様の期待に応える」、「確かなマネジメントを目指す」の3つの指針を骨格に、「食の安全体制を強化する」、「健康危害トラブルを未然に防止する」、「お客様の声に耳を傾け、お客様にとって新たな価値や魅力を有する商品をお届けする」等の目標を新たに掲げました。2015年度は、中期計画の初年度に開始した取り組みを推進する年度として、グローバルに取り組みを進めてきました。

食の安全体制強化への取り組み

2013年12月に国内他社で発生した冷凍食品への農薬混入事件を受け、味の素グループでは、お客様に一層安心していただける商品をお届けするため、2014年3月に職場風土を検討する部会と、原料調達、生産、保管、輸送等について検討する部会からなる「食の安全体制強化プロジェクト」を発足させました。
本プロジェクトは、下図の通り、従業員との信頼関係をベースとした良好な職場風土の醸成を要に、製造設備などのハード面と、品質基準やガイドラインなどのソフト面の見直しや強化により、国内外のグループでサプライチェーン全体の意図的な異物混入に対するリスクの一層の極小化を図ることを目的に各種強化策の策定を進めてきました。
2015年度は、2014年度に策定した「良好な組織風土醸成に向けたガイドライン」、原料調達、製造委託、保管・輸送に関する国内外向け強化策に基づき、予定していた国内すべての製造所において、食の安全体制強化の取り組みを推進したほか、海外の9割以上の製造所においても、本取り組みを開始・継続中です。
2016年度も引き続き、国内外での食の安全体制強化を進めていきます。

食の安全を保証するための概念図

食の安全を保証するための概念図

食の安全を保証するための概念図

品質クレーム、トラブル低減への取り組み

お客様への安全な商品の提供は、企業にとって欠かすことのできない最も重要な使命の一つです。そこで、味の素グループでは、商品設計・調達・生産・販売のすべてのプロセスで、品質クレーム、トラブル低減に向けた取り組みを継続的に実施しています。
近年、原料由来、設備由来のトラブルが増加傾向にあったため、原料サプライヤーおよび生産設備の管理をさらに強化しました。発生した品質クレーム、トラブルに対しては、一つひとつ徹底的な原因究明を行い、再発防止を図るとともに、味の素グループ内で共有し、グローバルに同種トラブルを未然に防止することも進めています。
なお、2015年度は、味の素グループで計3件(味の素ゼネラルフーヅ(株)、タイ味の素社、味の素ウィンザー社で各1件)の自主回収を実施しました。今後このようなことがないよう、上記取り組みのさらなる推進および管理体制の一層の強化に努めていきます。

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング強化への取り組み

2013年7月に国内他社化粧品メーカーで発生した美白剤による健康危害事故を受け、健康危害や法令違反等の重大なトラブルにつながるおそれがあるお客様の声が見逃されることがないよう、お客様の声のモニタリング体制を強化しています。
グループ各社に寄せられたお客様の声は各社において解析されていますが、これに加えて、味の素(株)品質保証部においても健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声を迅速に客観的かつ組織横断的に確認・解析し、万が一、緊急を要する案件と判断された場合は、速やかに関係部署と共有する体制を整えています。
2014年度の国内グループ会社での体制構築・定着に引き続き、2015年度は、タイ、ブラジル、ベトナム、インドネシアの海外法人で上記体制の構築を進めました。
2016年度は、その体制の海外での定着と新たな海外法人での構築に向け、引き続き本取 り組みを推進していきます。

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング体制

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング体制

サプライヤー監査・管理の徹底

味の素グループでは、製造委託・購入先や原材料サプライヤーに対し、味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」の品質管理基準・品質要求事項に基づいた管理を行っています。定期的な評価および品質監査はもちろんのこと、「サプライヤーパートナーシッププログラム(SPP)」に基づき、サプライヤーと連携し、品質リスクの低減やサプライヤーの品質レベルの向上等に取り組んでいます。
2015年度は、国内味の素グループのサプライヤーに対し、品質監査を計画的に実施したほか、フードディフェンス監査※1も実施し、サプライヤー管理を強化しました。

サプライヤー監査と品質管理の徹底

海外のサプライヤーに対しては、GSM※2という海外の法人間で品質監査の相互協力をする仕組みを構築しており、2015年度もGSM監査を活用し、海外のサプライヤー管理を継続しました。2016年度も引き続き、SPPによるサプライヤーとのパートナーシップを強化していくとともに、海外では、GSM監査を積極的に活用し、お客様に安全な商品を提供できるよう努めていきます。

※1 フードディフェンス監査:意図的な食品汚染を防御することに特化した監査
※2 GSM(Global Supplier Management):海外のサプライヤーに対する品質管理強化のため、海外の法人間で品質監査の相互協力をする味の素グループ独自の仕組み

2015年度の原材料取引先の主な品質監査実績

監査実施組織 監査品目 監査件数 備考
味の素(株)
グループ調達センター
原料関係 85件 食品:41件、バイオ・ファイン:44件
包材関係 25件
味の素冷凍食品(株) 原料関係 193件
味の素ゼネラルフーヅ(株) 原料関係 31件
包材関係 4件
委託先 25件

第三者認証取得への取り組み

味の素グループでは、ISO9001の第三者認証取得に加えて、お客様からの要請を受け、国内外の複数の製造サイトで、国際食品安全イニシアティブ(GFSI)承認のFSSC22000※1などの認証取得を推進しています。
2015年度は、ISO9001あるいはFSSC22000等をすでに取得している組織・法人は認証を維持・継続したほか、2013年に新設されたラウタン味の素ファインイングリーディエンツ社においては、2016年度のISO9001認証取得に向けて、品質保証体制を整備しています。
さらに、味の素グループは、世界中のムスリム等のお客様に安心して生活を送っていただくため、Hala(l ハラール)をはじめとする宗教対応の実践にも取り組んでいます。宗教上の「食」への尊重と理解に基づいた「おいしさ」をお届けする仕組みづくりを品質保証活動の一つと位置づけ、Halal認証やユダヤ教のKosher (コーシャー)認証取得を進めています。
2015年度は、味の素(株)川崎工場および九州事業所、ブラジル味の素社、上海味の素アミノ酸社にて従来の認証取得に加え、一部の商品に対して、Halal認証やKosher認証を新規に取得しました。
今後もISO9001の認証取得・維持、お客様のご要請に応じたGFSI承認の認証取得および宗教対応を進めていきます。

※1 FSSC22000:食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000とPAS220(食品製造のための食品安全に関する前提条件プログラム)を統合し、国際食品安全イニシアティブ(GFSI)が認定したベンチマーク承認規格

品質レベル向上のための人財育成

味の素グループでは、グループ・グローバルでのさらなる品質レベル向上を目指し、人財育成にも力を入れています。毎年品質教育プログラムを見直し、各組織や法人のニーズに見合ったプログラムを作成し、計画的に品質教育を実施しています。
2015年度は、味の素(株)品質保証部が、国内グループ従業員向けにISO9001内部監査員教育、食品表示や法規関連のセミナー等を実施しました。2015年度で36回目となる味の素グループ最大級の検討会「品質のマネジメント・技術に関する検討会」には、約430名の国内のグループ従業員が参加し、グループ内の品質保証活動について共有しました。
海外においては、中国、北米、ベトナム、ペルー、ブラジルで「アスカスクール※2」を開催し、計133名が参加したほか、2015年度で15回目となる「QMS※3トレーニングコース」には、北米、ドイツ、ブラジル、タイ、フィリピン、ベトナム、インドネシア、香港から計9名が参加し、2週間にわたり品質保証の幅広い分野について学習するとともに、グループの品質保証のさらなるレベルアップについて活発なディスカッションを行いました。

ポスター発表

QMSトレーニングコース

QMSトレーニングコース

さらに、国内外のグループ各社においても、それぞれのニーズに合った独自の品質教育を積極的に実施しました。国内では、味の素冷凍食品(株)で、優良誤認や新食品表示法、フードディフェンス等の教育、また、味の素ゼネラルフーヅ(株)で、統合ISO(品質・食品安全・環境)教育を実施しました。
海外では、タイ味の素社で、フードセーフティやHACCP、GMP等の教育、上海味の素調味料社で、フードディフェンスや法規関連の教育、ウエストアフリカンシーズニング社では、GMP教育を実施しました。
2016年度もグローバルに活躍できる品質保証人財の育成に向けて、品質教育プログラムを作成し、計画的に実施していきます。

※2 アスカスクール:味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」を中心とした、品質保証のノウハウの共有、知識向上を目的とした研修
※3 QMS:Quality Management Systemの略

2015年度 味の素(株)主催の品質保証教育の体系とプログラム例

グループ従業員向け品質教育 味の素(株)従業員向け品質教育
・品質のマネジメント・技術に関する検討会
・QMS トレーニングコース(海外のみ)
・アスカスクール(海外のみ)
・トップマネジメント品質勉強会
・お客様満足研修
・ISO9001 内部監査員教育
・品質監査講習会
・食品表示の勉強会
・食品行政動向説明会 など
・海外赴任者研修
・新入社員研修
・コンプライアンス研修
・品質アセスメント勉強会
・「 ASQUA(アスカ)」を理解する基礎講座 など

お客様とのコミュニケーション

味の素グループでは、国内食品5社※6はもちろんのこと、海外事業においても地域特性や商品の拡充に合わせ、お客様相談機能・部門を設け、お客様満足向上に努めています。
味の素(株)お客様相談センターでは、お客様と直接接する部門として、お客様にご満足いただけるよう「正確・迅速・親切」を対応の基本として取り組んでいます。お客様からいただいたご意見やお問合せは、毎日整理・分析し、事業部門や開発部門と共有することにより、お客様にとってより便利で魅力ある商品・サービスの開発につなげるよう取り組むほか、関連部門と連携し、お客様にご安心いただけるよう情報提供に努めています。また、お客様一人ひとりとのコミュニケーションを大切にし、お客様との良好な信頼関係づくりに努め、商品・サービスをはじめとする企業活動における「お客様満足品質」の実現に向けて取り組んでいます。
2014年4月に制定した味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」の「お客様の声対応基準」「お客様の声活用基準」に則り、国内外各法人と取り組みを推進しています。国内では、グループ5社での3カ月に1度のお客様対応状況の共有や勉強会、味の素(株)、味の素冷凍食品(株)、味の素ゼネラルフーヅ(株)3社での「お客様の声」の事業への反映の検討などを実施しました。
海外法人では、ブラジル味の素社で「お客様の声」による品質改善への取り組み、タイ味の素社でお客様からのお問い合わせ状況をスムーズに社内に伝える体制づくりを開始しました。ベトナム味の素社、インドネシア味の素社とも情報交換を実施するなど、味の素グループ全体として「お客様の声」をお伺いする対応品質向上の活動と「お客様の声」を反映したよりよい商品・サービスのご提供を目指す活動を、一層推進していきます。

※6 国内食品5社:味の素(株)、味の素冷凍食品(株)、味の素ゼネラルフーズ(株)、(株)J-オイルミルズ、ヤマキ(株)

お客様相談窓口を設けている代表的な海外法人
●タイ味の素社  
●インドネシア味の素社  
●ブラジル味の素社  
●ベトナム味の素社 等

※相談窓口のない法人においても、電話、Webサイト等でお問い合わせを受け付けています。