2016年度の取り組み

2014-2016年度味の素グループ品質保証中期計画に基づいた2016年度の取り組みをご紹介いたします。

2016年度の取り組み

2014-2016年度味の素グループ品質保証中期計画では、2011-2013年度の中期計画に引き続き、「お客様との約束を守る」、「お客様の期待に応える」、「確かなマネジメントを目指す」の3つの指針を骨格に、「食の安全体制を強化する」、「健康危害トラブルを未然に防止する」、「お客様の声に耳を傾け、お客様にとって新たな価値や魅力を有する製品をお届けする」等の目標を新たに掲げました。
2016年度は、中期計画の最終年度として、グローバルに取り組みを進めてきました。

食の安全体制強化への取り組み

2013年12月に国内他社で発生した冷凍食品への農薬混入事件を受け、味の素グループでは、お客様に安心していただける製品をお届けするため、図の通り、従業員との信頼関係をベースとした良好な職場風土の醸成を要に、製造設備などのハード面と、品質基準やガイドラインなどのソフト面の見直しや強化により、国内外のグループでサプライチェーン全体の意図的な異物混入に対するリスクの一層の極小化に取り組んでいます。
本取り組みは、国内食品製造所においては、2016年度にほぼ対応を完了し、海外については、2017年度末までに対応完了を目指します。

食の安全を保証するための概念図

食の安全を保証するための概念図

食の安全を保証するための概念図

品質クレーム、トラブル低減への取り組み

味の素グループでは、品質クレーム、トラブル低減に向け、発生した品質クレーム、トラブルすべてに対し、一つひとつ徹底的な原因究明を行い、再発防止に努めています。
2015年度は、グループ内で発生した品質クレーム、トラブルのうち、賞味期限の印字ミス等のヒューマンエラーによるトラブルが増加傾向にありました。これを受けて、2016年度は、同種トラブルの未然防止のため、トラブル情報をグループ・グローバルに共有することを徹底しました。さらに、国内では、品質教育の一つである「品質のマネジメント・技術に関する検討会」において、「ヒューマンエラーの防止」をテーマに各組織・法人の活動情報の共有や意見交換を行い、従業員一人ひとりの意識向上や現場の改善につなげました。
なお、2016年度は、味の素グループで計6件(国内1件、海外5件)のリコール・流通回収を実施しました。今後このようなことを発生させないよう、上記取り組み等のさらなる推進および強化に努めていきます。

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング強化への取り組み

2013年7月に国内他社化粧品メーカーで発生した美白剤による健康危害事故を受け、健康危害や法令違反等の重大なトラブルにつながるおそれがあるお客様の声が見逃されることがないよう、お客様の声のモニタリング体制を強化しています。グループ各社に寄せられたお客様の声は各社において解析されていますが、これに加えて、味の素(株)品質保証部においても健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声を迅速に客観的かつ組織横断的に確認・解析し、万が一、緊急を要する案件と判断された場合は、速やかに関係部署と共有する体制を整えています。
2016年度は、既に本体制を構築済みである国内グループ会社およびタイ、ブラジル、インドネシア、ベトナムの海外法人において、新体制に基づき、モニタリングを実施しています。
また、新たにフィリピンおよびペルーの海外法人でも上記体制の構築を進めてきました。
今後も新たな海外法人での構築を進め、引き続きモニタリング体制を強化していきます。

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング体制

健康危害等トラブルにつながるおそれのあるお客様の声のモニタリング体制

サプライヤー監査・管理の徹底

味の素グループでは、製造委託・購入先や原材料サプライヤーに対し、味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」の品質管理基準・品質要求事項に基づいた管理を行っています。定期的な評価および品質監査はもちろんのこと、「サプライヤーパートナーシッププログラム(SPP)」に基づき、サプライヤーと連携し、品質リスクの低減やサプライヤーの品質レベルの向上等に取り組んでいます。
2016年度は、国内のサプライヤーに対し、品質監査を計画的に実施したほか、2015年度に続いてフードディフェンス監査※1も実施し、サプライヤー管理を強化しました。

サプライヤー監査と品質管理の徹底

海外のサプライヤーに対しては、GSM※2という海外の法人間で品質監査の相互協力をする仕組みを構築・活用しています。2016年度は、GSM監査の活用拡大に向けて、米国においてGSM監査員を増員し、サプライヤーの管理強化を図りました。
今後もSPPによるサプライヤーとのパートナーシップを強化していくとともに、海外では、GSMを積極的に活用し、お客様に安全な製品を提供できるよう努めていきます。

※1 フードディフェンス監査:意図的な食品汚染を防御することに特化した監査
※2 GSM(Global Supplier Management):海外のサプライヤーに対する品質管理強化のため、海外の法人間で品質監査の相互協力をする味の素グループ独自の仕組み

2016年度の原材料取引先の主な品質監査実績

監査実施組織 監査品目 監査件数 備考
味の素(株)
グループ調達センター
原料関係 107件 食品:64件、アミノサイエンス:43件
包材関係 24件
味の素冷凍食品(株) 原料関係 180件
味の素AGF(株) 原料関係 37件 うち4件共同購買品
包材関係 11件
委託先 26件

第三者認証取得への取り組み

味の素グループでは、ISO9001の第三者認証取得に加えて、お客様からの要請を受け、国内外の複数の製造サイトで、国際食品安全イニシアティブ(GFSI)承認のFSSC22000などの認証を取得しています。
2016年度は、ISO9001あるいはFSSC22000等を既に取得している組織・法人は認証を維持・継続したほか、2013年に新設されたラウタン味の素ファインイングリーディエンツ社においては、新たにISO9001認証を取得、また、味の素ベーカリーインドネシア社およびインド味の素社においては、ISO22000を取得しました。
さらに、味の素グループは、世界中のムスリム等のお客様に安心して生活を送っていただくため、Halal (ハラール)をはじめとする宗教対応の実践にも取り組んでいます。宗教上の「食」への尊重と理解に基づいた「おいしさ」をお届けする仕組みづくりを品質保証活動の一つと位置づけ、Halal認証やユダヤ教のKosher(コーシャー)認証取得を進めています。
2016年度は、味の素(株)川崎工場にて従来の認証取得に加え、一部の製品に対して、Halal認証を新規に取得しました。
今後もISO9001の認証取得・維持、お客様のご要請に応じたGFSI承認の認証取得および宗教対応を進めていきます。

※1 FSSC22000:食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO22000とPAS220(食品製造のための食品安全に関する前提条件プログラム)を統合し、国際食品安全イニシアティブ(GFSI)が認定したベンチマーク承認規格

品質レベル向上のための人財育成

味の素グループでは、グループ・グローバルでのさらなる品質レベル向上を目指し、人財育成にも力を入れています。毎年、品質教育計画を見直し、各組織や法人のニーズに合わせて、計画的に品質教育を実施しています。
2016年度は、味の素(株)品質保証部が、国内のグループ従業員向けに、ISO9001、品質監査、食品表示、宗教対応等の教育を計画的に実施しました。また、2016年度で37回目となる「品質のマネジメント・技術に関する検討会」を開催し、約430名のグループ役員・従業員が参加して品質保証活動について情報共有を行いました。海外では、「ASQUA(アスカ)スクール※1」をフィリピン、インド、インドネシア、中国、北米で延べ120名に対して実施したほか、2016年度で16回目となる「QMS※2トレーニングコース」も開催し、ブラジル、ペルー、タイ、インドネシア、インドの各社から推薦された計9名の従業員が参加し、2週間にわたり品質保証の幅広い分野について学習するとともに、グループの品質保証のさらなるレベルアップについて活発なディスカッションを行いました。

さらに、国内外のグループ各社においては、味の素冷凍食品(株)で、農場管理、農薬管理、食品表示、フードディフェンス等の教育、タイ味の素社でフードディフェンスやGMP等の教育、アモイ・フード社およびペルー味の素社でフードセーフティの教育、マレーシア味の素社でISO9001内部監査員教育等、ニーズに合った品質教育を積極的に実施しました。 今後は、ICT※3も活用して、より充実した品質教育を推進し、グループ・グローバルでのさらなる品質レベルの向上に努めていきます。

※1 ASQUA(アスカ)スクール:味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」を中心とした、品質保証のノウハウの共有、知識向上を目的とした研修
※2 QMS:Quality Management Systemの略
※3 ICT:Information and Communication Technologyの略

ポスター発表

品質のマネジメント・技術に関する検討会

品質のマネジメント・技術に関する検討会
上:ポスター発表
下:新設した「お客様満足」コーナー(お客様の声を活かした様々な活動を共有)

QMSトレーニングコース

QMSトレーニングコース

2016年度に実施した味の素(株)主催の品質教育(一例)

グループ従業員向け品質教育 味の素(株)従業員向け品質教育
・品質のマネジメント・技術に関する検討会
・QMS トレーニングコース(海外従業員のみ)
・ASQUA(アスカ)スクール(海外従業員のみ)
・トップマネジメント品質勉強会
・お客様満足研修
・ISO9001 内部監査員教育
・品質監査講習会
・食品表示の勉強会
・食品行政動向説明会 など
・海外赴任者研修
・新入社員研修
・コンプライアンス研修
・品質アセスメント勉強会 など

お客様とのコミュニケーション

味の素グループでは、国内食品5社※2はもちろんのこと、海外事業においても地域特性や製品の拡充に合わせ、お客様相談機能・部門を設け、お客様満足向上に努めています。味の素(株)、味の素冷凍食品(株)、味の素AGF(株)のお客様相談部門は、各社の国内家庭用製品のお問い合わせを直接承る部門として、「正確・迅速・親切」をモットーに活動しています。ご相談には、お客様の生活背景や環境の変化、生活者として感じられた想いを大切にしながら、役立つ情報の提供などでお役に立てるよう努めています。お客様からいただいたご意見やお問い合わせは1件ずつ記録し、翌日には事業部門や開発部門など全社で共有、また、お客様のニーズや生活背景の変化などを分析し、お客様の生活に役立つ、魅力ある製品・サービスの開発につなげるよう取り組んでいます。また、関連部門と連携し、お客様にご安心いただけるよう製品や食に関する情報の提供に努めています。また、お客様一人ひとりとのコミュニケーションを大切にし、お客様との良好な信頼関係づくりに努め、製品・サービスをはじめとする企業活動における「お客様満足品質」の実現に向けて取り組んでいます。これらの活動を確実に実行・さらに改善し、製品やサービスの改善につなげるために2014年4月に味の素品質保証システム「ASQUA(アスカ)」の中に「お客様の声対応基準」「お客様の声活用基準」を制定しました。これにより、国内3社での活動を確実に行うとともに、国内外各法人とも取り組みを推進しています。2016年度は、国内グループ5社で毎月お客様対応状況の共有・応対品質向上のための研修や「お客様の声」の事業への反映のワークショップなどを実施しました。
海外では、ブラジル味の素社、タイ味の素社、ベトナム味の素社などで、お客様からのお問い合わせ、ご意見やご要望を伺い、スムーズに社内に伝える体制を整え、製品・サービスの改善活動に反映しています※3。
今後も味の素グループ全体で「お客様の声」をお伺いする応対品質向上の活動と「お客様の声」を反映したよりよい製品・サービスのご提供を目指す活動を、一層推進していきます。

※3 国内食品5社:味の素(株)、味の素冷凍食品(株)、味の素ゼネラルフーズ(株)、(株)J-オイルミルズ、ヤマキ(株)

お客様相談窓口を設けている代表的な海外法人
●タイ味の素社  
●インドネシア味の素社  
●ブラジル味の素社  
●ベトナム味の素社 等

※相談窓口のない法人においても、電話、Webサイト等でお問い合わせを受け付けています。