チゲ
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オモニ(お母さん)手づくりの韓国を代表する味。テンジャン(韓国みそ)チゲ

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ダレ(ひめにら)テンジャンチゲ
ダレは独特の香りを持つ春の山菜の一種。日本のノビルのようなもので、春のテンジャンチゲには欠かせない素材。

新婚の主婦が一番苦労する料理…それは見栄えのよいパーティー料理ではありません。新婚主婦に限らず多くの主婦にとって、またベテランの主婦にとっても、おいしく作るのが難しいとされているのがテンジャンチゲなのです。テンジャンチゲは、ヤンニョム(香味材料)の香ばしい風味を活かしながら、スープが塩辛くならないように仕立てるのが大事です。かといってスープをたしてのばせばよいというものでもないのです。テンジャンチゲは簡単そうに見えて、本当においしく作るのは難しい料理です。
“煮干しだしに韓国かぼちゃ、じゃがいもなどの野菜を入れて煮立て、テンジャンを加えて溶きのばし、調味料で味をととのえる”、という短く簡単なレシピに要約できるように、テンジャンチゲは作り方の簡単な料理です。しかし、おいしいテンジャンチゲを作るためには米のとぎ汁を使うほうがよいとか、テンジャンとコチュジャンの比率はどれぐらいがよいかなど、それぞれの家庭に伝わるさまざまな秘訣があります。料理の本に書いてあるレシピ通りに作っても、「この味ではないよ」と首をかしげるご主人もいるのです。

厚みのある土鍋でふつふつと煮込んだテンジャンチゲは、韓国のおふくろの味として心に残る料理です。誰もが昔、お母さんが作ってくれた香ばしい風味のテンジャンチゲを忘れられずに、その味を出すために努力を重ねます。韓国ではどの家庭も自家製のテンジャンを作るので、テンジャン自体の味が家庭によって異なります。自家製のテンジャンを使ってチゲを作るのだから、当然のことながら家庭によって、また作る人によってチゲの味が違うのです。幼いときに母が作ってくれた、我が家特製のテンジャンを使ったチゲの味を、ふるさとの味のように思うのも当然のことでしょう。

テンジャンチゲに欠かせないのがチョングッジャン(清麹醤)です。チョングッジャンは日本の納豆によく似た韓国の発酵食品。ゆでた大豆をわらで包んで暗くて暖かい場所で2〜3日寝かせ、発酵させて作ります。このチョングッジャンにしょうゆや塩を加えて保存し、豆腐やキムチ、豚肉などのチゲの味つけに使います。材料と一緒にグツグツ煮ると、チョングッジャンチゲの出来上がり。チョングッジャンはジャンを作るときはもちろん、チゲに入れても特有の匂いがするので嫌う人もいますが、テンジャンチゲと同様、おふくろの味、故郷の味として愛されています。

キムチチゲは、ヒリヒリと辛い味が最高

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チョングッジャン(清麹醤)チゲ
チョングッジャンで大根、豚肉、キムチ、豆腐などをグツグツ煮て作る。チュンチョンド(忠清道)地方の名物料理。

秋の終わりに漬けた甕の中のキムチがおいしくなり始める冬になると、いつもおかずの心配をしている主婦達は少し楽になります。よく漬かったキムチと豚肉を煮立てた辛いキムチチゲさえあれば、他には何もいらないからです。ほどよく味のついたキムチがあれば、特別な材料がなくてもおいしいキムチチゲが味わえます。キムチチゲの主役はキムチであり、味の決め手もキムチです。キムチさえおいしければ、少しの水で煮るだけで不思議に味がまとまるのです。これにツナ缶の油をきって加えたり、缶詰のさんまを加えたりするのもおいしいものです。かめばかむほどおいしいチャドルペギ(牛胸肉)や、魚介類を入れてもよいのです。しかし何と言ってもキムチチゲに一番合うのは、脂がほどよくのった豚肉です。キムチチゲによく使われるのは首のあたりの部位ですが、赤身と脂身が適当に混ざっていてかみ応えがあり、スープの味がひときわおいしく感じられます。豚肉のおかげでキムチのピリッと辛くてさっぱりした風味がますますひき立ち、スープも辛いのですが香ばしい滋味があります。キムチチゲはテンジャンチゲよりおいしく作るのは簡単です。ほどよく酸味のあるキムチさえあれば、誰でもおいしく作れるのです。キムチチゲで有名なお店を訪ねても、キムチと豚肉、豆腐、玉ねぎぐらいの材料しか使っていません。まずキムチを炒め、その後に煮干しだしを注いでもよいし、キムチに水を加えて煮ても、それもまた別のおいしさになります。

 

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