筋肉量は足りていますか?

筋肉量のピークは20代で、健康な人でも歳を重ねると全身の多くの筋肉量が減少します。
特に下肢の筋肉量は顕著に低下します。下肢の筋肉は起き上がりや移動に関係する筋肉で、生活の質に大きく関わる筋肉です。高齢期では筋肉量の減少の割合が加速することが分かってきました。早期から筋肉量の低下予防のための取り組みを行う必要があります。

下肢筋肉量
年代別筋肉量の比較 下肢筋肉量
全身筋肉量
年代別筋肉量の比較 全身筋肉量

老年医学. 2010; 47: 52-57.

年齢を重ねても、筋力トレーニングにより、筋力を取り戻すことは可能です。トレーニングの効果を効率よく保つためには日常生活での活動を高めることが重要となります。座っている時間を減らし、ウォーキングや趣味活動など積極的に動きましょう。

太ももの前側の筋肉は、動かないと2日で1%減少し、これは加齢で減少する量の1年分に相当します。健康寿命の延伸には、筋肉量を維持して動ける体を保つことが重要です。突然の病気やケガで安静を余儀なくされる可能性を考えて、筋肉量はできるだけ多い方が安心です。

筋肉量は足りていますか?
公財 健康・体力づくり事業財団 改変

アクティブライフの実現には、筋肉量の維持・増加が非常に重要

ロコモは、加齢に伴い、筋肉、骨、関節に支障をきたし日常生活が困難になる現象です。その中でも加齢により筋肉量が減少してしまう現象をサルコペニアといいます。筋肉量が減少するとつまずきや転倒のリスクが高まり、さらに骨強度が低下していると転倒時の骨折リスクが高まります。また、一度骨折すると治癒までの間、運動量が減少することから、筋肉量の低下を招き、悪循環へとつながります。

アクティブライフの実現には、筋肉量の維持・増加が非常に重要
アクティブシニア「食と栄養」研究会

脂肪量と筋肉量

同じ重さの脂肪と筋肉では、脂肪の方が体積が大きいため、同じ体重でも脂肪の多い人は大きくたるんで見え、筋肉量が多い人は体が引き締まって見えます。また、同じ大きさの脂肪と筋肉の場合、筋肉のほうが重くなります。
運動量を増やすと、体脂肪率が減って筋肉量が増えるので、体重にはあまり変化が出ないことがあります。健康診断の結果が出たら、体重だけではなく、体脂肪率や筋肉量もチェックしましょう。

脂肪量と筋肉量