■冒頭:取締役社長 西井よりコメント
中間決算発表から1カ月近く経ち、その後の状況を少しアップデートさせていただく。当社はトランスフォーメーションのさなかにあるが、進捗したことについて、3点お伝えしたい。
1点目は、食と健康の課題解決に向けて、減塩や低栄養という課題に対し、グループ全体で戦略を統合していく動きがかなり具体的になってきた。グローバル本社を中心としたコンセプトに各法人が戦略を統合し進めてくれるようになってきたと思っている。
2点目は、DXを中心にやっていたSCM、調達といった分野について、かなり現状の棚卸しができてきた。まだ数字上の効果は確認しているところだが、2021年度の計画に反映する準備が進んできた。同時に、成長という観点での種まきについては、新事業創造の取り組みとして、コーポレートベンチャーキャピタルの準備が進むと同時に、いわゆる新たなフードテックエリアのベンチャー企業への具体的な出資も進んでいることを報告する。
3点目はアセットライト化についてである。中間決算説明会の際には、コロナ禍で中断していたものを再開しているという話をしたが、ここに来て急速にその展開が進んできている。近いうちに皆さまにも良い報告ができるのではないかという段階になっている。
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改革について、DXによる調達やSCMのところが来期に向けては計画ができる準備が整っているということであるが、アクセンチュア社等との協業によるコーポレート部分の効率化はどういう形で進捗しているのか。一部アセットライト化の急展開という説明もあったが、来期の業績を見通す中でドライバーになってくるものは何か。
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冒頭で、食と健康の課題解決における戦略の統合ができてきたという話があった。売上のベースラインをしっかりと上げていける手応えを感じているということだと思うが、そのあたりをもう少し説明いただきたい。
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東南アジアは言語なども違う中、その周辺国でマーケティング戦略を連携させることの重要性を教えてほしい。また、その戦略が目に見える形で、例えば下期に製品戦略が非常に活発化し顕在化するという理解でよいのか。
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中間決算説明会のスライド19ページ目に記載のアンケート結果で、「栄養を意識した食事をする回数と意向」という設問に「変わらない」や「現状でよい」と答えている人がかなり多いことに驚いた。これらの回答をした層に当社の戦略を訴求していくには、どのようにしたら良いと考えているのか。加えて、マーケティングへのDX活用について現状でどのようなことを考えているのか可能な範囲でご紹介いただきたい。
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コロナワクチンが開発され、世の中からコロナウイルスの感染が無くなったとき、当社の業績にどのような変化が出るのか教えてほしい。
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世の中が変化する中、当社のコア事業である調味料の位置付けはどのように変化するか。
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事業環境の見方を、2021年度くらいまでのスパンで教えてほしい。業績予想上は、まだ米国、ブラジルでの第2波襲来が入っていると思う。東南アジアを含め、ワクチン接種の拡大がこの下期、来期ぐらいに当社にどういう影響が出てくるとみているか。
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マーケティング費用について、費用対効果の面で、COVID-19流行前と今後で変化はあるのか。
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直近の業績について。2020年度下期に国内のシェアダウンを取り戻すために、広告投資を行う話がある一方で、上期はコアブランドの製品に絞ったことでマージンが向上したという話もある。収益性とシェアアップのバランスについての考え方、費用対効果について確認させていただきたい。
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2020年度上期、コロナ禍の中で、何ができて、何ができていなかったのかを教えていただきたい。特にマーケティング費用は、使いたくても使えなかったという部分もあり、この厳しい環境下でしっかり利益が出ている。ポジティブ面、ネガティブ面について上半期はどのように総括をしているのか。
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2021年度上期を考えた場合、販促費は新しい付加価値提案により増えるが、単価上昇の継続等で業績好調は続くという見方で良いか。
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コーポレート費用の削減について。全社共通費2.5%という既存目標があるが、動物栄養事業の撤退・縮小等により売上高が伸びていかない前提において、2021年度以降も事業利益にはポジティブに効くのだろうと思っている。コーポレート費用削減額のイメージがあればお伺いしたい。
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今期は2回上方修正し株価も上がっている。下期の予想も保守的と思う。来期、コストダウンの効果がどの程度事業利益にヒットするのかよく分からないため、大まかな範囲で教えていただきたい。
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2020年度上期は売上が厳しい中、事業利益が出ている状況。当社の事業利益ベースの実力値についてご解説いただきたい。
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当社でDXとくくられているものは、クロスボーダーEコマースや、SCM、調達など、非常に多岐にわたる。改めて、当社のDXにはどのような内容が含まれているのか、今年度取り組んでいるSCM・調達の他に、来年、再来年とさらに取り組んでいく項目が何なのかということについて整理していただきたい。
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DXを進める中でSCMと調達の部分で進展があったとのことだが、具体的にどのようなことか。
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DXの事業に対する効果は、基本的にマーケティングの部分で最も顕在化すると思うが、具体的な成果として見えるタイミングを教えてほしい。 質問の背景だが、2020年度に家庭内で当社調味料を使う世帯が増えた。これをベースとして、2021年度に仮に市場で家庭用の需要が反落しそうな時に、当社の実績はそれに対してマーケットをアウトパフォームできる力があるのかどうかを確認したい。またR&Dの製品イノベーション、減塩、低栄養アプローチに対して、既存技術で対応していくのか、それとも当社のR&Dのパイプラインの中に、イノベーションが今後あるのか。
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アセットライト化の施策による構造改革費用を期初の計画から増額されているが、コロナ禍の状況において、アセットライト化施策が進捗した背景を教えて欲しい。
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構造改革後の業績貢献について、当社の狙いをもう一度確認させてほしい。
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アセットライト化が順調に進んでいるということで、とても喜ばしい。アセットライト化が完了して従来よりもスリムな組織体になった後に、次の成長に向けた投資を検討することになると思う。20年後、30年後の当社は、どのような会社になりたいのか。また、食と健康の課題解決企業となるために、どのような技術を磨くのか、あるいはサプライチェーンを強化するのか。今の当社に何が足りなくて、どのような投資をするのかについて教えていただきたい。
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海外調味料について。東南アジア等の直販スタイルの営業体制は、コロナ禍においては活動が制限されネガティブな影響があるだろうと思っていた。もともとEコマースの台頭などで今後厳しい側面があるのではと見ていたが、2020年度上期は非常に強い成長率であった。これは競合他社と比較しても、ディストリビューションの強みが発揮できているという理解でよいのか。
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家庭内需要が非常に強く2021年度も家庭用はおそらく問題ないとのことだが、タイは外食のマイナス影響が大きく、回復するか懸念している。何かご説明があればお願いしたい。
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国内外の調味料と加工食品の競争環境について。国内では、2020年度第2四半期から競合の価格戦略は変化しつつあると思うが、カテゴリー別の影響を伺いたい。同様に旧Five Starsの状況についてもお願いしたい。
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海外調味料のシェアについて。家庭用でシェアダウンがあった地域はどこか。またカテゴリー別では、明確にモメンタムが上がってきたのはメニュー用調味料であるという理解でよいか。
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調味料の海外の売り上げに占めるメニュー用調味料の構成比をアップデートしていただきたい。
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海外の調味料について、政府の給付金により消費が短期的に押し上げられているということはあるか。2020年度下期、タイ以外の国の成長率は高めに設定している印象がある。仮に給付金により足元の消費が伸びていた場合、それが剥落した際の成長率についてどのように考えているか。
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海外コンシューマー事業の2021年度以降の見通しについて伺いたい。足元の業績は当社の内部的な要素というよりも外部要素が強いのではないかと考えているが、COVID-19前の状況に徐々に戻る中で、競争環境を注視していかなければならないと見るべきなのか。
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20-25中計では幾つかのKPIを示しているが、グローバル企業と比べてもユニークだと思うのは単価の成長率である。最終的には、海外コンシューマー食品で毎年3%程度の成長を目標としている。それに対し2019年度と2020年度上期については、少しでき過ぎだったのではという感じも受ける。2019年度は海外主要国で値上げの効果があり、2020年度上期は、コロナ禍で製品ミックスの影響も大きかっただろう。今後もこのペースで行くのか、あるいは少し違った方法で3%成長を目指すのか。
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家庭内調理機会の増加が今後も続くと見ているとのことだが、その中で、当社の製品ラインナップは現状で十分だと考えているか。あるいは何かチャンスがあれば、今後増やしていくような考えはあるか教えてほしい。
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冷凍食品について、追い風が来ているアジアンに集中してやっていくということで、20-25中計のKPIに対して改善の進捗が少し早いという印象を得たが、業績面ではポジティブとみて良いか。
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北米の冷凍食品について。市場がコロナ禍で伸長している中、当社はシェアがきちんと取れているのかどうか確認したい。自社生産比率を下げOEMと組み合わせていくという話があったかと思うが、改めて説明をお願いしたい。
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COVID-19の影響により、バイオファーマ・サービスは厳しい一方、5Gの到来により化成品ビジネスは非常に好調に推移しているという理解。2020年度下期、2021年度に向けてこれらのビジネスにおけるリスクやチャンス、当社の見方の変化について定性的な面で確認させていただきたい。
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電子材料事業の位置付けについて教えていただきたい。食と健康とは少し離れた分野であるが、重点事業に含まれている。向こう数年は、パッケージ基盤の大型化や多層化により順調な成長が見込まれると思う一方、やはり波の大きい業界なので、数年たつと業績のボラティリティも大きくなっていくのではないか。この事業は、当社として続けていくべき事業なのか。どこかのタイミングで切り離してキャッシュ化し、当社の本業に投資する資金づくりに充てるという考え方もあり得るのではないかと思うが、どうか。
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中間決算説明会のスライド32ページ目に、有形投資約2,100億円、無形投資約2,100億円との記載があるが、この内容について教えていただきたい。
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株主還元について。当社の配当金は32円が続いており2020年度も同様との予想。今年、来年は構造改革費用等があることを考えると、増配は2022年度くらいまで待たなければならないか。あるいは今期かなり利益が出ると想定される中、それに合わせて増配も検討しているのか。
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グローバル食品企業の中には、気候変動との関連で植物性タンパク質をマテリアリティと置いている企業もある。当社は、植物性タンパク質についてどのような意識を持ち、取り組みもうとしているのか教えていただきたい。
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フードテックについて感じている大きな変化と、それをどのように業績に取り込んでいくかについて教えてほしい。
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ガバナンス改革について。指名委員会等設置会社への移行およびサステナビリティ諮問会議の設置にあたり、社長が最も期待している変化は何か。
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事業をグローバルで管理すべくセグメント変更を行うなど、当社は直近で色々なことを変えており、その中で会社の風通しが良くなっているように思う。おそらく過去から苦労してきた部分だと思うが、なぜ急に今良くなっているのか、コメントをお願いしたい。