特に今年度に関しては、様々な変動要因があり経済の影響が見通しにくく、業績予想が難しい。表面的な状況としては、外食向けは厳しく家庭用は好調という見え方ができるものの、潜在的に隠れているリスクもある。例えば、経済状況の低下によって失業率がさらに高まったり、補助金のカットなどで消費が悪化し、食品にかかる費用を節約するという状況も生じ得る。リスクを数字として最大限織り込んでいるわけではないが、業績予想においては、状況を慎重に見ざるを得ない状況である。
(下期の予想も同様に慎重に見ているのか、との問いに)
今回見積もることができる状況を踏まえて修正予想を立てているが、下期に顕在化する事象もあり得るため、慎重に見ている部分もある。
(マーケティング費用を全部使いきるとは思えないが、どうか、との問いに)
COVID-19環境下において、各国のマーケティング費用の使い方については苦慮している状況である。上期にできなかった店頭活動が徐々にできるようになっており、売上高や売上総利益の状況を見ながら、マーケティング費用をコントロールしていくことをご理解いただきたい。 具体的に申し上げると、例えばベトナムの「Aji-ngon®」は6月に5年ぶりに製品改定し、滑り出しは良いが、マーケティング投資をしていかないと、昨年のように競合にシェアを奪われるだろう。フィリピンの液体調味料「Sarsaya®」は対前年2桁以上伸長しているが、競合の多い製品であり、シェアを上げていくマーケティング活動が必要である。ブラジルは、「味の素®」、「Sazon®」をコロナ禍の中で値上げを実施しており、広告などのマーケティング投資が必要。日本では、「ほんだし®」は今年50周年を迎え改訂品を発売しているが、家庭での調理機会が増えていることを生かして、力を入れていきたい。