• 海外食品の調味料・加工食品について、各国の足許の売上状況はどうなっているのか。

    各国とも現地通貨ベースでは概ね計画通りに進捗している。ブラジルは経済が低迷している中で、当社の主力製品である風味調味料「Sazon®」は上期に2桁伸長したが、引き続き全体を牽引している。インドネシアもメニュー調味料が上期に2桁伸長したが、引き続き好調である。ベトナムでは上期、調味料は堅調に推移し飲料は2桁伸長。また新製品の「Ajinomoto Pancake Mix Powder」(パンケーキミックス)はとても大きく伸び、その後も継続している。タイの期首想定から遅れた分を他の国々で補い、現地通貨ベースでは対前年で10%に若干届かないレベルでの着地を目指す。為替の円安傾向にも助けられ、円貨ベースでは期首売上予想の達成は可能だと考えている。

    (下期は期首計画を達成できるペースで推移しているとすれば、このモメンタムは2018年度以降も継続すると考えて好いか。またオーガニックグロースの成長率をどのように考えているのか、との問いに)基本的にその国に合った製品開発を適宜進めていく事が大事。加えて、買収した会社に当社の技術や知見等を入れ、売上高成長を加速する事も重要。オーガニック成長と投資による成長をバランス好く実現していきたい。2017-2019年度中期経営計画(以下、17-19中計)上は、海外コンシューマー食品のCAGR目標を11%(含、物品税)とし、売上高とともに利益成長も並行して果たしていくべく目標値を掲載した。しかし足許、タイでは基礎調味料市場は対前年1%、即席麺市場は同▲1%と低成長になっており、物品税込みでの同国の CAGR目標6%については見直しが必要と考えている。但し、売上高が多少鈍化したとしても、タイは主力国なので事業利益については何としても当初目標を達成したいと考えている。

  • AWI社における今回の大手顧客向け失注の原因をどの様に分析しているのか教えて欲しい。また、収益性重視の経営をしている以上、今後もこの様な大型の失注は起こり得るのか。

    今回のイタリアンの失注に関しては大きく2つの要因があると認識している。ウィンザー社の買収当初より、決してブランドが強い訳ではないイタリアン製品の方針は決めていた。アジアン、アペタイザー、メキシカンを強化するという方向性は正しいと思っているが、製品ポートフォリオ再編のスピード感を読み違えた。AWI社のトップマネジメントとは意思疎通が出来ていたが、工場再編や製品ポートフォリオ再編というテーマごとの現場レベルでのコミュニケーションが追い付いていなかった。その結果として、今回の様な想定以上の失注に繋がったと捉えている。今回の問題を踏まえ、マネジメント改革を実行しており、現場との情報共有を強化している。今後は、想定を大きく上回る様な失注等はなくせると思う。