社長メッセージ2020

世界的な試練に日々の食を通じた健康で貢献

強い危機意識を持ってASV経営を進化させます

新型コロナウイルスの感染により苦しんでおられる方々にお見舞い申し上げるとともに、
お亡くなりになった方々に哀悼の意を捧げます。
また、世界の中で、治療や感染予防に力を注がれている方々に、心より感謝いたします。
味の素グループの2020年度の業績へのマイナス影響も想定されますが、
様々な施策により、マイナス影響の縮小、2021年度のV字回復に挑みます。
中期経営計画で掲げた構造改革の取り組みは止めません。さらに、2030年の目指す姿として
宣言した「食と健康の課題解決企業」の実現に向けて、
新型コロナウイルスとの闘いに対して、当社の創業来の強みである
食生活の改善とヘルスケア事業を通じて貢献することをお約束いたします。

現状の課題

味の素グループは分岐点に立っています

私は、コロナ禍の前から、味の素グループの現状と未来について、強い危機感を持っていました。過去20年間、味の素グループの利益水準は約330億円(1999年度営業利益)から992億円(2019年度事業利益)と3倍になりました。社会価値と経済価値を両立するASV(Ajinomoto Group Shared Value)経営を進化させられれば、さらに高い次元でのSDGsへの貢献と価値創造を実現できると確信しています。一方で、前中期経営計画の未達で顕在化したように、当社の持っている「見えない資産」を活かせなければ持続的な成長ができないリスクも直視しなければなりません。今回、中期経営計画を策定するにあたり、多くの投資家の皆様との対話を通じて当社に対する期待を再確認し、資本効率の改善とオーガニック成長の回帰を果たさなければならないと強く決意しました。われわれは、まさに、分岐点に立っているのです。この分岐点で、正しいロードマップ(中期計画)とコンパス(KPI)を使い、適切な上り道を選び、ASV経営を進化させ、企業価値を高めることが、経営者としての私の役割です。

ASV経営の進化

あえて規模のKPIを捨てました

2020年2月に作成した中期経営計画では、ROIC、オーガニック成長率、重点事業売上高比率、従業員エンゲージメントスコア、単価成長率の5つの財務・非財務の重点KPIを公表しました。日本の一定規模以上の上場企業の中期計画としては、規模の目標を開示せず、主要事業のROICと資本コスト(WACC)目標を開示することは、あまり例がないと思います。アナリストや投資家からは、従来と同じような売上高や事業利益の目標の開示を求められ、従業員からも戸惑いの声が聞こえてきました(誤解のないように申し上げると、規模のKPIを開示しないのではなく、そもそも、規模のKPIを掲げることを止めたのです)。規模を追う経営は、知らず知らずのうちに、経営のフォーカスが緩み、競争力の劣る事業・経済価値を生まない事業を含むコングロマリットとなるリスクをはらんでいます。実際に、前中期経営計画の未達の要因となり、私は危機感を覚えました。規模のKPI志向は、長年にわたり醸成されてきた企業文化そのものだといえます。そのため資本コストを上回るROIC重視の収益方針への転換にあたっては、企業文化を変革しなければならないと強く決意しました。

前中計の棚卸で競争優位が成長の推進力であることを再確認しました

中期経営計画作成にあたって、過去の中期経営計画をレビューし「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」というビジョンに対して、できたこと、前に進んでいるが目標に届かなかったこと、できなかったことを棚卸しました。何よりも、顧客課題に対して他社にない解決策を提案し、競争優位にあるものだけが前進したことは明白でした。基礎・風味調味料は、世界No.1の市場シェアを達成したものの、前中期経営計画期間中に成長が鈍化しました。メニュー用調味料、パーソナル食品が伸び、健康という軸を捉えて、アジアン冷凍食品、機能性表示食品等特定のヘルスケア食品が成功し、健康志向と植物原料・発酵製法が結びついたアミノ酸、化成品素材も市場の拡大を成果に結びつけています。規模は大きくありませんが、オリゴ核酸医薬品の先進的な開発受託、再生医療用培地、アミノインデックス®事業も次の10年で期待できるところに来ていると感じています。

折れない矢(強い事業体)が必要です

一方、構造改革に全力で取り組みつつも結果を残せていない事業、一定の利益貢献は果たせているものの長期にわたって横ばいや微減の事業があることも明らかになりました。2018年ごろから、部分最適を目指して展開している比較的規模の小さいスペシャリティ事業・製品が、限られた製品に経営資源を絞り込んだローカルの競合に局地戦で負けることが出てきていました。この戦いの中、主力の基礎・風味調味料事業の開発・マーケティング投資が希薄化し、それが前回の中期経営計画が後半に腰折れしてしまった大きな要因となりました。2000年代からのバルクからスペシャリティへのシフトはある程度の成果を生みましたが、その副作用が出てきたわけです。
私は、学生時代から弓道を嗜んできました。16世紀の武将、毛利元就が子供たちに「1本の矢は折れやすいが、3本集めることで折れなくなる」と話したという逸話がありますが、私も、一つひとつのスペシャリティの力(部分最適)だけで戦うのではなく、「食と健康」という1本の矢(全体最適)にまとめることで、味の素グループを折れない矢(強い事業体)に作り変えていくつもりです。「食と健康」の分野に経営資源を集中することで、研究開発費、マーケティング費用を十分に投下できます。そのために、ROICと中期的な成長力という物差しで集中する事業を絞り込んでいきます。

3つのコミットメント

2030年の目指す姿

「食と健康の課題解決企業」に生まれ変わることを宣言しました

味の素グループは、2030年の目指す姿として、「「食と健康の課題解決企業」に生まれ変わる」と宣言しました。食と健康に関わる生活習慣を改善することに企業活動を集中させていきます。コロナ禍で多くの方が感染されたり、亡くなられたりするのを目の当たりにして、より想いを強めました。われわれは、現在世界中でコンシューマー製品を通じて約7億人の生活者と接点がありますが、当社グループ製品を通じた健康増進と食習慣の改善で、10年後には、10億人の健康寿命延伸に貢献することを目指していきます。私自身、バイオテクノロジーとアミノ酸の可能性に惹かれて当社に入社したので、アミノ酸のはたらきによって社会貢献にチャレンジできることに約40年間、情熱を燃やし続けています。

日々の食生活を通じて減塩とからだの機能維持・向上に貢献します

食と健康の課題の中でも、「過剰な塩分摂取」と「加齢による機能低下」の問題に取り組みます。WHOは全世界の人口の20%が高血圧状態にあり、全死因の13%に関与しているとしています。また、全世界で高齢者の20%がたんぱく質等の栄養を十分に摂取できておらず、筋肉の衰えや認知機能低下の一因となっています。これらは健康長寿の観点で重要な課題です。一方、主な“アミノ酸のはたらき”は、「うま味によっておいしく減塩できる」といった呈味機能と「からだの機能を維持・向上できる」といった栄養・生理機能です。当社の研究では、カラダの免疫力を高めるアミノ酸があることも分かってきています。味の素グループは、日々の食事に関わるうま味ベースの調味料の世界トップ企業ですが、これまで日本以外の市場においては、これらの機能訴求を行っていませんでした。アミノ酸のはたらきで「食と健康の課題解決」に貢献することは、強みを活かした社会貢献であり、オーガニック成長を取り戻す機会でもあります。

減塩に成功した地域協働のエコシステム“岩手・減塩プロジェクト”を広げます

健康価値の高い製品の普及については、2014年から取り組んできた岩手・減塩プロジェクトを広げていきます。岩手県は、「食塩摂取量全国ワースト1」でしたが、当社、行政、流通、メディアが連携して減塩に取り組むことで、塩分摂取量を大幅に減らし、全国平均に近い水準まで改善しました。当社は、減塩製品、減塩メニュー提案で、食習慣の改善に貢献しつつ、減塩製品の単価アップ(通常品比20%高)と売上成長を果たしました。こうした様々なステークホルダーと協働し、それぞれに利益をもたらす取り組みは、本年1月にダボス会議で提唱された「ステークホルダー資本主義」にも通じる点があるものと考えています。従来、この取り組みは日本国内のみの展開でしたが、日本以外でも展開を開始します。タイやブラジル等、われわれの主要事業展開国では、高所得と上位中間所得層の市場成長が予想されていますが、この層は、中間所得層に比べて「健康維持」に係る支出が、1.5-2.0倍多いため、健康面の価値を訴求した製品の開発・販売を強化し、「単価アップ」による売上成長回帰につなげていけると考えます。

80%と55%のギャップを埋めます

冒頭で述べたASV経営の要は人財です。全従業員35,000人を対象とした2019年のエンゲージメントサーベイで、回答者の80%がASVの考え方に共感し働きがいを実感していることが確認できました。様々なグローバル企業の同様のサーベイと比較しても高い水準であると自負しております。一方で、重要な課題も見えてきました。自身がASVを実践していることを自らの言葉で語ることができていると答えた従業員が55%にとどまっていることです。私は、従業員がASVを自分ごとにできない理由は、価値貢献の実感がないためだと考えています。良い製品を作り出しているにも関わらず、小売りの現場では、他社の製品と熾烈な価格競争に陥り、顧客が価格以外のことで、どれだけ満足しているか、つまり、お客様にどれだけ役に立っているかという実感が得られないことが従業員のモヤモヤ感につながっていると思います。

私の原体験“バリュー・クリエイション”

私には、忘れられない原体験があります。2004-2009年、業績が低迷していた家庭用冷凍食品の責任者としての経験です。小売りの現場では過当競争が進み、定価の4割、5割引は当たり前で、マーケットは伸びているのに儲からないという状況に陥っていました。そこで取り組んだのが、売上高の7割を占める競争力のある製品に絞り込んだ上で、原材料を抜本的に見直し、思い切った品質改良を行い、新しい生産技術を導入して、20%の価格アップを実現することです。当時は10年以上続くデフレの最中。当初ほとんどの従業員がこの取り組みに反対でしたが、結果として当該製品は人気となり、お客様からはおいしさや調理のしやすさ等を高く評価いただき、小売り、卸、原材料供給者の皆様とは、価格アップの恩恵を共有する関係を築くことができました。数年後に利益は3倍となり、事業に関わったメンバーは、ASV経営を実感できました。
中期経営計画の重点KPIに、従業員エンゲージメントスコアと単価成長率を加えたのは、冷凍食品事業で経験した価値創造のサイクルを全社レベルで実行・モニタリングするためです。今後数年間で、減塩等健康の付加価値を高めることで、同様の変化を生み出し、従業員の「ASVの自分ごと化」を加速させたいと考えます。優秀な従業員がASVを自分ごとにできれば、味の素グループは次のステージに行けるでしょう。

戦略とKPI

事業ポートフォリオの再構築を軸にROIC10-11%を目指します

中期的には、持続性の観点からROIC13%を目指し、2030年度に実現することを目標とします。2020-2022年度は構造改革フェーズと位置付け、現時点の非重点事業の縮小/撤退を完遂し、業務効率によるコストダウンを進め、業界水準のROIC8%に回復させます。2023-2025年度は、再成長フェーズとして、重点事業拡大による収益性向上と追加的な事業資産圧縮(アセットライト化)でROIC10-11%に引き上げ、2030年度構造目標への基盤を作ります。

効率性高く成長できる収益構造

  1. 投下資本=親会社の所有者に帰属する株主資本+有利子負債
  2. オーガニック成長率 : 為替、会計処理の変更、M&A・事業売却等の非連続成長の影響を除いた売上高成長率
ROIC>WACC、成長性で事業を選択します

事業ポートフォリオ再編については、WACCを上回るROICと成長性を基準に、「調味料」「栄養・加工食品」「冷凍食品」「S&I(加工用調味料)」「ヘルスケア」「電子材料」を重点事業とします。事業ごとにWACCが異なるため、ROICの水準よりも、WACCを上回るかどうかを基準とします。非重点事業は、2022年度までに資産の転用または撤退・売却を進めます。成長性または効率性に課題がある事業は、2022年度までに見極め、その結果に応じて2025年度までに対処します。

成長は健康価値提案による単価アップ、新興国での需要増で実現します

オーガニック成長率は、年率5%を目指します。2019年度のオーガニック成長率は0.3%。そのうち重点事業は4%超の成長を続けています。2020-2022年度、2023-2025年度に重点事業売上高比率を70%、80%と引き上げていくことで、全体の成長率を0.7-1.2%持ち上げられると見ています。さらには重点事業における健康価値訴求等により、単価向上で1.3-1.8%の成長を目指します。2025年度には、生活者と直接つながるパーソナルな健康課題解決で新事業モデルを上乗せして5%成長を実現する構想です。安定成長の土台という意味で、既存製品に提供価値を加え、チャネルを拡大することによる収益基盤強化も大事です。味の素グループの主要事業展開国でも都市生活者の人口が2030年には2015年に比べ1.2億人増加することが見込まれており、世帯当たり収入の上昇を機会として取り込んでいきます。

重点KPI

無形資産への投資、重点事業への投資を強化します

2020-2025年度では、重点事業への投資を高めていきます。R&D、マーケティング、設備投資の80%を重点事業に振り向けていくことに加えて、新たにデジタルトランスフォーメーション(DX)による業務効率性、新事業モデル構築、人財開発に2020-2022年度で260億円を投資します。競争力の源泉は、設備ではなく、人財、技術、ブランド力等の見えない資産になってきており、中期経営計画期間中は、有形資産に対する投資約2,100億円、R&D、マーケティング、DX等会計上は費用に計上される無形資産に対する投資も約2,100億円と、見えない資産への投資を強化していきます。さらに、人財投資もしていきますので、無形資産の方が大きくなります。

持続可能な成長の鍵

魅力的な会社にしないと優秀な人財は集まりません

新ビジョン実現のために、生産性の高い課題解決型組織に変革するための人財投資を強化し、前回の中期経営計画比、約2.5倍に高めます。イノベーションを加速させるためにダイバーシティ&インクルージョンを進めます。2030年までに味の素(株)における女性の取締役とライン責任者の比率を30%に引き上げます。また、他社に先行して進めてきた「働き方改革」をバージョンアップし、環境変化への対応力向上を図ります。私は、ブラジル法人の社長時代に、ブラジル人のダイバーシティと生産性の高さに驚くと同時に、日本でも同じことを実現しようと決意しました。ダイバーシティ&インクルージョンが進んだ会社では、仕事の目的を具体的に共有するので無駄が少なくなるのです。社長になってから、総労働時間の短縮、ダイバーシティ、働き方の改革に着手し、平均年間労働時間は、社長就任当時の2,000時間弱から1,800時間程度まで削減できました。終業時刻の16時半への繰り上げ(日本企業では17時の終業が一般的)、オフィスや工場の従業員のテレワーク等、他社に先駆けた取り組みを進め、「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」『優秀賞』等の評価をいただきました。これらの施策は、生産性の改善につながっていますし、意図してはいなかったのですが、今回の自粛期間においても、テレワークにスムーズに移行できました。さらに、優秀な人財獲得においても成果を出しています。

SDGs達成に向け、ASV経営を進化させます

国連が提唱するSDGsは2030年に向けた持続可能な開発に向けた17の目標と169のターゲットを定めたものです。味の素グループでは、特に、健康、環境に関するこれらの課題解決に注力します。味の素グループは、創業来一貫して、事業を通じた社会課題の解決に取り組んできました。1899年、池田菊苗博士はドイツへ留学した際、当時のドイツ人の体格と栄養状態の良さに驚き、「日本人の栄養状態を改善したい」と強く願うようになりました。その願いを共有した二代鈴木三郎助は1909年に事業を開始、世界初のうま味調味料「味の素®」が発売されました。味の素グループの原点は「おいしく食べて健康づくり」という志にあるのです。ASV経営は、社会価値と経済価値の共創を目指す経営です。グローバルに事業を行う企業体として、特に、食に関わるビジネスを行っている企業として、SDGsの達成に寄与していくことにコミットしていきます。
環境課題に対して、2030年度までに温室効果ガス排出量を50%削減し、TCFD提言に沿ったシナリオ分析で導き出した経済リスク80-100億円を軽減することを最重要対策として取り組みます。同時に、水リスク、プラスチック廃棄物、フードロス、サステナブル調達に関する重要課題について、ステークホルダーとの連携で負荷低減を進めていきます。

長年の懸案だったMSGに対する間違ったイメージは改善しつつあります

冒頭、危機感についてお話ししましたが、明るい変化もあります。グルタミン酸ナトリウム(MSG)を事業とする当社グループにとって長年懸案であったMSGに関するイメージが改善しつつあることです。2018年から本格的な取り組みを始めた啓発活動の効果もあり、米国でのサーベイでは、栄養士を中心にMSGに肯定的な人が6割を超え、大手外食チェーンのメニューや植物由来の代替肉にMSGを採用する動きが広がりつつあります。日本でも、「無添加」「不使用」等誤った表現を払しょくする広報活動を行い、家庭用「味の素®」の売上高が10年ぶりに前年を上回っています。

MSGに関する正しい情報の発信を目的に米国ニューヨーク市で開催した「World Umami Forum」でのパネルディスカッションの様子
新しい経営体制で変革を推進します

2020年度はコロナウイルスと為替変動の影響で、第1四半期終了時点では、3%減収、9%減益を予想しています。経営者として、「たられば」はNGであると思っておりますが、コロナウイルスと為替変動の影響がなければ、5%増収、7%増益の計画です。経営者としては、あくまでも数字にこだわり、様々な施策で、マイナス影響を最小限に抑え、2021年度以降の回復にコミットしてまいります。
中期経営計画を着実に実行するために、本年4月以降、CEO直轄の「事業モデル変革タスクフォース」と「全社オペレーション変革タスクフォース」を立ち上げました。さらにCIO(Chief Innovation Officer)とCXO(Chief Transformation Officer)を設置し、CDO(Chief Digital Officer)が推進するDXを取り入れて、2つの事業本部、コーポレート本部が一丸となって変革を進めています。中期経営計画のKPIであるROICを全組織で向上させると同時に、従業員エンゲージメントを高めるよう組織マネジメントの改革を実践し、企業文化の変革を目指します。

企業文化変革推進体制

左からCXO 藤江 太郎、食品事業本部長 倉島 薫、CIO 児島 宏之、CDO 福士 博司、CEO 西井 孝明、グローバルコーポレート本部長 栃尾 雅也、アミノサイエンス事業本部長 グイン ボンパス
将来世代を含めたマルチステークホルダー経営を実行します

自粛期間に、ダボス会議の1973年のマニュフェストを読み返したのですが、経営者の役割として、「将来世代が生きる現実世界の預託者としての役割を想定しなければならない」「有形・無形の資源を最大限効果的に活用しなければならない」「経営と技術に関する知識の地平を常に拡げなければならない」等が記載されていて、改めて、先人たちの知恵と想いに共感しました。それがあまりにも素晴らしかったので、共有させてください。まさに、マルチステークホルダー主義であり、味の素グループが目指すべきASVの姿です。

「食と健康の課題解決企業」という目指す姿の実現に向けて、コロナウイルス感染拡大の試練に対して、味の素グループの強みを活かした貢献を果たしていくことにコミットしてまいります。長期的で持続性のある経営施策とスピードの求められる経営改革を両立し、時価総額(株主価値)、コーポレートブランド価値(顧客価値)、従業員エンゲージメント(人財価値)のバランスのとれた企業価値向上を図りますので、ご指導、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

2020年8月

代表取締役
取締役社長
最高経営責任者