スポーツの裏側にある魅力に迫る『挑戦のそばに』。

5歳からゴルフを初めた菅沼菜々選手は、2017年に「日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子15歳~17歳の部」優勝。翌年プロテストに一発合格し、18歳でプロゴルファーとなりました。そして昨年2023年8月には、プロ6年目で涙のツアー初優勝を飾ると、続く10月に2勝目を記録。期待のゴルファーのひとりとして、挙げられるようになりました。特に飛躍の年となった昨年度は、自分のパフォーマンスにも自信が芽生えた一年になりました。

優勝できた経験が自信になる

「去年は本当にすごくいい年で、 初優勝もできました。よく“2勝目の壁”と言われますが、それもすぐに達成できた。1億円プレイヤーをひとつの目標にしていたので、それが達成できてすごく嬉しかったです。オフに追い込んで練習したことが、結果につながったと個人的には感じています」

しかし、今年2024シーズンは、苦しいゴルフが続いています。成績的にも昨年に比べると、「まだまだという印象」だと菅沼選手は話します。

「オフにトレーニングで膝を少し怪我してしまって、今はもう痛みはないのですが、思うように自分のカラダを動かせなくなり、しっくり来ない状態が続いています。ただ、あまり調子が良くない中でも『去年初優勝できた』という自信があると、頑張れるなと感じています。今後は良くなると信じて、後半戦に向けてエンジン全開で頑張りたいです」

毎年、全てがうまくいくわけではありません。ただ、一歩ずつプロゴルファーとして積み重ねた経験が、彼女をより強くしています。

苦しくても笑顔で。応援してくれる方々のために

158㎝と小柄ながら、飛距離を武器とする菅沼選手。その強さの秘訣は、カラダ全体を使ったショットにあります。

「他の人よりもクラブをアップライトに上げて縦に振るので、カラダ全体を使っている分、遠心力も加わってキャリー(飛距離)が出るのかなと感じています。腕で振ってしまうとやはり距離は出ないので、下半身でクラブを振れているのが強みに繋がっているのだと思います」

もうひとつ、彼女の特徴は、プレー中でも印象的な“笑顔”。試合中、苦しい場面に多々直面するゴルフで、それは簡単なことではありません。

「本当にゴルフは“心のスポーツ”だと思っています。ミスした時にどう耐えるか、そのコントロールは今でも難しいです。気持ち的に引きずることもあるのでキャディさんと関係ない話をするとか、面白い話をするとか、世間話で気持ちを紛らわせる。ゴルフは次を打つまでに少し時間があるので、その間に切り替えるように頑張っています」

その中でも、やはり自分を支えてくれるファンの存在は、自分らしくプレーを続ける上でも、大きな勇気になっています。

「苦しい時は本当に苦しくて、それこそ今年はすごく悔しい場面や、うまくいかなくて試合から帰りたくなることもあります。でも、たくさんの方が応援に来てくださり、自分のタオルやグッズを持って応援してくれているのを見ると、彼らに少しでも良いプレーを届けたいと思える。その面では、自分の中で、ファンの方の応援はすごく支えになっています」

そう言って、自分をサポートしてくれるみなさんへの感謝の気持ちを、菅沼選手は語ってくれました。