これまでのサポートに恩返しがしたい

現役時代、2003年から2005年までH.C.栃木日光アイスバックスに所属し、2014-2015シーズンに9年ぶりに復帰。現役最後の1年で全日本選手権優勝を達成し、その後2015年からマネージャーを担当している清川和彦氏。チームのキャッチコピーである「HARD WORK,EVERY DAY」を体現する選手たちを献身的に支えています。しかし、マネージャー以外にも選手を支えている存在があると言います。
「アイスバックスはこれまで21年間、スポンサーやファンの皆様に支えられてきました。リンクで応援してもらうのはすごく嬉しいですし、愛されていると実感します。そして、チームが辛いときも支えてくれたのは、スポンサーやファンの皆様でした。私が選手としてアイスバックスに所属していた最初の頃は資金難だったのですが、その時代を経験しているので、余計にそう感じます」
ファンの温かい声援や、スポンサーによる金銭面での援助、様々なサポートが、クラブの活動を支えています。清川さんが元々マネージャーになったのも、現役時代に受けたサポートに対して「恩返しがしたい」と思ったことからでした。
そして、マネージャーとなった今、もっと大勢の人に感謝を伝えたいと言います。「今は早く優勝して、スポンサーやファンの皆様にも恩返ししたいという気持ちでいっぱいです」。その一心で、優勝を目指す選手たちを縁の下から支えています。

地域の人々に支えられながら、一緒に優勝を目指す

アイスバックスは「地域密着」を活動理念の一つとして掲げるチーム。企業に運営資金を頼らないプロのスポーツクラブとして、その理念は最も大切なものです。地域に貢献するため、各種学校訪問やスクールの開催、チャリティー活動も欠かせません。
「我々は地域の方々に支えられているので、還元していきたいです。地域密着を目指し、アイスホッケー全体を活性化できるよう、アイスバックスをもっと知ってもらうために情報発信できればと思っています。TVなどで海外の乱闘シーンが流れたりするため、もしかするとアイスホッケーを“乱暴な競技”と敬遠している人もいるかもしれません。しかし、スピード感があってゲーム性も高く、パックを持っていない選手の動きも面白い。相手の裏をかくような駆け引きがあらゆる場面で起こるので、そこを楽しんで欲しいです」と語る清川マネージャー。
アイスバックスでは、子どもたちにスポーツを通じて夢を持ってもらえるよう、より多くの小学生が試合観戦できるように“わくわく夢シート”を準備しています。地域福祉やスポーツ振興に寄与することも目的とし、協賛企業とパートナーシップを組み、無料で招待しています。それは、アイスホッケーが小さな子どもでも純粋に楽しめる競技だからこそ。その取り組みは、自分たちのチームだけに留まりません。他にもサッカー、野球、バスケットボール、自転車チームといった栃木県内に拠点を持つプロチームと連携してイベントを行い、スポーツで地域全体を盛り上げようとしています。
そして目指すのは、栃木県のみなさんから長く愛されるチームを作ること。「やはりプロチームとしては結果が重要なので、アイスバックスは再び全日本選手権、アジアリーグでの優勝を目標に掲げています。そして、100年続くクラブを作りたい。このクラブが長く存続し、今よりもよくなるための活動を、この日光で続けて行きたいと思います」。
様々な活動によって県民から愛される存在となり、地域がひとつになって優勝を達成する。それが、チームの未来に繋がっていく。それが、清川マネージャーにとっての恩返しです。