挑戦のそばに

陸上 短距離
山縣亮太
前編

陸上 短距離 山縣亮太(セイコー)

山縣亮太

失意のシーズンに差した未来への光。恐れず変化することでまた強くなる。

スポーツの舞台裏に迫る『挑戦のそばに』。今回は陸上、100mの山縣亮太選手(セイコー)。広島出身で、慶應義塾大学時代に10秒07を記録。20歳で2012ロンドンに日本代表として出場すると、以降は世界陸上などで活躍を続けます。そして2016リオでは、4x100mリレーで銀メダルを獲得。個人でも100m準決勝に進出し、10秒05のオリンピック日本記録をマークするなど、短距離界のエースのひとりとしてファンの期待を背負ってきました。2020年を前にした今年は、肺気胸や怪我などにより1年間満足に走れなかった山縣選手。失意のシーズンを経て「恐れず変化していくことが重要」と語る、彼の挑戦にスポットを当てます。

怪我は偶然ではない。乗り越えるべき課題があったということ

山縣亮太

2020年を翌年に控え、100年に一度のスプリンターが複数誕生し、盛り上がる日本陸上界。その中で6月20日、衝撃的なニュースが伝えられました。「山縣亮太が肺気胸のため日本選手権を欠場する」。日本代表選考、2019ドーハ世界陸上につながる重要な大会を、2016リオのメダリストが見送ったことは大きな波紋を呼びました。

最終的に山縣選手は、シーズン後半9月の全日本実業団陸上も右太もも違和感により欠場。この大事な一年を消化不良で終えました。山縣選手は、「すごく苦しいシーズンでした。想像できる範囲内の底まで落ちた感覚です」と振り返りつつ、それでもなお「自分の中では内面的にも進歩があった年でした」と前を向きます。

「焦りはありましたね。2020年で結果を出すために、そのステップと捉えていた2019世界陸上を踏めなかった。描いていたプランがズレてしまって不安はあります。しかし、割り切って考えると、結果が出なかったのは偶然でなく、自分が進歩するために越えなければならない課題がいくつもあったということ。それを越えれば、一番良かった時の自分より、また強くなった自分がいると思う。そこに向けて、今は頑張っています。良い意味で失敗を恐れず、挑戦者の気持ちで次にチャレンジできるのはいいこと。その点では実りのあるシーズンでした」。

ここでトラックシーズン(競技場のトラックで行う競技)はひと段落。これから短距離選手は、翌年春に向けた冬季練習に入ります。今年は、2020年日本代表選考のため導入されたポイント制を意識して、冬季も大会に出場する選手が多くなります。しかし、山縣選手は特別に海外の試合に出たりせず、自分の体を重視していく方向性です。

「怪我をしている間に筋力も落ちて体もしぼんだため、時間をかけて体を作り直す必要があります。今年は早い段階から冬季練習に入り、海外合宿を長期で行い、競技に集中していくつもりです。行うのは、“スピードを出す大元になる体を強化する”こと。僕はよく“エンジンを大きくする”と表現しますが、その軸は変えずに去年の冬に比べて少し取り組みを変えていくつもりです。怪我が最も怖いので、背中の怪我が再発したり、新しいところが痛くなったりしないよう、ケアしながらやっていきたいと思っています」。

意識が変わったのはトレーニングとコンディショニング

失意のシーズンの中で、自分なりに前進した部分。それは、「新しいトレーニングを始めたことや、体のコンディショニングに向き合うこと」だったと言います。

山縣亮太

「軽視していたわけではないですが、セルフケアが本当に大切だと、年齢のせいか感じました。休養も、ただ休むだけでは抜けない疲労がある。だから様々な手法を使って、できるだけ深くに刺激を届かせるんです。手法はマッサージなど様々ですが、筋肉の奥をほぐす作業をセルフで行う。それが大事だと思いました」。

もうひとつ、大きな取り組みとして変えたのは栄養管理。「栄養に対する取り組みは、これまでよりシビアにやっていますね。俗に言うPFCバランス(※1)がありますが、脂質を摂りすぎないように、どうやってタンパク質や糖質を摂るか考えてメニューは決めています」。

コンディショニングの重要性を再認識した山縣選手。その点では、「アミノバイタル」も彼にとって「欠かせない存在」です。

「練習前に『アミノバイタル® プロ』を飲んで、練習中には『アミノバイタル®パーフェクトエネルギー®』ゼリードリンクを、練習後には、『アミノバイタル® GOLD』と『アミノバイタル®アミノプロテイン』を摂ります。また、『アミノバイタル®ゼリードリンク マルチエネルギー®』も糖質として補給します。ご飯だったらゴールデンタイムを逃す時もありますが、手軽に摂れるのがいいですね。簡単に30分以内で飲めるのは、すごくありがたいです」

様々な要素が必要となる、短距離選手の体作り。瞬発系と言っても持続性が求められ、スピード練習、スピード持久のトレーニングも必要です。短い時間で最高のパフォーマンスを発揮するために、完璧な準備をする。山縣選手の高いコンディショニングへの意識は、彼をまた一段階上の選手に導いてくれるはずです。

山縣亮太

※1…摂取カロリー三大栄養素の比率のこと。目標量として大まかに、P=たんぱく質:13~20%、F=脂質:20~30%、C=炭水化物:50~65%と言われる。

2019年12月

  • twitter
  • facebook