煮干しは頭と腹ワタを取る
昔からクッスは婚礼や還暦、一歳の誕生日などの儀式に多く使われてきました。
おめでたい儀式に使われるので、自然と「ジャンチ(お祝い)クッス」と呼ばれるようになったのです。肉を使ったスープにさまざまな具を入れる「ジャンチクッス」は、儀式の時だけ食べることのできる貴重なごちそうでしたが、今ではクッスと言ったら一番はじめに思い浮かべるほどポピュラーな料理になりました。
スープとして使われる肉汁も次第に淡白になってきて、今では煮干しでだしをとったスープを使うのが普通です。この煮干しだしのスープは、韓国の麺料理において最も人気のあるスープのひとつ。薄くのばした生地を太目に切り、野菜と一緒に煮て食べる「カルクッス」も、生地をちぎりながら沸騰しているスープに入れて作る「スジェビ(韓国風すいとん)」も、主にこの煮干しだしを使います。基本の煮干しだしに玉ねぎやねぎ、大根などの野菜を入れたり、桜えびや貝を加えるなど、それぞれの家庭によってレシピは少しずつ異なります。
煮干しで上手にだしをとるには、質の良い煮干しを選ばなければなりません。形や大きさが揃って光沢のあるものを選ぶのがポイント。頭と腹ワタを取り除くと、イヤな苦味がなくなります。静かに煮立てて火を止め、きれいな布でこせば、おいしいだしがひけます。