支援報告第5弾 皆さまからの支援金で村の直売所を支援


食からの東北復興支援を目的とした“食卓からニッポンを元気に「食べるって楽しい!」プロジェクト”。その第5弾として、 総額900万円をNPO法人農商工連携サポートセンターを通じて、岩手県野田村の「スマイル直売所友の会」に寄付しました。

山と海に囲まれた岩手県野田村。その街中に店を構えるのが「スマイル直売所」です。直売所の人気商品は、1日20食を売り上げるお弁当。野田村のお母さんたちが、心をこめて作ったヘルシーな料理がたっぷり詰まっています。
今回 “食卓からニッポンを元気に「食べるって楽しい!」プロジェクト”では、このお弁当が作られている加工場の整備をお手伝いしました。

「スマイル直売所友の会」が発足したのは、東日本大震災の半年前。スーパーなどの商店が近くにない村民に、食料品が買える場所を作ろうと直営所をオープンしました。けれども、震災による津波によって、できたばかりの直売所は浸水。始動目前だったお弁当の販売も、加工場が被災したため休止を余儀なくされました。「また食料を売ってほしい」という声に後押しされ、直売所が再開されたのは2011年の5月。離れた場所に建物を借りて、お弁当の製造もスタートしたものの復興関連の工事のためにその建物も立ち退かなければならないことに。

そこで、“食卓からニッポンを元気に「食べるって楽しい!」プロジェクト”では、JA新いわて野田支所とともに、新たな加工場の整備をお手伝いしました。


支援によって整備された加工場(下)。

「おかげさまで、作業効率も良くなり、月曜から土曜までの週6日で、100食以上を売り上げられるようになりました」と話すのは、友の会副会長の山田陽子さん。売り上げが伸びたことで、これまでボランティアで手伝っていた会員にも給料を支払える見通しも立ってきたとのこと。「この直売所で、6人の雇用を生むことができるようになりました。給料がもらえたら孫に小遣いをやれる、と皆喜んでいます」と笑顔を見せる山田さん。直売所の運営やお弁当作りが、お母さんたちの生きがいにつながっているのです。

お弁当のおかずは、ほとんどすべてが野田村産。「野菜も米も魚介も果物も、なんでも地元で揃うんです。とれないのは、柑橘類くらいですね」と調理担当の野崎さん。お弁当の食材は地元の農家や漁師から購入するため、地域に良い循環も生まれています。

今取り組んでいるのは、郷土食の加工・販売です。その第一弾として、2014年9月から「だんご」の販売をスタートしました。野田村の「だんご」とは、小麦粉や米粉を練った皮であんこなどを包み、蒸したもの。野田村では昔から、冠婚葬祭などの際に食べられてきました。「昔からこの地域にある食文化を大切にしてきたいと考えています。今後はジャガイモを寒ざらしにした『凍み芋』や、名物の豆腐、おからなどを使って新メニューを考えていきたいです」

今後も、“食卓からニッポンを元気に「食べるって楽しい!」”プロジェクトでは、「食」を通じて継続的に東北の復興を支援していきます。


「スマイル直売所友の会」のお弁当は、“オール野田村産”が自慢。具だくさんのお味噌汁付きです(上)。野田村民のソウルフード「だんご」(下)が生産されています。

みなさまのあたたかいご協力、ありがとうございました。

支援先

スマイル直売所友の会

スマイル直売所友の会
移動の足がない住民も近くで買い物できるようにと、JA新いわて野田支所の女性部メンバーによって設立された団体。現在会員は40名ほど。
直売所では、地元で採れた新鮮な食材が買えるほか、毎日日替わりで販売するお弁当やお惣菜が人気。震災後は販売所の運営のほか、仮設住宅や復興公営住宅、単身高齢者世帯への移動販売サービスもスタート。