コーンレンジャーとは
カップスープの原料となるスーパースイートコーンは、北海道と北米の契約農家によって育てられています。
畑のようすをつぶさに見守るのは、コーンレンジャーと呼ばれるコーンの番人。
コーンのおいしい時期を見逃さないために、気候や温度変化などのさまざまな角度から徹底した管理を行っています。


●種まきは時間差で計画的に。

コーンのおいしさのピークは短く、収穫すると急速に甘さが減ります。
そのため、おいしい時期に収穫したコーンを24時間以内に工場でパウダーにできるよう、畑ごとに種をまく日を変え、計画的に栽培します。
●深すぎず、浅すぎず、理想は3cm。

種は専用の播種機を使い、2~3畝を同時にまいていきます。
種が土の中に深く埋まりすぎていても、その逆に浅すぎていてもよくないので、3cm程度の深さにまくのが理想。
10日~13日後に芽が出ます。


●除草作業は必要最小限、記録もしっかり。

降雨などの影響で計画していた時期に除草剤がまけなかった場合は、手作業で一本一本抜くことも。
除草剤の使用状況などは契約農家さんたちが栽培管理表に記録し、製品での残留農薬検査もしっかりおこないます。
発芽後の相棒は「メジャー」です。
まいた種の半分ほどが発芽したら、コーンレンジャーによる生育調査がスタート。
メジャーを手にすべての畑で株間の距離を測り、発芽率を調べることで、生産量を予測します。この調査には1カ月以上もかかるんですよ。

●どの実もちゃんとおいしく育てたいから。

生育のよすぎるものと悪すぎるものを手で抜き取って、間引きします。
草丈をそろえると、日当たりが一定になり、生育のばらつきが減るので、どのコーンもおいしく育つことにつながります。
コーンが大きく育つと、コーンレンジャーはしぼみます!
種まきから収穫までのほぼ毎日、コーンレンジャーは広大な畑の中を動き回り、コーンのようすをチェックします。冬の間に増えた体重が4-5kg減るコーンレンジャーがほとんど。運動量のすごさに自分でもびっくりします。

●コーンの花粉は、ひげがキャッチ。

茎の先から雄穂が出ると、茎の中間あたりの雌穂から髪の毛のような細い絹糸が出ます。この「ひげ」に、雄穂から舞った花粉が付いたら、受粉。
ちなみに、コーンの粒の数だけ絹糸が生えています。
風の影響を受けやすい地域では、雄穂の部分を刈り取る「トッピング」を受粉後に行います。
緻密な計測も、コーンレンジャーの仕事です。
雄穂が出た日を基準に、雌穂が出る日を算出。それをもとに収穫日を決定します。
収穫前にはコーンの水分や糖分を計測。おいしさの基準を満たしているかを社内会議で必ず検討するほど、味にはこだわっているんですよ。その後、収穫日に合わせて工場の生産体制を整えます。



●時間ニモ負ケズ、台風ニモ負ケズ。

最もおいしいタイミングを見極め、専用のハーベスターという機械で実を刈り取り、24時間以内に工場でパウダーにします。ただし、収穫期は台風のシーズン。コーンが倒れると、刈り取りに通常の何倍も時間がかかり、朝まで作業することもあります。
クマにも負けられません!
甘くておいしいコーンは、動物にとっても垂涎の的。クマ、鳥、鹿などに狙われることも多く、契約農家さんが独自の工夫で防いでいます。
「クマが出没しているから早く収穫して!」と契約農家さんから連絡をいただくこともあるんですよ。

●収穫した後も、畑の栄養に。

収穫時期が最も遅い晩生品種も、通常は9月いっぱいで収穫を終えます。
収穫後すぐに地上に残った茎を農家さんが機械で砕き、葉と一緒に畑にすきこみ、緑肥として土に戻します。
次の年もおいしいコーンを育てるために・・・。
コーンレンジャーの冬の一大業務といえば、次年度の作付計画。品種・種をまく日・地域の温度・霜が降りる時期などを考慮してシミュレーションします。
こんなにたくさんの要素に着目するのは、猛暑でも冷夏でもちゃんと収穫できるように備えるためなんです。

北海道のコーン畑の一年のようす、いかがでしたか?
「甘さたっぷりのコーンを収穫して、とびきりおいしいカップスープをお届けしたい」というのが、私たちコーンレンジャーの願い。
契約農家さんに負けないくらい畑のすみずみまでチェックしていますし、朝起きるとまず天気を確認して「今日は予定通りに畑をまわれるか」と考えます。
そんな想いで見守ったコーンを収穫したときの感慨はひとしお。私や家族もカップスープを毎日のように味わっています。
一番おいしい時期にとれたコーンを、あなたもぜひご賞味ください!
寒すぎると、種まきが遅れてしまいます。
コーンの発芽には、温度・水分・酸素のそれぞれの条件がバランスよく整っていることが必要です。
北海道では種をまく5月に雪が降ることもあるので、天候や土の状態に注意しながら種をまく時期を決めます。