社会とともに歩む味の素グループの取り組み

Along with society

ベトナム:人権尊重の取り組み

コーヒー豆調達における人権デュー・ディリジェンス

味の素グループの重要原材料の一つにコーヒー豆があります。コーヒーは身近な飲み物ですが、そのサプライチェーン上においては、気候変動による原料豆の収穫量減少の問題や、収穫・出荷時などに人手を介する多くの作業を必要とすることから、働く人々の人権が侵害されるリスクが存在しています。

サプライチェーンにおける人権侵害のリスク

味の素グループでは、味の素AGF社が日本国内でコーヒー製品を製造・販売しており、主要な原料調達国の一つにベトナムがあります。
事前のデスクトップ調査によって、ベトナムのコーヒー豆サプライチェーン上に「児童労働」「差別」「労働安全衛生」などの人権侵害リスクがあることが判明していました。これを受けて、国際基準に基づく人権デュー・ディリジェンスの一環として、2023年4月に渡航し、サプライチェーン上のステークホルダー(農家、輸出業者など)との対話を通じた点検を実施しました。その結果、いくつかの改善すべき点が見つかったため、2024年9月に再度渡航し、人権リスクの軽減・予防を目的としたフォローアップを行いました。

ステークホルダーとの対話を通じた点検・フォローアップを実施

味の素グループが、人権デュー・ディリジェンスを推進する上で重視しているのが対話です。2023年の点検においては「児童労働」や「強制労働」等の明らかに重篤な人権侵害は見当たらなかったものの、同行した人権専門家(NGO)より、農家と収穫を担う短期労働者の間で交わされる契約が文書ではなく口頭である点や、輸出業者の倉庫内における作業フロー・作業装備に関する労働安全衛生上のリスクが指摘されました。
このため、リスク軽減・予防策の検討を進め、翌2024年に輸入業者や現地の輸出業者と共に、コーヒー豆農家向けに人権に関するレクチャーを実施しました。その中で、味の素AGF社の製品を紹介し、ベトナムのコーヒー豆が日本で長く愛されていることや、味の素グループの持続可能な調達に対する想いを農家の皆さんに伝えました。また、現地の輸出業者にも訪問し、味の素グループのポリシーや労働安全衛生の重要性を伝え、意見交換を行いました。

各ステークホルダーとの対話の様子

2023年 コーヒー豆農家
2023年 仲買人兼コーヒー豆農家
2024年 ベトナムコーヒー豆使用の製品を紹介
2024年 現地輸出業者

報告書の開示と共に、国際スタンダードを踏まえた対話を継続

2023年の人権リスク確認と点検については、ASSCが2023年に作成した報告書に詳しく記載されています。

当社グループでは今後も、国際スタンダードを踏まえ、現地サプライヤーとの対話を積極的に行い、人権侵害リスクを低減する努力を続け、より良いサプライチェーンの構築に尽力していきたいと思います。