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従業員と会社の成長を目指す「味の素テクノロジカル・ユニバーシティ」

会社のDXを加速させる、DX技術の習得

味の素グループは、ASV経営の進化に向けた手段の一つとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。マーケティングや全社のオペレーション、従業員の働き方改革などさまざまな面でデジタル活用が進んでいますが、それらを効率的に運用し、成果へと結びつけるためには、従業員一人ひとりがデジタル時代の思考やノウハウを理解し、実務に活かせるスキルを身につけることが重要です。そのような背景から2023年7月にブラジル味の素社がスタートさせたのが、Universidade Tecnológica Ajinomoto(味の素テクノロジカル・ユニバーシティ:UTA)です。
UTAは、会社の戦略的なニーズと従業員一人ひとりの成長の両方を満たすことを目的として設立されました。従業員がDX技術を習得し、データに基づいて戦略的に意思決定を行えるようになれば、ブラジル味の素社のDXはますます加速すると考えています。また、デジタル化のカルチャーを醸成することでイノベーションを奨励し成功へと導く環境を整えること、従業員がスキルや知識を継続的に向上させる機会を提供すること、デジタル世界で活躍するためのツールやマインドセットを従業員に与えて将来の課題に備えることも目指しています。
従業員の自発的な学びを促す二つのコース
具体的なカリキュラムは、Cultural courses(文化コース)とTechnical courses(技術コース)の二つから成ります。
文化コースでは、ブラジル味の素社の文化や戦略について理解を深め、従業員一人ひとりの目的と組織の成長・発展の方向性を一致させる方法を学びます。柔軟性を持って、変化に素早く対応するアジャイル手法を活用し、コミュニケーション能力や自律性、問題解決能力を高め、日々の効率を高めることを目指します。また、デジタル時代におけるリーダーの役割について理解を深め、効果的なマネジメントの実践を通じて組織を成功に導く道筋を探っていきます。
技術コースでは、ブラジル味の素社で使用されているツールに関する知識を共有し、従業員とDX技術の習得を目指します。複雑な問題を構造的かつ効率的に解決するための方法論を学び、日常業務のアジリティを高めることも目指します。さらに、ツールを用いたデータ分析やプロセスシミュレーションを学ぶことで、生産工程の効果的な分析および最適化にもつなげていきます。
各コースの授業では、アクティブ・ラーニングやストーリーテリングの手法を用いています。また、授業中にインタラクティブなゲームやデジタルツールを取り入れることで学習意欲や内容の定着度の向上を図っています。こうした取り組みによって、従業員が自ら積極的に学び、内容を吸収し、連携する能力を高められるように配慮しています。

授業風景


プロジェクトのポスターセッションの様子
修了生は、継続的に変革を生み出せる人財として成長
2024年7月に1年間のパイロットプログラムが終了しました。25名の従業員が延べ2,688時間にわたって参加し、満足度は94%となりました。参加者は、UTAの一員であることに誇りを持っています。
生産計画管理部門の従業員であるモラエスさんによると、「UTAでの学びは、私の学習と仕事の満足度を豊かにしただけでなく、さまざまな部門やグループの同僚とつながる貴重な機会を生み出し、専門職間の関係をさらに強化しました」と述べています。 ラランジャルパウリスタ工場生産部門のコンセイサオンさんは、自身の経験を共有し、「UTAで過ごした時間は本当に忘れられないものであり、信じられないほどの名誉でした。私は素晴らしい友情を築き、貴重な知識を得て、UTAスタッフの揺るぎない献身を目の当たりにする機会を得ました。この旅はすでに私のプロとしてのキャリアに大きな影響を与えており、それはこれから起こる多くの素晴らしいことの始まりに過ぎないことを知っています。このような機会をいただけたことに深く感謝しています」とコメントしています。

UTAの受講生としての功績を認められ記念のメダルを授与された
コースの最後には、受講生はそれぞれの分野で実践的なプロジェクトに取り組みます。 受講生の上司によると、UTAで開発されたスキルは、プロジェクトを加速し、それぞれの分野のパフォーマンスを向上させる上で重要な役割を果ています。さらに、社内でASVを推進することに対する従業員のモチベーションやエンゲージメントが向上しています。
ブラジル味の素社では、今後もUTAの活動を拡大し、人財への投資や社会変革の推進を行い、従業員がASVを実現する能力を身につけられるようにしていきます。 2025年度では、特にアミノ酸生産プロセスとコンフリクトマネジメントに焦点を当てた新しいコースを導入します。さらに、今後数年間で、人工知能、アプリケーション開発、イノベーションなどのコースを提供する予定です。

講師のスピーチ


修了証の授与