サステナビリティ担当役員メッセージ
ネガティブインパクトの削減とポジティブインパクトの創出
~持続可能な成長に向けて~
味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」ことを志(パーパス)として、ASV経営の根幹にサステナビリティを位置付けています。2030年へのロードマップでは、当社グループにとって重要な事項(マテリアリティ)である6つの重要テーマに沿って、取り組みを進めています。
2030年まで3年余りとなった今、Post2030も見据えて、事業活動を通じ、ネガティブインパクトを着実に削減するだけでなく、強みであるアミノサイエンス®を活かし、多様なステークホルダーと共に、社会へポジティブなインパクトを創出する技術やノウハウ、製品やサービスを展開します。これらのアプローチを通じて、事業基盤のレジリエンス向上と成長機会の創出を両立させ、健全な社会の繁栄、健康でより豊かな暮らしの実現と企業価値の持続的な向上に取り組んでいきます。
課題をシステムで捉え、グローバル・ローカルで協働する
2025年も世界各地で極端な気象、山火事等の災害がありました。科学者によれば、海洋や森林がCO2や熱を吸収し地球全体のバッファーとなる機能に大きな変化が起きている可能性があり、社会全体で自然の維持・回復に取り組む必要が指摘されています。
豊かな地球環境と健全な社会を次世代に受け継ぐことは私たちの責務であり、持続可能な事業活動にとって不可欠です。気候変動、生物多様性、サーキュラーエコノミー(循環経済)、栄養バランスのとれた食生活、人権等、様々な課題は相互につながっており、同時に取り組んでいくことが必要です。当社グループはグローバルに培ってきた科学技術やローカルの文化・習慣に謙虚に学ぶ事業を展開してきた強みを活かし、科学者、政策決定者、ビジネスリーダー等のグローバル・ローカルのステークホルダーと協働することで、事業を通じてより大きなポジティブインパクトを創出することを目指しています。
アグリフードシステムの変革を目指して
味の素グループの事業は、健全なアグリフードシステム、すなわち食資源を生み出し消費する社会システムと、それを支える豊かな地球環境の上に成り立っています。このシステムは今、地球環境の変化に直面していると同時に、自然資本の損失にも大きく関与しています。一方で世界では、食料の3分の1が廃棄され、28億人が健康的な食へのアクセスを持ちません。不健康な食生活に起因する「隠れたコスト」は、世界のGDPの1割に及ぶと報告されています。
このようにアグリフードシステムには変革すべきことが多く、ビジネスや雇用の多様な機会があります。特に、環境変化への適応、そして気候の安定化に向けた自然資本の回復は喫緊のテーマであり、アミノ酸は全ての生物に不可欠な構成要素であることから、その科学はこれらの課題解決に広く貢献し得るものです。
当社グループは発酵副産物を肥料・飼料とするバイオサイクルに長年取り組み、栄養素を循環させることで農畜産物の生産を支援し、地域環境や農家の生活向上に尽力してきました。近年はこれらの活動をもとに、農畜産業の変革に貢献する事業を展開しています。また、世界各地の食文化やおいしさに妥協することなく、栄養バランスの良い食生活の実現、フードロス削減、食や予防・治療を通じたWell-beingの向上に継続的に取り組んでいます。
2025年は国連食料システムサミット、EAT Forumや気候変動に関するCOP30等で、同じ志を持つ企業、金融機関や国際機関の皆様と対話の機会を多く持たせていただき、実装やスケールアップに向けて協働を進めることの重要性を私自身、強く実感しております。
これからも、アミノサイエンス®をベースとして有形・無形の資産を活用しながら、志を共にするステークホルダー、パートナーの皆様と一緒に、課題解決に取り組んでまいります。
2026年8月
執行役
サステナビリティ担当
小野 郁