人権 これまでの取り組み
(1)2018年度人権リスク評価/人権影響評価
①2018年度人権リスク評価
Verisk Maplecroft社人権リスクデータベースを用い、外部有識者であるCRT日本委員会の助言を得ながら人権テーマの特定と分析を実施しました。味の素グループの食品事業において、高リスクな国・地域産業を抽出したところ、タイ(水産加工・鶏肉産業)およびブラジル(コーヒー豆・サトウキビ糖蜜)が特定されました。
高リスク項目としては労働安全衛生・児童労働・強制労働等が抽出されました。
2018年度人権リスク評価の結果報告書(CRT日本員会)

②人権影響評価(ライツホルダーとの直接対話)
- タイにおける人権影響評価(2019年)
水産加工・鶏肉産業を中心に味の素グループのバリューチェーンに関わる製造工場や養殖場等への訪問調査、および、国際NGO や国家人権委員会、また、水産業や家禽産業の業界団体、移民労働者等に対する対話、インタビュー調査を実施。
〈結果概要〉
タイ国内の法制度は整備されており、鶏肉産業においては効果的な苦情処理メカニズムが機能していることが明らかとなりました。これらの好事例を味の素グループが展開する他事業・他地域へ展開すべく、取り組みを推進していきます。


- ブラジルにおける人権影響評価(2021~2022年)
サトウキビ・コーヒー豆産業を中心に味の素グループのバリューチェーンに関わる製造工場や農家、国際NGO や国家人権機関、業界団体等に対する対話、インタビュー調査を実施。(Covid-19の影響によりオンライン形式にて実施)
〈結果概要〉
当社グループの調達地域は機械化が進んでおり、人権リスクは高くないことが明らかとなりました。一方、ブラジル国内の法制度は整備されているものの、具体的な救済メカニズムは不十分であることが示唆されました。今後、この地域における救済メカニズムの構築に向けて検討を進めていきます。

(2) 2022年国別人権リスク評価
2022年人権リスク評価の進め方

味の素グループでは4年ごとに国別人権リスク評価を実施しています。2022年の評価では味の素グループの食品事業展開国における人権課題の分析と抽出を行いました。外部の人権専門家(CRT 日本委員会)と協働し、Verisk Maplecroft 社の人権リスクデータをベースに、原材料購入額および売上高に基づいた分析を行いました。さらに人権・環境におけるNGO・NPOの視点を踏まえ、自社のバリューチェーンに沿った形で、グローバルな人権の観点で高リスクな国・地域・産業の抽出を実施しました。
その結果、高リスクな国・地域としては東南アジア・ブラジル、高リスク項目※1としては特に労働安全衛生・児童労働・現代奴隷(強制労働)・差別等が抽出されました。さらに、味の素グループにおける重点原材料※2別の評価を実施し、下表に示すリスクが抽出されました。
※1 評価対象としたリスク;児童労働、適正賃金、適正な労働時間、差別、結社の自由、現代奴隷、労働安全衛生、土地争奪
※2 人権に関しては「味の素グループにおける重点原材料」のうち下記5原料を優先してリスク評価を実施した。(「重点原材料」の特定についてはサステナビリティレポート2023 P79を参照)
2022年人権リスク評価結果(概要)
対象原料 | コーヒー豆 | サトウキビ糖蜜 | 大豆 | エビ | パーム油 |
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優先課題 |
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対象国 |
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