CEOメッセージ
味の素グループは、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」という志(パーパス)のもと、事業を通じて社会価値と経済価値を共創するASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)経営を推進しております。サステナビリティを事業戦略と一体で捉え、社会課題の解決を通じて経済価値を生み出すことで、持続的な事業成長と企業価値の向上につなげていきます。
原料調達の約7割を農畜水産物に依存する味の素グループにおいて、気候変動、水資源、生物多様性といった農業・畜産をめぐる構造的課題は、事業基盤と直結しております。農畜産物の生産を含むアグリフードシステムは、世界の温室効果ガス排出量の2割超を占めるとともに、淡水使用の約7割、平地利用の約半分を要する分野であるためです。気候変動が顕在化し経済への影響が一段と明確になる中、世界情勢の変化によりサプライチェーン分断のリスクも高まっています。安定した食料生産の維持と、環境・社会への負荷最小化を両立することがグローバルに求められており、私たちにとって持続可能なアグリフードシステムの構築は、環境リスクへの対応にとどまらず、事業の持続性と成長を左右する本質的な経営課題です。イノベーションを通じてアグリフードシステムのレジリエンスを高めることができれば、バリューチェーン全体で大きな社会的インパクトと経済価値を創出できると考え、この変革に取り組んでいます。
また、こうした変革を実現するためには、社会課題の解決に資するイノベーティブなソリューションに加え、それを社会実装するための資金とエコシステムが不可欠です。2025年11月、私はブラジル・ベレンで開催されたCOP30に参加し、農業分野における気候資金の拡大や共創の重要性を国際社会に発信しました。私たちは、アミノサイエンス®を基盤とした実装可能なソリューションを有しており、その一つである牛用リジン製剤「AjiPro®-L」は、牛一頭当たり年間約1トンの温室効果ガス削減に貢献します。こうしたアミノサイエンス®を起点に、行政や金融機関、民間企業との連携を通して、サステナブルファイナンスを含む枠組みづくり等を進めています。これらの取り組みを基盤に、2026年も国連グローバル・コンパクトに参加し、グローバルでの価値創造を加速させていきます。
私は、アミノサイエンス®という当社独自の強みを磨き続け、社会課題の解決を成長の源泉へと変えていくことが、味の素グループの使命であり、競争力を高める道だと考えています。社会へのポジティブなインパクトを経済価値へとつなげ、企業価値の持続的・飛躍的な向上に挑戦し続けます。
2026年8月
取締役
代表執行役社長
最高経営責任者
中村 茂雄