PRESS RELEASE

味の素㈱、「100年健脳手帳®」の認知機能キープスコアと
将来の認知機能低下の関連性を解明

~(国研)国立長寿医療研究センターとの共同研究成果~

 味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)はこの度、(国研)国立長寿医療研究センター(理事長:荒井 秀典 所在地:愛知県大府市 以下国立長寿医療研究センター)との共同研究成果を活用した認知機能維持サポートアプリ「100年健脳手帳®」で実用化している認知機能キープスコアと将来の認知機能低下との関連性を明らかにしました。これにより、「100年健脳手帳®」による認知機能低下リスク低減の可能性が示されたことになります。

 「100年健脳手帳®」はユーザーの食事、運動、睡眠データを分析し、認知機能キープスコアとして数値化する機能を有しています。またデータの内容に応じて、認知機能維持のサポートに役立つ生活習慣改善のアドバイスやレシピ提案を受けることもできます。国立長寿医療研究センターとの共同研究の結果、この認知機能キープスコアと将来の認知機能の低下に関連性があることが認められ、研究成果の詳細が2023年1月13日~15日に国立京都国際会館で行われた第26回日本病態栄養学会年次学術集会において発表されました。

 「100年健脳手帳®」のユーザーを対象に行ったアンケートやインタビューで、改善の要望が特に強かったのは、維持すべき認知機能キープスコアの提示でした。現在のアプリは「1日3食の食事記録」に基づく認知機能キープスコアは評価できているものの、将来の認知機能低下リスクの低減にはどの程度のスコアを維持し続けるべきか、という指標はありませんでした。こうした背景から、スコアと認知機能低下の関連性の解明をテーマに、2022年2月より国立長寿医療研究センターとの共同研究に取り組んできました。

 この共同研究では、まず研究参加者が摂取した食事の栄養素データを元に認知機能キープスコアを算出し、その参加者の将来的な(8年後の)認知機能への変化を神経心理検査(認知機能検査)※1,2を用いて評価しました。この結果、「100年健脳手帳®」が算出するスコアが60点以上の食事を摂り続けることで、将来の認知機能低下リスクが低減する可能性が示されました。これらの研究結果に基づき、今後「100年健脳手帳®」で維持すべきスコアの基準が表示されます。

 当社は2020-2025中期経営計画において「食と健康の課題解決企業」を掲げており、この実現に向けて「アミノ酸のはたらきで、世界の健康寿命を延ばすことに貢献」することを目指しています。今後は「100年健脳手帳®」を通じて、生活習慣に不安を覚える方々に向け、よりパーソナルなソリューションを提案し、健康で快適な生活の実現に貢献していきます。

※1) Mini-Mental State Examination(MMSE):時間の見当識、場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の計11項目から構成される30点満点の認知機能検査。しばしば認知機能低下のスクリーニング検査として用いられる。
※2) Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised-Short Form 改訂版 ウェクスラー成人知能検査 簡易実施法(WAIS-R-SF):成人の知能(IQ)の測定を目的として開発されたWAIS-R検査の短縮版。

「100年健脳手帳®」サイト
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/rd/brainhealth/

参 考
■国立長寿医療研究センター概要
(1) 名称 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
(2) 所在地 愛知県大府市森岡町7-430
(3) 設立時期 2004年3月(国立長寿医療センター開設)
(4) 代表者 理事長 荒井 秀典
(5) 業務内容 加齢に伴う疾患の調査、研究、技術の開発、医療の提供、技術研修
(6) ホームページURL:https://www.ncgg.go.jp/index.html

2021年5月19日付プレスリリース
味の素㈱、スマートフォン用アプリ「100年健脳手帳™」を公開
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2021_05_19_01.html