味の素㈱、アイルランドのサプリメント会社を子会社化

　味の素株式会社(社長：西井孝明　本社：東京都中央区)は、連結子会社である味の素キャンブルック社(社長：Howard Lossing　本社：米国マサチューセッツ州、以下ACI社）を通じて、アイルランドのサプリメント会社Nualtra Limited(社長：Mark Lane、本社：アイルランド・リムリック県、以下ニュアルトラ社)と、2020年12月17日(現地時間)に株式売買契約を締結、当社の連結対象子会社としました。本契約により当社は伸長著しい欧州のオーラルニュートリション(経口栄養)サプリメント市場への参入を果たし、ACI社事業のさらなる拡大を実現します。

＜ニュアルトラ社オーラルニュートリション
サプリメント製品の一例＞

　2012年に設立されたニュアルトラ社は、疾患による食事制限を受けていたり、加齢により栄養欠損に陥っている高齢者向けに高エネルギー・高たんぱく医療食品の一種である、オーラルニュートリションサプリメント(以下ONS)製品を開発し、英国とアイルランドで販売しています。設立10年未満ながら、自社製品の多くが健康保険還付対象品として指定されるほど市場での信頼を獲得しており、英国、アイルランドでのONS製品を含めたメディカルフード^※事業のノウハウを蓄積しています。
※医薬品と栄養補助食品(ダイエタリーサプリメント)の中間に位置付けられる食品。

　欧州には1,000億円を超えるONS市場が存在しており、2024年まで年率5～7％で堅調に推移すると見込まれます(2019年当社調べ）。ONS製品の主なユーザー層は、疾患や加齢により栄養欠損に陥っているため、ドリンクや粉末、半固形などの形状による、身体への負荷が少なく効率のよい栄養摂取が求められていますが、従来のONS製品には味、バラエティー、価格等に関する不満の声も聞かれ、ユーザーが快適な食生活を送る上で課題となっています。

　当社は、ACI社を通じて米国市場を中心にメディカルフード事業を展開しており、食品・アミノサイエンス事業で培った「おいしさ設計技術」やアプリケーション技術、アミノ酸の生理機能に関する知見を、ニュアルトラ社のONS事業に適用することで、ONS製品の課題を解決し、ユーザーのQOL向上に貢献します。また、ACI社製品の主なユーザー層であるアミノ酸代謝異常患者は米国外にも多く、本契約によって欧州に事業拠点を持つことはACI社既存事業の拡大にも繋がります。

　当社は2020-2025年中期経営計画において、「食と健康の課題解決」を成長ドライバーとして位置づけており、「アミノ酸のはたらき」で課題解決に貢献することを掲げています。アミノ酸をベースにした研究により培った独自の先端バイオ・ファイン技術をメディカルフードの事業領域でも活かし、人々の快適な生活と健康寿命の延伸に向け、社会に新たな価値を提供しながら事業の拡大を目指します。
　なお、本件が当社の2020年度業績に与える影響は軽微です。

2017年11月9日付プレスリリース
味の素㈱、米国の医療食品会社を完全子会社化
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2017_11_09.html