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植物ステロールにはコレステロールの体内への吸収を抑制する作用があります。当社食品研究所ではこの点に着目して大豆の胚芽から搾油した食用油について研究を進めてきました(添付資料の図1参照)。 |
このたび、大豆には約2%しか存在しない胚芽を約20倍に濃縮する特許製法の開発に成功し、有効成分の植物ステロールを損なうことなく大豆胚芽油として搾油・精製する方法を開発しました。 |
その特徴として、脂肪酸組成は大豆油とほぼ同等であるが、植物ステロール量は大豆油の約5倍、トコフェロール(ビタミンE)量は大豆油の約2倍多く含まれています。 |
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【大豆胚芽油の有効性】 |
これまで血中コレステロール抑制に効果があるといわれるコーン油や米油と大豆胚芽油の有効性を動物実験で比較したところ、大豆胚芽油を摂取した場合のコレステロール上昇抑制効果は顕著で、自然な食用油の中では最も効果が優れているものと考えられました。 そこで、健常な男性ボランティアによる効能確認試験を行いました。 ボランティアには先ず鶏卵2個を3週間継続摂取してもらい、食事のコレステロールを体内に取込み易い人を30名選定しました。参加したボランティアの約2/3に血中コレステロールの上昇が認められました。比較的上昇率の高かった30名のボランティアを3つのグループに分け、1日に鶏卵2個と一緒に大豆胚芽油11gないし22gを3週間にわたって摂取してもらった結果、対照のサフラワー油を摂取した場合に比べて血中コレステロールが有意に低く維持されることが確認されました(参考資料の図2参照)。 日本人の食事では食用油として1日10〜12gを摂取しているといわれているので、通常の食用油の代わりに大豆胚芽油を日常的に用いることによってコレステロールの上昇を抑えることが実現できるものと考えられます。
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味の素株式会社では、「大豆胚芽油による血清コレステロール低下効果」に関しての研究成果を2001年6月7日(木)・8日(金)に行われる「第33回日本動脈硬化学会総会」にて発表いたしました。当社の本研究に関する成果発表は、5月に京都で行われた「第55回日本栄養・食糧学会大会」に続いてのこととなります。
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