SUMMIT

セッション7

「日本の食産業から世界へのメッセージ~栄養改善と持続可能な発展の両立のために」

東京栄養サミットにおいて発表された企業によるコミットメントを共有するとともに、農水省サイドイベントの議論を総括し、持続可能な食料システムの構築にむけたアクションプランを発表しました。
味の素社 西井が、パネリストとして参加。 「栄養コミットメント」について2つ提言しました。

イベントの様子

味の素社 西井孝明(第13代社長)

[ セッション概要と、味の素からの発言 ]

1.概要

東京栄養サミットに向けて代表的な食品企業によるコミットメントを発表。本サイドイベントの議論を総括し、農林水産省として、今後の日本の食産業の貢献と、持続可能な食料システムの構築にむけた国内外の多様なステークホルダーの連携への期待を「アクションプラン」として発表しました。

2.味の素からの発言

味の素社 西井から、味の素の栄養コミットメントを紹介するとともに2つの点について提言を行いました。

生活者の行動変容のために必要な取り組みとは

メタボと言われて3割の人が行動を起こさないのが実態だが、これまでの経験上、3つのアプローチが有効だった。

  • 地域連携(国民健康栄養調査のデータに基づいて、他府県のベンチマークによる行政の取り組み推進)
  • 栄養課題を地域の食文化と結びつけることで食習慣改善の必要を訴求
  • 地域の食材を活用したプロモーションの実施

ただし、これだけでもは変わらない人が多い。新たな取り組みとして「職場での栄養改善」「子供への適切な食育」の推進が必要であると考えている。

途上国・新興国での栄養改善、成功のポイント、スケールアップのために必要なことは

栄養改善の取り組みはローカルアダプテーションの活動であり、パートナーシップが重要。

地域の状況によって対応は異なる。発展途上にある国では、NGO、NPOの力を借りながら、長期的に国力が上がることを待つ必要がある。一方で、ベトナムでの成功事例として、同国は、国力がついてきたことで、学校給食システムの導入が実現した。一つの学校の成功モデルを起点に、教育庁・保健省が参加、日本大使館の支援も受けてスケールアップ、さらに日本栄養士会が参画し、栄養士の育成までさまざまなノウハウを提供・共有したことで、持続可能な活動に発展した。民間企業やNGOが小さく生み育て、自治体・政府の支援によって、スケールアップするという連携が必要。