健やかな成長には、「早寝早起き朝ごはん」をはじめとした規則正しい生活習慣が大切です。朝食の欠食は20代が最も多くなっていますが、朝食を抜くと疲れやすい、太りやすい、集中力が続かない、生活習慣病の引き金のひとつになっているとも指摘されています。

「朝食抜き」は疲れやすくなる?

調査結果では9割近くが朝、昼、夕の3食必ず食べることに気をつけていると回答する一方で、家族と一緒に食べる共食などの生活体験が乏しい子どももみられました。また、朝食を食べる頻度が低いほど、疲れやすさを感じることが多くなります。

「朝食摂食状況」と「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」の関係
「朝食摂食状況」と「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」の関係
独法日本スポーツ振興センター「平成22年度 児童生徒の食事状況等調査報告書」

朝食を食べて
学力・集中力アップ!

朝食は、身体活動に必要な様々な栄養素をしっかり補給し、その日1日の活動をスタートできる状態をつくります。実際、朝食を毎日食べている子どもの方が、学力調査の平均正答率や体力合計点が高い傾向にあります。

朝食の摂食と学力の関係(小学生)
朝食の摂食と学力の関係(小学生)
文部科学省「平成31年度 全国学力・学習状況調査」
朝食の摂食と体力の関係(小学生)
朝食の摂食と体力の関係(小学5年生)
スポーツ庁「令和元年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」
小学生が朝食を食べない理由
小学生が朝食を食べない理由
独法日本スポーツ振興センター「平成22年度 児童生徒の食事状況等調査報告書」
子供の朝食欠食率の推移
子供の朝食欠食率の推移

注:1)朝食を「全く食べていない」及び「あまり食べていない」の合計
2)小学6年生、中学3年生が対象
3)2011年度は、東日本大震災の影響等により、調査を実施していない。

文部科学省「平成30年 全国学力・学習状況調査」

健康な身体づくりは朝食から

男女とも、高校を卒業する18~19歳の年齢で欠食率が急増し、20代の欠食率が最も高くなっています。

朝食の欠食率
朝食の欠食率
※「欠食」とは、以下3つの場合の合計。
・食事をしなかった場合 ・錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合 ・菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみの場合
厚生労働省「平成30年 国民健康・栄養調査」

朝食の欠食は生活習慣病リスクを
高めます

朝食抜きの習慣は生活習慣病のリスクを高めることも明らかになってきました。
朝食を欠食すると、昼食・夕食を欠食した場合よりも栄養バランスが偏りやすいことが分かりました。また、肥満や脳出血など、生活習慣病のリスクを高める可能性も示されています。

生活習慣病と食習慣
生活習慣病 誘因となる食習慣
肥満 過食、脂肪の過剰、食物繊維の不足、朝食欠食、夜食
高血圧 肥満 、食塩の過剰、食物繊維・カリウム・マグネシウムの不足
高脂血症 肥満 、脂質(特に飽和脂質とコレステロール)と糖分の過剰、食物繊維の不足、朝食欠食
糖尿病 肥満 、過食、脂肪の過剰、食物繊維の不足
文部科学省「食生活学習教材」
朝食の摂取回数と脳卒中リスク
朝食の摂取回数と脳卒中リスク
性別、年齢、肥満指数、喫煙状態、余暇運動、睡眠時間、ストレス、独居、肉体労働、地域、食事内容(摂取エネルギー、アルコール、野菜、果物、魚、大豆、乳製品、ナッツ、飽和脂肪酸、食物繊維、塩)のグループごとの差が結果に影響しないように統計学的な補正を行った。
Stroke. 2016;47:477-481.