Wellbeing Through Cooking
「調理の楽しさ」「共食」は、Well-beingとどんな関係がある? 〜「Gallup World Poll 2022」調査から
味の素株式会社、米国の調査会社Gallup, Inc.(以下ギャラップ社)と連携して「調理の楽しさ」「共食」とWell-beingとの関係を示すグローバルな調査を実施し、ギャラップ社ホームページに調査レポート(英文)を発表しました。
過去7日間の間に…
- 1誰かと一緒に昼食を食べた日は何日ありましたか?
- 2誰かと一緒に夕食を食べた日は何日ありましたか?
- 3この7日間を振り返って、調理を楽しみましたか?
調査からわかったこと
調理を楽しむ人、共食が多い人はWell-beingをより強く実感
調査結果の概要
性別ごとのグローバル結果
- グローバル全体では、約6割の人が料理を楽しんでいる
- 女性は7割以上の人が料理を楽しんでいる
調理の楽しさ(地域別)
- 北アメリカ、ヨーロッパ(東ヨーロッパ除く)は料理を楽しんでいる人が7割以上
- アラブ諸国、アフリカ、アジア(東南アジア除く)は料理を楽しんでいる人が5割前後
調理の楽しみ(属性の特性・性別別)
過去7日間に調理を楽しんだ人の割合
- どの属性においても女性は7割以上の人が料理を楽しんでいる
生活評価指数(調理の楽しみ別)
- 過去7日間に調理が楽しかったと答えた人は、調理を楽しんでいない人に比べて「Well-being実感が高い」と答えた人の割合が10%高かった
調理を楽しんだ人が「Well-being実感が高い」に分類される確率は20%高まる
- 過去7日間に料理が楽しかったと答えた人は、調理を楽しまなかった、調理をしていない人に比べて、1.2倍Well-being実感が高かった。
- 世帯収入、性別、年齢層、学歴、雇用形態、配偶者の有無、都市、居住国など、個人の人口統計や生活評価に影響を与える可能性のある要因をコントロールした後でも、統計的に有意となった。
Well-being実感指数(夕食を誰かと一緒に食べた日数と性別別)
Well-being実感指数の平均スコア
- 4日以上知人と夕食をとった人の指数スコアは33.3であったのに対し、そうでない人は25.1、他人と夕食をとらない人は20.7だった
- 知人と一緒に昼食を食べる頻度と、生活評価で「Well-being実感が高い」と分類される割合の関連性も、夕食の場合と類似していた
- 過去7日間に知人と最低でも4回夕食を食べた場合、男女ともにWell-being実感指数で高いスコアを獲得する可能性が高くなった(頻度が低かった人やほかの人と夕食を食べなかった人との比較)。
孤食と共食の違い:生活評価、社会的つながりの感じ方、身体的健康に対する評価
高所得国に居住する回答者における社会生活指数と個人健康指数について「Well-being実感が低い」に分類された割合、およびグループ別の平均スコア
- ギャラップ調査で使っている生活の質に関する主要な指標に関し、高所得国において、一人で食事をするとした回答者の結果は、過去7日間に少なくとも1回誰かと食事をした回答者の結果よりも悪くなった
- 社会的なつながりに関して、高所得国において一人で食事をした回答者の数値は、知人と食事をした回答者より低くなった。前者のグループの社会生活スコアは74.8、後者のグループは平均82.5だった。
家庭における5種類の調理人の属性構成
各カテゴリーに該当する割合
- 世界の家庭調理人の5つのタイプのうち、「シェフのように料理を楽しむ人」は36%を占め、最も大きなクラスターとなっている。
生活評価(家庭調理人のタイプ別)
各クラスターでWell-being実感が高いことを示した回答者の割合
まとめ
家族や友人など、知っている人々と一緒に料理をしたり食事をしたりすることは、個人の全体的な生活の質にはほとんど影響を及ぼさない、よく知られたありふれた活動のように思えるかもしれません。 しかし、今回の調査結果はそうではないことを示唆しています。料理を楽しんだり、他の人と一緒に頻繁に食事をしたりすることは、その行為を通じて潜在的に身体だけでなく、心にも栄養を与えているのです。
対照的に、孤食では、このような有益な影響を得られないだけでなく、ネガティブな影響がある場合があります。その代表的な例が、高所得国においては、一人で食事をする人が生活評価で「Well-being実感が低い」に分類される割合は、知り合いと一緒に少なくとも一度食事を食べた回答者の約3倍となっていることです。
世界中でより多くの人が一人暮らしをするようになっています。その多くが一人で暮らすことを選択したのではなく、家族の死去や離婚など、難しい生活環境の変化の結果、一人で暮らすことになっています。これは、コミュニティのWell-beingを大切にしている政治家、コミュニティ擁護者、その他のステークホルダーが取り組むべき深刻な課題です。