マテリアリティ

味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)の特定プロセス

味の素グループでは、2050年を見据えたマクロ環境の変化を踏まえ、ASV を通じた短中長期の価値創造能力に実質的な影響を及ぼす重要な事項(マテリアリティ)を特定しています。
マテリアリティから機会・リスクを抽出し、重要度・優先度を明確にして、事業活動を展開しています。

味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)

味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)は、味の素グループが長期にわたり持続的に社会価値と経済価値を共創し続けるための重要な事項です。重要な事項(マテリアリティ)は、経営や従業員の思いや考え、社外のステークホルダーからの様々な期待等が反映されるプロセスで策定しており、事業戦略に密接に関わっています。また、志(パーパス)、そして現場での取り組みとも深くつながっています。

価値創造フレームワークが示すもの

この価値創造フレームワークでは、アミノサイエンス®の力や可能性(Scientific Possibilities)と、人・社会・地球のWell-being に貢献するストーリーの力(Story of Well being)を結び付けてこのサイクルを回すことで、サステナブルに成長していくという考え方を示しています。共創力を磨き、生活者視点をもってWell-beingを実現し、事業活動を通じて❹共創された価値を還元していきます。そしてこれらをつなぐ環は、インフィニティ(永遠)を象徴しており、からをつなげて回し続けることで、サステナブルに社会価値と経済価値を共創し続けるという意味を込めています。

味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会

当社グループは、マクロの環境変化や、発生の蓋然性(高・中・低)、影響度(高・中・低)などを総合的に勘案して、組織横断的な管理が必要なグループ全体のリスクと機会を特定しております。本年度のリスク・機会の分類と重要度は以下の通りで、「極めて重要」が10項目、「重要」が4項目でした。

総合評価 リスク・機会の分類
極めて重要 a)アミノサイエンス®、 b)気候変動、自然資本・生物多様性、資源枯渇、 c)経済安全保障、d)人的資本・人権、 e)ブランド、 f)技術革新、 g)紛争・戦争、テロ、暴動、社会不安、h)ITセキュリティ、知的財産、 i)人口動態、 j)財務・会計税務
重要 k)パンデミック、自然災害、 l)ガバナンス・コンプライアンス、 m)非財務データ活用、n)消費者嗜好・価値観

その内容を次表に示します。
当社グループではこのような経営及び事業リスクを最小化するとともに、これらを機会として活かすための様々な対応及び仕組み作りを行っておりますが、以下はすべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ない又は重要と見なされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。なお、以下の表においては、黒丸をリスク、白丸を機会として記載しております。

主要なリスクと機会 蓋然性 影響度 総合評価
分類 具体的内容
#a
アミノ
サイエンス®
  • 黒丸 アミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創にアミノサイエンス®を活用し切れずにその価値がスケールせず、事業の競争優位性や成長が鈍化するリスク
  • 白丸 味の素グループの強みであるアミノサイエンス®を活かすことにより食品事業とバイオ&ファインケミカル事業が成長する機会
極めて重要
#b
気候変動、自然資本・生物多様性、資源枯渇
  • 黒丸 一部の主要国における政策変更に伴う、化石燃料使用の拡大・再生可能エネルギー調達の難化等による脱炭素等環境取り組みが遅延するリスク
  • 黒丸 気候変動、自然資本の毀損、水不足、動物資源枯渇課題(タンパク質クライシス、家畜の伝染病等)の顕在化により地球全体のサステナビリティが確保できなくなることで、原材料の調達・生活者への食の提供が困難になるリスク
  • 黒丸 国内外で制定・厳格化が進む法規制(脱炭素、自然資本・生物多様性、包装材、水分野、グリーンウォッシュ、DSI)や、再生可能エネルギーの調達要請により、対応コストが発生・増加するリスク
  • 白丸 環境・食料課題へのホリスティック(包括的)なアプローチの一般化、他企業・機関との共創の機運の高まり、気候変動対策資金および農家支援政策の拡充により、環境負荷が低くレジリエントなアグリフードシステムの実現が容易になる機会
  • 白丸 気候変動・自然資本対応および農家との協働によるアグリフードシステムのレジリエンス強化の必要性の高まりにより、再生農業や持続可能な畜産業に資する製品・ソリューションの需要が拡大する機会
  • 白丸 渉外活動の強化によりインテリジェンス機能を強化し、規制環境に早期に対応する機会
極めて重要
#c
経済安全保障
  • 黒丸 各国は多国間の協調よりも自国の利益を優先する方向に傾き、国際的な経済連携の枠組みが弱体化。結果として、グローバリゼーションの弱体化、経済的なデカップリング(分断)が進行するリスク
  • 黒丸 経済と安全保障の分野がより密接に結びつき、同盟関係の分断、国家間の対立が深まるリスク
  • 白丸 日本政府による経済安全保障としての製造業の国内生産回帰により、国内における技術開発推進や、地産地消を通じた、地域経済活性化への貢献の機会
  • 白丸 代替原材料の検討により、より良い原材料の安定的調達に結びつく機会
  • 白丸 他国の競合企業に対して発動される輸出規制・関税措置・金融制裁により、当社の販売が拡大する機会
  • 白丸 半導体の特定重要物資としての指定により、半導体需要が増大する機会(世界的なAIの普及やサーバーの需要増大、自動運転車の広がりなどを背景として)
極めて重要
#d
人的資本・人権
  • 黒丸 厳格化の進む人権尊重に関する法令・情報開示基準への対応の遅れにより企業価値毀損につながるリスク
  • 黒丸 人権への無配慮発覚により企業価値毀損につながるリスク
  • 黒丸 労働市場における人財不足により、イノベーションや事業活動に必要な人財が確保できないリスク
  • 白丸 “多様性”と“挑戦”にフォーカスした積極的な人財投資や働き方の多様化により、人財を獲得・保持し、また従業員の生産性を向上させる機会
極めて重要
#e
ブランド
  • 黒丸 様々なステークホルダーの価値観が多様化する中で、事業活動への共感が得られず、ブランドが棄損されるリスク
  • 黒丸 MSGや甘味料に関するネガティブ情報が拡散され、コーポレートブランドが棄損されるリスク
  • 黒丸 AI技術の悪用により、フェイク情報生成・拡散が容易化、また模倣品や当社グループ企業を騙るWebサイト・SNSアカウント等が巧妙化し、ブランドが棄損されるリスク
  • 白丸 社会・地球のWell-beingに配慮した経営、サステナビリティに関する任意要請への先行対応、地域に根付く強いブランド力の活用により、サステナビリティ先進企業としての地位を維持・向上する機会
極めて重要
#f
技術革新
  • 黒丸 イノベーション(AI技術含む)への対応の遅れによる新しい価値の創造や事業機会の損失、また拙速な利活用により、法規制違反、倫理上の問題、技術の過信による誤った経営判断などが引き起こされるリスク
  • 白丸 DXによる様々な事業活動の改善、新たな事業モデルや顧客接点の創出、先端技術によるモダリティの進化の先取りなど、新たな事業やバリューチェーンを跨ぐ価値創造に繋がる機会
  • 白丸 GX(グリーン・トランスフォーメーション)が進み、サステナビリティに関する技術革新・規制緩和・市場創出および資金調達などの拡大により、農業・食料分野におけるソリューションが進展する機会
極めて重要
#g
紛争・戦争、テロ、暴動、社会不安
  • 黒丸 武力行使等により原材料調達(家畜用飼料の原料を含む)、その他物資の供給、国をまたぐ情報共有、資金移動が制限され、全社および事業戦略の浸透や開発、製造が滞るリスク
  • 黒丸 敵対国グループの企業と見なされ、著しく製品需要が落ち込むリスク
  • 黒丸 現地幹部・駐在員の安全が脅かされる又は拘束されるリスク、特定国の事業活動が妨害を受けて継続できなくなるリスク
  • 黒丸 紛争・インフレなどによる社会不安の高まり、表現・集会への弾圧強化、特定グループの差別・迫害、社会的弱者の権利の侵害により、一部の国における事業活動が困難となるリスク
  • 黒丸 インフレーション進行に起因する、原燃料コスト上昇による収益の悪化リスク
  • 黒丸 収用リスクや、戦争や紛争などの発生による財務上のカントリーリスク
極めて重要
#h
ITセキュリティ、知的財産
  • 黒丸 技術ノウハウや事業上の営業秘密が競合会社に漏洩し、技術的、事業的な競争力に影響が及ぶリスク
  • 黒丸 生成AI技術やランサムウェア攻撃のビジネス化(分業化)により、サイバー攻撃がさらに高度化し、大規模なシステム停止や個人情報・機密情報流出につながるリスク
  • 黒丸 生成AIを用いたなりすまし詐欺の被害に遭うことで、財務的な損失を被るリスク
  • 黒丸 個人情報の流出が発生して、行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク
  • 白丸 知的財産ポートフォリオの構築をはじめとする知的財産戦略の強化により、さらなる競争優位性と事業成長が後押しされる機会
  • 白丸 ITセキュリティ強化により、コミュニケーションや意思決定が効率的、スピーディーかつ安全に行われ、顧客の信用を得て取引拡大につながる機会
極めて重要
#i
人口動態
  • 黒丸 一部の主要国による開発支援の縮小等により、途上国における経済発展および市場の拡大が減速するリスク
  • 黒丸 日本・欧州における人口増加が望みにくい中、一部の途上国・エリアでの事業展開が遅れ、事業機会を逃すリスク
  • 白丸 世界人口増加や公的機関による途上国への資本の流入により健康・栄養課題の解決に資するソリューションの需要が高まる、またヘルスケアなどの市場が大きく拡大する機会
極めて重要
#j
財務・会計・税務
  • 白丸黒丸 租税制度・繰延税金資産/負債の変動による、税負担増加のリスク、あるいは税負担軽減の機会
  • 黒丸 金融危機による資金の枯渇、主に新興国における流通量低下等によるUSD等主要通貨の調達難、格付けの低下による資金調達リスク
  • 黒丸 得意先や子会社の経営環境悪化による経営破綻・減損リスク
  • 黒丸 為替・金利の急激な変動による事業収益への影響リスク(海外での事業活動の停滞、海外子会社業績の円貨への換算影響、利息費用の増加)
極めて重要
#k
パンデミック、
自然災害
  • 黒丸 パンデミックや大震災をはじめとした大規模/広域自然災害等に伴う物資の不足や人財へのダメージによりイノベーションの推進や事業活動が困難となるリスク
  • 白丸 パンデミックや自然災害以外の危機発生時にも対応可能な、オールハザード対応BCPへの進化により、レジリエントかつ柔軟な組織体制構築に結びつく機会
重要
#l
ガバナンス・コンプライアンス
  • 黒丸 コンプライアンス(宗教対応規制、動物保護規制等を含む)違反や品質・安全管理の不備等(想定しない成分の混入等)により刑事処分・行政処分を受ける、ステークホルダーの信用を失うリスク
  • 白丸 ガバナンス強化により、当社らしい安全・品質・環境マネジメント活動が継続しステークホルダーからの信頼が蓄積されることで生まれる機会
  • 白丸 従業員へのAGP浸透、ポリシーや規程類の正しい理解と実践などのガバナンス強化により、より良い企業風土が醸成され、ビジネスの持続可能性を高める機会
重要
#m
非財務データ活用
  • 黒丸 社会価値(人権リスク等)や環境価値(CO2排出量、自然資本への影響等)の評価・測定の水準(社会要請)の高まりに対応が遅れ、事業機会を逃すリスク
  • 白丸 技術革新、また指標や制度(炭素クレジット等)の確立により、非財務データの収集や定量化手法開発およびスタンダード作り・展開が後押しされ、環境・社会価値を財務価値に転換しやすくなる機会
重要
#n
消費者嗜好・価値観
  • 黒丸 消費者の社会・環境意識の高まりやパーソナライズド・ヘルスケアの志向に対応した事業、サービス、商品展開が遅れ、生活者や社会の受容性に遅れが生じて事業機会を逃すリスク
  • 白丸 消費者の価値観の変化(サステナビリティ意識の高まりやこころの豊かさの重視、推し活など)に対応することで、事業が拡大する機会
重要
味の素グループにとっての重要な事項(マテリアリティ)に関わるリスクと機会に基づく、取り組みと目標・KPI

現在の味の素グループが取り組む6つの「重要テーマ」①「持続可能な地球環境の実現」②「食を通じたウェルビーイングの実現」③「先端医療・予防への貢献」④「スマートソサエティの進化への貢献」⑤「多様な価値観・人権の尊重」⑥「経営基盤の強化」に対して、リスク・機会、対象領域、取組みおよび目標・KPIは以下になります。リスク・機会は前述の主要なリスクと機会を簡潔にまとめたものであり、リスク・機会のカッコ内のアルファベットは前述のリスクと機会の項目で該当する分類記号を示しています。

重要テーマに関わる主なリスク・機会と、対象領域、取組み、目標・KPI(リスク・機会のカッコ内のアルファベットは、前述の主要なリスクと機会の分類番号を示す)

6つの重要テーマ
黒丸リスク)/白丸機会)
対象領域 取り組み 目標・KPI
  • 持続可能な地球環境の実現
  • 白丸 気候変動・自然資本毀損・動物資源枯渇による原材料調達の困難化および関連法規制や社会要請の厳格化・緩和、また培養肉や包装材リサイクル・AIなど先端技術の活用の遅れ・拙速な導入による事業機会の損失
  • 黒丸 技術革新、規制緩和・政策支援拡大、規制への早期対応、資金流入および他企業等との共創機運高まりによる地球にやさしくレジリエントなアグリフードシステム構築の後押し、および関連製品・サービスの需要拡大
    (a,b,f)
気候変動 緩和と適応
    • 温室効果ガス排出削減
      -2030年度:スコープ1+2 50.4%削減(対2018年度)
            スコープ3  30%削減(対2018年度)
      -2050年度:ネットゼロ、電力再生可能エネルギー化100%(対2018年度)
      -飼料用アミノ酸を活用したソリューションの提供による、牛由来の温室効果ガス排出削減(政府、地方自治体、乳業・畜肉メーカーとの連携によるエコシステムの構築)
    • 持続可能な農業への貢献
      -バイオスティミュラント製品の展開拡大(肥料削減による温室効果ガス削減、環境ストレス耐性の向上、収穫物の品質向上、劣化土壌の改善)
      -バイオサイクル(循環型アミノ酸発酵サイクル)の拡大
    • 環境負荷の低い食品素材や製法で作られた食品・素材の提供と生活者の行動変容促進(培養肉や精密発酵などの技術開発、バイオマス発酵やプラントベースを用いた食品開発)
自然資本 生物多様性保全
    • TNFDの情報開示フレームワークに基づいた情報開示
      -SBTi for Natureに沿った評価・優先順位の検討
森林破壊防止
    • 森林破壊ゼロ
      -2025年:対象原材料:パーム油、大豆、牛肉、紙
水資源の保全
    • 水使用量削減
      -2040年度:15%削減(対2018年度)
持続可能な調達
    • 重要原料の持続可能な調達比率100%
      -2030年度:対象原材料:紙、パーム油、大豆、コーヒー豆、牛肉、サトウキビ
    • アニマルウェルフェア向上の推進
サーキュラーエコノミー(循環経済) 廃棄物ゼロエミッション
    • 資源化率
      -99%以上維持
プラスチック廃棄物削減
    • プラスチック廃棄物削減
      -2030年度:ゼロ化
    • 当社化成品素材を活用したパーソナルケア製品の提供による生活者の行動変容促進
フードロス削減
    • フードロス削減
      -2025年度:原料受け入れからお客様納品まで50%削減(対2018年度)
      -2050年度:製品ライフサイクル全体で50%削減(対2018年度)
      -レシピ等情報発信や地域(行政、流通等)との連携による家庭内フードロス削減への貢献
      -当社業務用(BtoB)製品を活用した、顧客におけるロス削減
  • 食を通じたウェルビーイングの実現
  • 黒丸 価値観の変化・多様化やAI等先端技術の不適切な利用がみられる中、消費者の価値観の変化への対応が遅れる、また製品・事業活動に対する理解が得られないことによる事業機会の損失・ブランドの棄損
  • 白丸 各地域の消費者の嗜好、またサステナビリティや健康への意識の高まりなどに対応した製品・サービスの提供による事業拡大、および社会・地球のWellbeingに配慮した経営によるブランドの向上
    (a,e,m,n)
健康・栄養 食を通じた健康・栄養課題の解決
    • 栄養バランスのとれた食生活への貢献(2030年度)
      -栄養バランスの良い*製品を年間21億食提供

      ※ Health Star Rating(HSR)ランク3.5以上


      -減塩した調味料により年間11億食分の減塩に貢献
      -甘味料により年間7億人の減糖に貢献
      -栄養バランスの良いメニューの提供
    • こころの豊かさへの貢献
      -調理、共食のWell-beingへの貢献の可視化(関係性の解明)と貢献度の高い製品の拡大
    • 新たな体験価値の拡大(顧客理解の深化を通じたパーソナライズ化された体験価値開発の加速)
      -2030年度:POND*顧客数(共通ID数):1,000万人(日本)
      -2030年度:年間二桁億円以上の新製品数:年間2-3製品(日本)

      ※ POND:自社で保有する全社顧客基盤

  • 先端医療・予防への貢献
  • 黒丸 医療分野の技術発展への対応が遅れる・技術適用が拙速で倫理上の問題が発生する、またアミノサイエンス®の進化や拡大が停滞したり、エコシステムや共創を活用しきれずに価値がスケールしないことによる、事業や企業価値増大の抑制
  • 白丸 継続的なモダリティの進化の先取りや、DX活用により先端医療を顧客に届けることによる新しい価値の提供
    (a,f)
治療・予防の進化
  • アミノ酸の生理機能や栄養機能を活用した製品の利用機会拡大
    -2030年度:2倍(対2020年度)
  • メディカルフード領域の強化
    -2030年度:提供数2倍(対2024年度)
  • 輸液等医薬品向けの高品質な医薬用アミノ酸の安定供給
  • 培地や先端医療素材のサービスソリューション提供型ビジネスへの進化
  • バイオ医薬品開発製造受託サービスの強化および領域拡大
  • スマートソサエティの進化への貢献
  • 黒丸 各国政府が経済安全保障の一環として半導体関連製品の貿易規制・関税・金融制裁を発動することによるバリューチェーンの混乱、および貿易摩擦相手国による関連製品の国産化による競争の激化
  • 白丸 半導体需要の増大、国内回帰が進むことによる国内の半導体関連技術の開発の進展、関税をはじめとした法的措置の発動による自社の販売機会の拡大
    (a,c)
先端半導体パッケージ 材料提供・エコシステム創出を通じた先端半導体進化
  • 半導体の進化に貢献するイノベーション創造のスピードアップと先端材料の提供拡大、半導体バリューチェーンにおける共創エコシステムの強化
  • 光電融合分野などの先端半導体分野における技術および材料の開発の実現
  • 多様な価値観・人権の尊重
  • 黒丸 人権配慮や、人権等の非財務データの評価・測定の要請への対応が遅れることによる、事業機会および企業価値の損失
  • 白丸 技術革新や指標・制度の確立によって人権等の非財務データの収集が可能になることによる長期目線かつ財務・非財務両面からの経営判断促進、および自社の環境・社会価値を活かした競争優位性に繋がる各種スタンダード作りへの関与
    (d,m)
人権 責任ある雇用
  • 国際基準に則った人権・環境デュー・ディリジェンスの着実な推進。
    -サプライチェーン上の取組み
    深掘性:国別人権リスク評価結果に基づく人権影響評価の実施、および予防・是正措置、モニタリング
    網羅性:「サプライヤー取引に関するグループポリシーガイドライン」に基づくサプライヤーの実態把握および改善に向けた伴走、モニタリング
    -グループ従業員の取組み
    グローバルイシューに関する動向ウオッチと実態把握、方針策定(責任ある採用、生活賃金など)
    グローバル方針の周知:2030年度 グループグローバル70%以上
  • 経営基盤の強化
  • 黒丸 経済安全保障を名目とした関税政策の変更、人口動態、紛争、パンデミック、大震災、人財の需給ギャップ、法規制の厳格化、ITセキュリティへの脅威等の激しい事業環境変化による経営基盤への多面的な脅威の拡大
  • 白丸 経営における無形資産の重要性が高まる中、人財の多様化と挑戦の促進による創造的活動の活発化、および知的財産やITシステムの強化、財務戦略強化による競争優位性の強化
    (a,c,d,g,h,i,j,k,l)
人的資本 人財の活用
  • ASV実現プロセスESスコア
    -80%(2025年度)⇒85%(2030年度)
  • リーダーシップ層の多様化ダイバーシティ
    -27%(2025年度)⇒30%(2030年度)
  • 女性管理職比率
    -30%(2025年度)⇒40%(2030年度)
  • 挑戦する人財の促進
    -「ASVアワード」の推進
  • 従業員のリテラシー向上
    -環境、人権、DX などのリテラシー向上施策の展開
    -2025年度:栄養教育を受けた従業員数 10万人
事業環境変化 レジリエンス強化
  • 経営インテリジェンス機能の強化による、将来からバックキャストした経営リスク・機会の検討と戦略への活用
  • グローバルな品質保証システム、戦略的知財ポートフォリオ構築
  • コンプライアンス意識向上のための継続的な施策
  • 安全衛生に関するアセスメント・監査・点検の継続実施
  • 減損や為替・金利変動リスクの極小化、柔軟な資金調達によるリスク軽減