動物実験最小化にむけての考え方

味の素グループ
改定日:2021年4月1日

味の素グループでは、食品、サプリメント、メディカルフード、医薬品の受託開発・製造(CDMO)などの幅広い事業領域における研究開発に取り組み、製品・サービスを通じた、あらゆる生き物の「健康なこころとからだ」への貢献を目指しています。
味の素グループはこれらすべてに対し、その安全性および品質を評価し、お客様に担保する責任があります。

味の素グループは可能な限り動物実験を行わずに評価を行います。また、動物実験の実施を最小限にするため、代替手段のリサーチを継続的に行い、グループ全体で代替法や新技術の導入に努めています。
味の素グループは、法規制や国・行政からの要請がある場合を除き、調味料、加工食品、冷凍食品、飲料の製品では、動物実験を実施しません。

しかしながら、法順守および科学的に安全性、効果性を担保し、あらゆる生き物の「健康なこころとからだ」への貢献のため、他の方法がない場合、やむを得ず動物実験を実施することがあります。
味の素グループが動物実験を実施するのは以下の場合のみです。

  1. 法規制や国・行政からの要請を受けた場合

  2. 社会に対して説明責任が生じた場合の、素材の安全性・品質の実証

  3. 消費者、患者、畜産動物の健康のための新規素材、新規製造法、新規解析法の研究開発

  4. 栄養状態、感覚受容機構、疾病発症メカニズムの解明

  5. 消費者、患者、畜産動物の健康のための新規素材、新規製造法の安全性確認

動物実験を実施する場合は社内に設置した動物実験倫理委員会にて審査の上、承認されたものだけが実施されます。また、国際的な科学的かつ倫理的な原則である「3R」① Replacement(動物実験に代わる方法の検討)、② Reduction(最小限の動物の使用)、③ Refinement(苦痛を最小限に留める手法の選択)の原則を遵守します。飼育管理や動物実験を行う者は、動物の生理、生態、習性などを十分に理解し、倫理教育を受けたうえで動物に接します。

味の素グループでは、動物実験を極めて重要な案件と捉えており、必要に応じて上記の考え方の見直しを行っていきます。

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動物実験最小化にむけた取り組み

味の素グループ
公開日:2024年6月24日

味の素グループは、「動物実験最小化にむけての考え方」に則り、国際的な倫理原則である「3R」を遵守して、最小化にむけた取り組みを積極的に進めています。

動物実験の代替(Replacement)では、新たな技術を独自開発することで有用性における動物実験の代替技術開発を進めています。安全性評価においても、コンピューター上で変異原性を予測する代替法の採用を進めています。今後もヒトiPS細胞を用いた有用性評価や細胞工学を用いた安全性評価など、引き続き動物実験の代替を進めていきます。

また、代替法をはじめとする「3R」の推進と普及を目的とする、一般社団法人「日本動物実験代替法学会」に2022年に加入し、連携、支援を行っています。

必要最小限の動物使用(Reduction)では、外部有識者がアドバイザーとして参加する動物実験倫理委員会が、動物実験の目的・動物数・実験方法などをチェックし、実施すべきか審議しています。また、動物実験を行う従業員は動物実験の倫理教育を毎年受講しています。

動物の苦痛の最小化(Refinement)については、飼育かごに巣の材料や遊具を入れ、動物がストレスを感じにくい環境づくりを行っています。また、採血量を最小限に留めるマイクロサンプリング技術を国立医薬品食品衛生研究所と連携して実用化し、動物の苦痛低減をしながら、同時に使用動物数の最小化も進めています。

味の素グループは、これからも「3R」を遵守し、動物実験最小化にむけた取り組みを継続的に進めてまいります。

※3R:① Replacement(動物実験に代わる方法の検討)、② Reduction(最小限の動物の使用)、③ Refinement(苦痛を最小限に留める手法の選択)からなる国際的な科学的かつ倫理的な原則