多様性(DE&I)への取り組み

味の素グループは、ダイバーシティ& インクルージョン(D&I)という考え方から、ダイバーシティ・エクイティ& インクルージョン(以下DE&I)へと進化させました。このメッセージは社長の藤江から社内広報で発信されました。

味の素グループにおけるエクイティ、すなわち公平性とは個々のニーズや状況に適した環境を会社が提供し、従業員が等しく権利や機会を受けられるようにすること定義しています。その結果、性別、年齢、国籍、障がいの有無、経験等によらず、従業員一人ひとりが互いに尊重し合い活躍する会社となり、社内外の多様な「個人」が集い、「組織」が多様な個の強みを活かして共成長し、未来に向けた継続的なイノベーションを創出し、2030ロードマップで掲げた志に歩みを着実に進めることを目指しています。

ダイバーシティの状況について、リーダーシップ層※1については2030年度までに多様性※2を持った人財の構成比30%を目指します。ジェンダーダイバーシティという観点で日本は他地域に比べて相対的に女性管理職比率が低いことから、味の素(株)では、2030年度までに取締役とライン責任者(組織長、グループ長)の女性比率をそれぞれ30%に引き上げることを目標とし、女性人財のパイプライン強化策を推進するための施策として「AjiPanna Academy(アジパンナ・アカデミー)」を実施しています。また、高度な専門性や新規事業立ち上げの知見等を有するキャリア採用者の拡大を目指しています。加えて、年代間のギャップ解消の取り組みとして、男性育休取得を男性役員が応援するメッセージの社内広報を実施。世代による子育てへの考え方を理解し、性別を問わず家事育児に関わることができる組織風土づくりもサポートしています。

AjiPanna Academy

また、2023年には「国際間異動ガイドライン」を大幅に見直し、グループ法人内の人財交流を通じた多国籍化を推進しております。2023年度は、日本から海外諸国への出向が269名、海外諸国から日本およびその他の海外諸国への国をまたぐ出向が22名です。2024年度以降より一層国際間異動を強化していきます。また、2023年度のAjiPanna Academyへの参加者は37名でした。2023年度単年度でグループ全従業員の1.0%である328名がDE&I推進活動に参加したことになります。

多様性の拡大が社会的価値の向上にも繋がっています。エンゲージメントサーベイによる「ASV実現プロセス」については、2023年度は前年度より1ポイント改善し76%となりました。この項目は、ASV実現に向けた9つのプロセスの改善を反映したものであり、経済的・社会的価値の創造による社会貢献が向上していると考えております。

※1 リーダーシップ層:執行役および事業部長や組織長、それに準ずる重要なポジション

※2 多様性:ジェンダー・国籍・所属籍等

リーダーシップ層の多様性比率
2022年6月末 2023年6月末 2024年6月末 2025年度
目標
2030年度
目標
多様性比率※3 16% 17% 21% 25% 30%
※3 リーダーシップ層のうち、多様性の因子を一つ以上保有する人数の割合
経営役員の現地化比率
2021年度実績 2022年度実績 2023年度実績
海外グループ会社役員総数 193人 200人 192人
現地役員数 112人 121人 123人
現地化比率 58% 61% 64%
女性取締役比率(味の素(株))
2022年6月末 2023年6月末 2024年6月末 2030年度目標
女性取締役比率 36% 27% 36% 30%
女性ライン責任者比率(味の素(株))
2021年度実績 2022年度実績 2023年度実績 2030年度目標
女性ライン責任者比率 11% 11% 11% 30%
女性管理職比率
2021年度 2022年度 2023年度 2030年度目標
グループ総数 27% 27% 29% 40%
日本 11% 12% 13% -
アジア 38% 38% 39% -
EMEA 33% 36% 36% -
米州 35% 35% 38% -
〈参考:味の素(株)〉※4 12%(12%) 13%(15%) 14%(18%) 30%
※4 ()内は女性初級管理職比率
年間採用者の内、キャリア採用の占める比率(味の素(株))
2021年度実績 2022年度実績 2023年度実績 2024年度計画
キャリア採用者の構成比 35% 40% 47% 50%以上