土壌調査とその対応

2003年1月15日
味の素株式会社

味の素(株)川崎事業所敷地土壌調査結果

概要(このページは概要をまとめたものです。)

昨今、工場跡地の土壌汚染や地下水汚染問題が社会問題となっています。平成15年2月15日には「土壌汚染対策法」が施行されます。味の素(株)グループにおいても、土壌汚染に関する基本方針を定め、調査を行い、管理強化を進めています。
川崎事業所につきましては、従前より土壌汚染対策を継続してきており、これまでも健康への影響はありませんでしたが、更なる管理強化の一環として、敷地全域について表土および地下水の自主調査を実施しました。その結果、敷地内の一部に環境基準または川崎市条例基準を超過する重金属が認められましたが、今回の調査結果から、現状下で汚染は敷地内に留まっており、近隣住民の皆様、敷地内就労者への健康や周辺環境への影響はないと判断しています。なお、万全を期すべく、今回異常を認めた箇所に関し早期に改善を図るとともに、今後とも管理を強化していきます。
調査結果を川崎市に報告し、近隣住民の代表者に説明を行いましたので、その内容と今後の対応についてお知らせいたします。
なお、当社グループでは行政のご指導、周辺住民の皆様のご理解、ご協力をいただいて、今後も管理強化に努めてまいります。

1.調査結果ならびに対策

1)表土について

川崎事業所敷地のほとんどは舗装されているので、舗装されていない表土部分(526地点)の重金属(水銀、鉛、砒素)分析を行いました。その結果、敷地面積の約2%に当たる表土において低レベルの基準超過がありましたが、基準を超過した表土区域について大気中濃度測定を行ったところ重金属が検出されませんでした。
従って、表土からの重金属摂取のおそれはなく、近隣の皆様、敷地内就労者や周辺環境への影響はないと判断しています。
なお、表土の水銀基準値超過の原因としては、当該事業所で昭和49年まで水銀を触媒とする苛性ソーダ製造を行っており、そこからの廃棄物由来と考えられます。
近隣の皆様への影響はないと判断していますが、万全を期すべく、今回異常を認めた箇所に関しては、川崎市と相談の上、表土層の入れ替えあるいはアスファルト等による封じ込めの対策を早期に図ります。

2)地下水について

川崎事業所敷地内29地点の地下水の内、2地点で基準超過がありました。しかし、敷地境界で汚染がないことから、地下水汚染は敷地内に留まっており、地下水を介しての敷地外への影響はないと判断しています。
なお、異常が認められた2地点周辺を詳細調査したところ、それぞれの汚染原因とみられる廃棄物の埋設や旧苛性ソーダ製造工場構築物の一部残存が確認されました。
対策として、万全を期すべく、これら廃棄物、残存構築物を除去し、土壌の入れ替えを実施します。

3)今後の管理について

今後、以下の点を実施して管理強化を図り、適宜、情報を公開します。

  • 舗装を良好に維持
  • 地下水のモニタリングポイントを今まで以上に増強し、定期観測を実施

なお、建物の撤去・建設時に土壌調査を実施し、その結果に基づき適切な措置を施します。

2.土壌汚染問題に関する当社グループの今後の対応

当社グループでは土壌汚染に関する以下の基本方針のもと、今後も管理強化に努めていきます。

  • 1)土壌汚染関連法規(法律、条例)を遵守する
  • 2)人の健康、周辺の環境への影響がないよう管理する
  • 3)当社のステークホルダーに必要な情報を適切に開示する
  • 4)新たな土壌汚染を防止する

この方針のもと、当社グループ所有地の土壌汚染状態の総点検を実施中です。今後、対策が必要な箇所には行政のご指導を仰ぎながら早急に適切な対応をし、情報開示を行うとともに近隣の皆様に対してもご迷惑がかからぬよう万全を期し、誠意を持って対処してまいります。

以上