トップメッセージ

味の素グループは、100年以上前に「おいしく食べて健康づくり」という志をもって創業しました。アミノ酸の研究を起点として、アミノサイエンス®*を軸に成長し、全世界で3万人を超えるグループ従業員と共に、7億人を超える生活者に商品を提供しています。

味の素グループが創業以来大切にしてきたのは、「誰もが料理を作ることを楽しみ、おいしい料理を共に喜び合う」気持ちです。振り返ると、味の素グループで働くことは私にとって運命だったのかもしれません。子供の頃、家族のために料理をするのが好きでした。家族で囲む料理はとても幸せで、家族の絆が強くなるのを子供ながらに感じました。この食がもたらす「幸せの素」を、味の素グループの商品を通じて世界中の人々にお届けするのが、今では私の使命となり、喜びとなっています。

創業時に掲げた「日本人の栄養改善」という目標は、現在のASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)として進化しました。事業を通じて社会課題を解決し、社会と価値を共創する、つまり「幸せの好循環」です。私は、人の幸せに貢献することが、自分自身の幸せにもつながると考えています。世界中の人々に「幸せの素」を届けることで、私たち従業員も喜びを感じ、自分たちの仕事に誇りを持つことができます。

昨今の、変化が非常に激しく予測が難しい事業環境下においては、私たちが拠り所とする「志」(パーパス)がますます重要になっています。このたび、味の素グループの「志」を、従来の「アミノ酸のはたらきで食と健康の課題解決」から、「アミノサイエンス®で、人・社会・地球のWell-beingに貢献する」へと進化させました。この「志」(パーパス)には、経営層だけではなく、世界中で活躍する味の素グループの従業員から自発的に生まれてきた思いや、マルチステークホルダーの皆様の期待に応えていくという決意が込められています。

また、味の素グループは、2030年までに10億人の健康寿命を延伸し、環境負荷を50%削減するというアウトカムを目標として掲げています。この2030年のアウトカムを両立して実現することは、我々のASV経営にとって重要なマイルストーンとなります。

味の素グループの強さの秘訣は、創業以来100有余年にわたる取り組みによってアミノ酸のはたらきを知り尽くしていることをはじめ、卓越した人財、技術力、ブランド力、製品力にあります。サステナビリティを経営の根幹に据え、長期のありたい姿を定め、経営のリーダーシップで挑戦的な「ASV指標」を掲げ、バックキャストする中期ASV経営へ進化させていきます。人財・技術・顧客・組織の4つの無形資産の価値を高めることで、事業を通じたイノベーションを創出し、トコトン本気でASVを追求していきます。

私たちを取り巻く環境は時に厳しいですが、私を含め味の素グループ従業員一人ひとりの心の底から生まれる「熱意」と、「志」を共有していただける多様なステークホルダーの皆様の共感を原動力に、「ありたい姿」実現に向けて取り組みを磨き続け、これまで以上に強く、たくましく成長していけると信じています。

私は、世界中の皆さまに「幸せの素」を届けるため、強い決意をもってたゆまぬ努力をしていく所存でございます。今後ともステークホルダーや生活者の皆さまのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

「Eat Well, Live Well. “AJINOMOTO”」

取締役
代表執行役社長
最高経営責任者

藤江 太郎

*「アミノ酸のはたらき」に徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称。また、それらを社会課題の解決やWell-beingの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチ。