スポーツの裏側にある魅力に迫る『挑戦のそばに』。

パリで行われた「JUSTE DEBOUT 2017WORLD FINAL」でワールドチャンピオンに輝き、世界一となったハウスダンサーのMiyuさん。

ハウスダンスは速めのテンポに合わせて、軽やかにステップを踏む動きが特徴。中でもMiyuさんの「高速ステップ」はSNSで話題になり「TikTok Awards 2022」で表彰されるなど、注目を集めています。他にもダンサーの地位向上を目指して、ワークショップや講演、ファッションモデルや広告出演など、幅広い活動に取り組んでいます。

今回は「正しく努力すれば夢は絶対叶う」と語る、Miyuさんの挑戦に迫ります。

ダンスの魅力は、国や年齢も関係なく繋がれるところ

2017年に世界最高峰のダンスバトル大会「JUSTE DEBOUT」で優勝を飾った、ダンサーのMiyuさん。

近年はSNSにも力を入れており、TikTokで話題となった水曜日のカンパネラ『エジソン』のMV(ミュージックビデオ)にダンサーとして参加。「TikTok Awards 2022」で「Dance Creator of the Year」を受賞するなど、活躍の場を広げています。

その軸にあるのは、“ダンスとダンサーの社会的地位を上げること”。
そこに至るまでの人生は、様々な挑戦の連続でした。

Miyuさんがダンスを始めたのは、8歳の時。
地元のお祭りで同い年ぐらいの子どもが踊っているのを見て、自分も始めたいと思い、近くのスポーツセンターに連れて行ってもらったのがきっかけでした。

「元々、テニスやスイミングに一輪車などいろいろな習い事をしていて、ダンスもその一環で始めました。でも、そこからずっと続いているのはダンスだけですね(笑)」

以降は、スーパーキッズを育成するダンススタジオに入り、ヒップホップからポップにロック、ジャズやワック、ハウスなど多くのジャンルのダンスを習うようになります。
学校が終わったらスタジオに直行するという、ダンスに夢中の生活が続きました。

そして、中学校2年生の時にはハウスダンスの道で行こうと決めたMiyuさん。
ダンスの魅力について彼女は、「国や言語、年齢も関係なく繋がれるところ」だと語ります。

「ダンスは、その人が感じていることや人生や性格、その全てが良い意味でも悪い意味でも出るもの。自分自身が楽しそうじゃなければ、見ている人も楽しめないと思っているので、“自分が一番楽しむ”のは大切にしています」

“夢の大会”で優勝して確信したこと

その信念の原点にあるのは、自身のダンサー人生の中でもターニングポイントとなった、高校1年生で出場したチェコの大会でした。

「初めてダンスで海外に行って、その時は全く外国語が喋れなかったけど、ダンスで繋がれた感覚がありました。イベント自体も観客も、出ているダンサーも今まで見てきたものとは全然違って、それが衝撃的でしたね」

「日本人はシャイですけど、海外のダンサーは自分が一番楽しんでいるし、自信が溢れている。そういう根本的な部分から違うなと思いました。私は元々すごくネガティブだったから、そこから変えないといけないって気付いたんです」

この時は予選落ちで悔しい経験をしたMiyuさんですが、一年後に改めて大会に参加。
予選で初めて自分を解放するダンスを見せられた時、観客が湧いた時の感覚は今でも忘れられないと言います。

そして、19歳の時に迎えたのが世界最大のストリートダンスのバトルイベント「JUSTE DEBOUT 2017 WORLD FINAL」への参加です。
それは、まさしく自身にとって“夢の大会”でした。

「毎日寝る前にYouTubeでチェックしていて、ストリートダンサー全員が憧れるような場所でした。そこで優勝することができたんです」。
この大会にHIRO&Miyuの師弟コンビで出場し、華麗なステップを披露。見事にワールドチャンピオンに輝きました。
そして得られたのは、「夢は叶う」という確信です。

正しく努力すれば夢は絶対に叶う

「一番の学びは、才能がなくても、センスがなくても、“正しく努力すれば夢は絶対に叶う”と確信できたことです。周りからもよく『努力すれば夢は叶う』って言われてきましたが、それは叶えないとわからないことだと思っていて。優勝したことで、本当に叶うのだと実際に体感できた。だから、下の世代にもそれを伝えていきたいという想いはすごくあります」

以降、Miyuさんは「自分のダンスと行動で、多くの人に笑顔やパワー、きっかけや夢を届けられるような女性でいたい」という目標をもって、様々な挑戦を続けています。