心の準備が結果を引き出す
試合に勝つためのスポーツメンタル

重要な試合や大会が開催される秋。最高のパフォーマンスを発揮するためには、技術や体力はもちろん、メンタルの準備も大切になります。では、実際にどんなことを意識し、どのように準備していけばいいのでしょうか。今回は、試合前の心の準備について解説します。
自分たちの強みを明確にし、
何を準備すべきかを整理する

本番まであと2~3週間。個人、チーム、学年や役割によってメンタルの状態は異なりますが、共通していえるのは気負ってしまう人が多いということです。とくに最終学年の選手は「今年こそやってやろう!」という気持ちが強すぎて空回りしがち。それがチームワークを乱し、メンバー同士の衝突の原因になることもあります。ここまできたら、できていないことに目を向けるのではなく、自分たちの強みを明確にしてチーム内で共通認識を持つようにしましょう。そして、その強みをどうすれば発揮できるのか話し合うことが、最高の準備につながります。
安定したメンタルを維持するために
毎日1つ小さな成長を記録する

日々の成長を実感できる方法として、毎日1つ、小さな成長をノートに書き出してみましょう。前より上手くできたこと、前進したと思うこと、どんな些細なことでも構いません。前日と同じ内容を書くのをNGにすることで徐々に書き出す成長度合いは小さくなっていきますが、毎日の積み重ねが安定したメンタル維持につながります。そして、この成長体験が自己効力感を高め、ポジティブなメンタルをつくることができます。
どれだけ準備をしても不測の事態は起きるもの。よく敗因を準備不足という人がいますが、準備には終わりがないのだから仕方ありません。試合2~3週間前であれば、準備不足を心配するのはやめて、「自分たちのできることはやり切った」といい意味で開き直り、気持ちを切り替えることも大切でしょう。
監修者

鈴木颯人さん
一般社団法人日本スポーツメンタルコーチ協会代表
「心から競技を楽しめる人を増やすこと」を信条に言葉を大切にするスポーツメンタルコーチとして活動中。教え子には世界大会優勝、プロ野球ドラフト会議指名、日本代表選手も。『モチベーションを劇的に引き出す究極のメンタルコーチ術』(KADOKAWA)など著書多数。